二〇一六年に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では首脳たちのワーキングディナーやランチのほか、国際メディアセンターでも県産の食材や飲料がアピールされた。四月に開業七十周年を迎えた志摩観光ホテル(志摩市阿児町)は、サミット主会場となったことをきっかけに、県内生産地への視察を始めた。食材と文化の関係を考察する「ガストロノミー」を軸に、ホテルの料理に磨きをかける樋口宏江総料理長(50)に、今後の展望を聞いた。 (阿部竹虎)
−一七年から、季刊発行のリピーター客向け情報誌「志摩時間」の各号に、視察の様子を紹介している
これまで巡ったのは十五カ所。最初のころに訪ねた伊勢エビや安乗フグの漁師が、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の言葉が普及する前から資源保護に取り組んでいたことに驚いた。生産者の声を現地で聴く機会は、かつて持たなかった。品質だけでなく、食材を大切に扱う取り組みの素晴らしさをお客さまに伝えたいという思いが生まれた。
「天然物が優れ、養殖物は料理に使わない」という意識があった。しかし、環境の変化に対応することが求められる時代になり、お客さまに養殖ものも積極的に紹介するようにしている...
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