Pages

Wednesday, August 31, 2022

ソニーNCヘッドホンの金字塔! 「WH-1000XM5」開発チームに聞いた“進化点” (2022年8月31日) - Excite Bit コネタ

tahupedascabe.blogspot.com

全方位進化した「WH-1000XM5」のNC性能・サウンドに迫る


いまやヘッドホン/イヤホンの必須機能とされつつある、「ノイキャン」ことノイズキャンセリング(NC)機能。マイクで集音したノイズから逆位相波を計算し、それをノイズに重ね合わせることで打ち消す「アクティブノイズキャンセリング」が技術の根幹ですが、そう単純なものではありません。

演算を伴うだけにICの性能というデジタルパワーが求められ、マイクの位置/向きや密閉性の確保といったアナログなノウハウも必須です。身近な存在となっただけに競争も激しく、新製品は“より効くノイキャン”でなければなりません。

そのような状況に気を吐く存在が、ソニーの“1000Xシリーズ”。完全ワイヤレスの「WF」とオーバーヘッドの「WH」の2タイプが展開されていますが、どちらも“効き”に対する評価は高く、しかも新モデルが登場するたびSNSでは効果アップの声が聞こえてきます。

1000Xシリーズは、2016年秋発売の「MDR-1000X」を振り出しに、2017年の「WH-1000XM2」、2018年の「WH-1000XM3」、2020年の「WH-1000XM4」と、着実に進化し続けてきました。

個人的に印象が強いのは、2018年モデルの「WH-1000XM3」。ソニー独自開発のプロセッサ「QN1」を搭載することで、アクティブノイズキャンセリングの性能が飛躍的に向上しました。NCの効きは、いかに精緻な逆位相波を高速に生成するか。言い換えればICの演算能力と独自機能にNCの効きがかかってくるため、フィルタ処理に長けた専用プロセッサの開発へと踏み込むのは理にかなっています。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( ソニーNCヘッドホンの金字塔! 「WH-1000XM5」開発チームに聞いた“進化点” (2022年8月31日) - Excite Bit コネタ )
https://ift.tt/VQfMtbO

Saturday, August 27, 2022

スイス最高峰のカジノ「グラン・カジノ・ルツェルン」CEOに聞く、ポストコロナのカジノビジネス| - @DIME

tahupedascabe.blogspot.com

【短期集中連載:Vol.4】スイス最高峰カジノ、グラン・カジノ・ルツェルンCEOインタビュー

ナマステ。カジノライターのかじのみみです。コロナのパンデミックから3年が経過しました。日本国内では観光やエンタテイメント、飲食業などが大きな影響を受け、人々はステイホームを余儀なくされたこともありました。この時期、海外のカジノではどんな影響があったのでしょう?

シリーズ④では、スイスAカジノ「グラン・カジノ・ルツェルン」(Grand Casino Luzern)のCEOウォルフガング・ブリーム氏に、コロナ禍のスイスカジノの状況、オンラインゲーム、今後のことについて伺いました。

『カジノエントランス写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

中国からの訪問者数は今もなお90%減少、オンラインカジノでパンデミックを乗り切る

Q1.コロナパンデミック中、カジノ・ルツェルンはいかがでしたでしょうか。施設は閉鎖されましたか? 観光客や顧客は減りましたか?

ブリーム社長:コロナパンデミック中、我々のカジノは閉鎖を余儀なくされ再オープン時にはさまざまな防護策を講じなければなりませんでした。マスクの着用義務、入場者数の制限、カジノプレーヤー間の仕切り、消毒用ステーションの設置、発熱測定など、対策は多岐にわたりました。

カジノの再オープン後、訪問者数は大幅に減り、渡航制限により観光客は皆無に等しい状態でした。その後、欧州の観光産業は回復しましたが、例えば、中国からの訪問者数は今もなお90%減少しています。

カジノの閉鎖にもかかわらず、私たちは2019年8月にオンラインカジノを立ち上げたので、非常にうまくパンデミックを乗り切ることができました。それ以来、オンラインカジノは活況で、パンデミックの危機を精神的にも金銭的にも乗り越えることができました。

『Grand Casino Luzern CEOウォルフガング・ブリーム氏』

Q2.日本ではテキサス・ホールデム・ポーカーが流行しています。カジノ・ルツェルンではどのようなポーカートーナメントがありますか? オンラインポーカーゲームと何か関係があれば教えてください。

ブリーム社長:当カジノは、スイス最大のテキサス・ホールデム・ポーカートーナメント提供事業主です。Poker-Circle-Swiss-Open トーナメントシリーズを主催しており、最大800人が参加し、賞金は50万スイスフラン(約7,000万円2022/8/8為替レート)に上ります。現在、弊社のオンラインカジノのプラットフォームではオンラインポーカーを提供していませんが、クロスセリング活動も含めて実施を計画中です。

Q3.カジノ・ルツェルンはスイス最大のオンラインカジノも運営している旨を伺いました。この分野でマーケットリーダーとなった理由はなんでしょう?

ブリーム社長:オンラインカジノの全体的なパッケージを成功させるためには、ブランディングに加え、数多くの要素が連動する必要があります。直感的かつシンプルなナビゲーション、カスタマーサポート、プレーヤー保護のための専用部門により、当社が運営するmycasinoでのプレーは簡単に行うことができます。(注:規制により日本からの参加不可。スイス移住者のみ)

そして信頼のために、我々は独自のスイスレーベルを開発しました。当社運営プラットフォームのゲームは900を超え、スイスで最大のゲームレンジを提供し、様々な基準でフィルタリング(アクセス制限等)を行うこともできます。その他、面白いボーナスゲームやキャンペーンもあり、バラエティーに富んでいます。

『ゲーミングエリア写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

また当社にとって、積極的な「プレーヤーの保護」と「責任あるマネープレー」は非常に重要な要素です。プレーヤープラットフォームでは利用可能なさまざまなコンポーネント(構成要素・操作要素)が含まれます。我々の顧客ケアチームは、質問やアドバイスのために、当カジノ施設内で直接業務に当たっています。オンラインプレーヤーが、毎日、毎週、あるいは毎月の入金と損失の制限を設定し、いつでも勝敗に関する透明性を持った情報を取得し、自己テストを行い、自発的に自分をゲームからブロックするサービスも提供しています。

Q4.カジノ・ルツェルンと他国のカジノの違いは何でしょう。スイスならではの特徴は?パンデミック後のカジノ・ルツェルンは、どうなっているとお考えですか?

ブリーム社長:海外のカジノと当カジノの異なる点は得にはありません。ルーレット、ブラックジャック、ポーカーは世界中で同じようにプレーされていますし、スロットマシンは世界最大のプロバイダーから供給されています。

『テーブルゲームとスロットマシン写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

しかし、スイスのカジノはゲーム総収入の80%にも及ぶ累進課税の理由などもあり規模は小さいです。また、地上カジノとオンラインギャンブルは、正式なライセンスを取得しているカジノ事業主(ランドベース・カジノ)のみに許可され、他国にあるような類似産業が存在しないことは興味深い点といえるでしょう。

スイスではスロットマシンはレストランやアーケードショップにはありません。認可されたカジノ施設にだけ設置されています。またプレーヤー保護のための要件は非常に高く、ゲーミング委員会が厳しく監視をしています。カジノの高い税金と住民保護のための厳しい規制が、スイスのカジノ産業を特徴づけています。

コロナパンデミック後は、カジノ・ルツェルンでは再び、そしてより充実したエンタテイメントプログラムを提供していきます。2つのレストラン運営(うち1つは高級レストラン・OLIVO)、イベント会場での魅力的なプログラム、会議室エリアの多様なMICE的な活動など多くを提供していきます。また、オンラインカジノとの組み合わせによって全事業領域で魅力的なクロスセリングを実現します。

『地中海料理レストラン OLIVO写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

『イベントホール写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

Q5.日本から旅行者がカジノ・ルツェルンを訪れるとしたら、大まかな予算はどのくらいでしょうか。テーブルゲームとスロットマシンの最低料金はいくらですか?

ブリーム社長:カジノを楽しむための予算は人それぞれで、20スイスフラン(約2,800円2022/8/8/換算レート)から可能です。ルーレットやブラックジャックテーブルでは1回の賭金が5フラン(約700円)から、スロットマシンは1フラン以下(約140円以下)でもプレーが可能です。また、カジノの非日常的な雰囲気だけを楽しみながら、バーでカクテルを飲むお客様も多いですよ。

Q6.最後に、日本人観光客にメッセージをお願いできますか。

ブリーム社長:スイスは日本とよく似ていて、素晴らしい景色、安全性、親切な人々、そしてサービスの質は日本とほぼ同じです。ルツェルンにはスイスの全てが凝縮されており、1882年(140年前)に湖畔に建てられた施設の中に素晴らしいカジノがあります。

『OLIVOテラス写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

『夜のグラン・カジノ・ルツェルン写真提供:Grand Casino Lucerne, Switzerland』

取材・文/かじのみみ
カジノライター/ カジノコンサルタント

カジノIR・ゲーミング業歴31年。カジノディーラー歴25年。10歳から15歳までインドのボンベイで育つ。2001年、米ラスベガスのPCIディーラーズスクールにて日本人初としてブラックジャック・ルーレット・バカラのディーラーライセンス取得。国内カジノメーカーでの広報・カジノイベント企画運営責任者、米系大手カジノ事業主のVIPマーケティング業を得て、2013年8月フリーとなる。2012年  立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(MBA)修士課程修了。2019年 マカオ大学 グローバルリーダーシップ育成プログラム 国際統合型リゾート経営管理学(IIRM) 修了。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( スイス最高峰のカジノ「グラン・カジノ・ルツェルン」CEOに聞く、ポストコロナのカジノビジネス| - @DIME )
https://ift.tt/4qZ2FVP

レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編 - 4Gamer.net

tahupedascabe.blogspot.com
画像集#025のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編

正しい戦争より,不正な平和を選ばん。


 古代ローマの政治家・弁護士・哲学者・他もろもろのマルクス・トゥッリウス・キケロは,こう述べたとされています。井伏鱒二「黒い雨」での「いわゆる正義の戦争よりも不正義の平和の方がいい」という借用や,それをまた借用したアニメ映画「機動警察パトレイバー 2 the Movie」での「不正義の平和だろうと,正義の戦争より余程マシだ」なども有名ですね。

 しかし“不正な平和”とは具体的には何でしょう。不義や不道徳が常態化していたら平和とは言えませんし,ことなかれ主義で“平和だとする”のは体制側的な思想であり“正しい”タイプの考え方です。

 法やルールに捕われず,秩序が保たれている状態。それは言うなれば「超法規的な倫理観が機能している状態」であり,つまりはグレーゾーンです。はいコレ今回のテーマ!

 グレーと言えば,“編集部員の買い物を好きに紹介する”不定期連載「買い物Surfer」の筆者担当回で,MiSTer FPGAをグレーと述べたところ,埼玉県飯能市の上尾インドミナスさん(仮名)から,こんな質問をいただきました。

「MiSTer FPGAってホワイトでは?」

 筆者の個人的な回答としてはこうです。

「まあ,それ自体が“法的に”ホワイトかっつったら,MAMEでもRetroArchでもRetroPiでもyuzuでも,それ自体はホワイト」

 しかし,それらに関して“一般的な用途がほぼホワイト”と言えるかは大いに疑問がありますし,法的にホワイトであってもプラットフォーマー/パブリッシャ/デベロッパの想定から外れるようなゲームの利用は,メディアとしてはホワイトだとは言いかねます。ゲーム取扱店で普通に販売されている非ライセンスの周辺機器ですら,実はけっこう慎重な扱いが求められるものです。

 論理回路レベルから再現するFPGAはソフトウェアエミュレータよりも高い再現性を見込めるので,近年では某ゲーム大会で利用されたりもしていますが,種目タイトルの版元に見解をうかがったところ,返答は「(簡単に答えられることではないので)ノーコメント」という濁したものでした。そんな温度感なので,一部のアナーキーなゲーム雑誌でもなければ普通はフィーチャーしません。

 その一方で,法律からシチュエーション限定のルールまで杓子定規に遵守していたら,ファンメイドのバグフィックスMODや翻訳MODすら使えませんし,SNSへの画像アップロードひとつから合法性を徹頭徹尾確保しなければならず,本連載で「Polymega」や「アストロ忍者マン」などを取り扱えるわけもありません。

 そもそも,日本で違法だけど海外では合法なこと,昔は違法だったけど今は合法なこと,法規制されていないけど倫理的に芳しくないこと,法整備されたものの違憲性を問われていること,それらの逆など,いろいろあります。実態としては万事が大なり小なりのグレーなわけです。世の中「ホワイトでないということは駄目だということだ」という窮屈な考えの人は多いですし,4Gamer含め普通のメディアは“表向き”にはそうである必要がありますが,一般レベルで大事なのは「グレーをバランス良く渡り歩くこと」でしょう。

 そんな感じで今回は,グレーゾーンから来たゲーム「QUByte Classics: Thunderbolt Collection by PIKO」PS4 / Nintendo Switch / Xbox One 以下,Thunderboilt Collection)でやっていきましょう。


地獄の運動会


 「Thunderbolt Collection」は,PIKO Interactiveからライセンスを得てQUByte Interactiveが開発し,8月4日に発売されました。Piko Interactiveはレトロゲームや未発売ゲームの権利を割と節操なく買い集めては現行機やPC向けにリリースしているアメリカのパブリッシャ,QUByte Interactiveは「婆裟羅コレクション」や「Breakers Collection」といったビスコ製タイトルの移植から近年注目を集めているブラジルのデベロッパです。

 本作には「Thunderbolt」および「Thunderbolt II」という2本の縦スクロール式シューティングゲームが収録されています。各種ストアでの紹介文によると,これらは「1995年に東部限定でリリースされたThunderboltシリーズの2つの縦スクロールシューティングゲーム」であるとのこと。ただ,一般的なゲーム市場の記録にこれらのタイトルは存在しません。はい,記事の前フリからしてアレな予感が漂ってきましたね!


 ゲーム自体の出来は,「Thunderbolt」は正直なところ芳しいものではなく,「Thunderbolt II」は「まあ中の下くらいかな……」といったところ。正直「遊びにくい」ことは否めませんが,システムUIに5スロットのステートセーブが実装されているので,ハードルを乗り越えやすくはなっています。その他にもシステムUIからは,ブラウン管風などを含むスクリーンフィルタの選択や,ボタンアサインなどが可能です。
「Thunderbolt」の1面道中。ちなみに,何もないところから敵弾が発生して襲ってきます
画像集#007のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編
充実の追加オプション!
画像集#016のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編 画像集#017のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編

 基本的なゲームシステムはオーソドックスなシューティングゲームのそれですが,自機のショットや左右に動くパワーアップアイテムなど,端々に妙な既視感を覚えます。とくに「Thunderbolt」のボスキャラクターは,何か見覚えがあるような……。
 まあ,アレなんですよね。具体的には,以下のゲーセンミカドさんの動画などを観ていただくと「あー……なるほどなるほど……」となれます。
 んー……表現は難しいですが,できるだけ事実から逃げず,しかし柔らかめな表現を選ぶとしたら……。

 どちゃくそパチモンですね。

ただし「Thunderbolt II」は割とオリジナリティを有していて,なにげに背景の多重スクロールを実現していたりするのは褒められなくもないところ
画像集#020のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編 画像集#022のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編

パチモンマーチ


 もともと「Thunderbolt」は「雷電II」,「Thunderbolt II」は「雷電傳説II」(雷電伝説II)というタイトルでした。プラットフォームは,前者がファミリーコンピュータで,後者がメガドライブ。もちろん,これらのタイトルに「〜I」に相当するゲームは存在しませんし,セイブ開発の「雷電」シリーズおよび「雷電伝説」(FM TOWNS / メガドライブ / スーパーファミコン)とはまったく関係ありません。あと,販売にあたって任天堂やセガ・エンタープライゼス(当時)といったプラットフォーマーの許諾もありません
ちなみに,中国の通販サイトなどで「雷電傳説II」の非公式コピー,すなわち“海賊版の海賊版”が販売されていたりもしますが,もし物理版が欲しい場合はPiko Interactiveのリプロダクト版カートリッジを購入した方が良いでしょう。Piko Interactiveが何かしらのゲームを復古する資金の足しになるでしょうし
画像集#012のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編

 詳細は未確認ながら――確認のしようも無いですが――英語圏で出回っている情報を統合すると,これらのゲームは某台湾企業(現存法人なので,いちおう社名は伏せます)が,使い捨てのブランド名で1995年に発売した海賊版だったそうです。同社の“プラットフォーマー未許諾ソフト”はまだグレーと言えますが,ヤバいものになるとファミリーコンピュータ向けの「ポケットモンスター」やメガドライブ向けの「スーパードンキーコング」,ゲームボーイアドバンス向けの「餓狼 MARK OF THE WOLVES」など,数々のマジで法的にブラックなやつを開発・販売していたとか。
「雷電II」改め「Thunderbolt」には“RELEASE 1993”と記されていますが,実際には1995年まで流通していなかったという説も。ちなみに1995年は,最後の正規ファミリーコンピュータ用ソフト「高橋名人の冒険島IV」や,PlayStationおよびセガサターンが発売された翌年です
画像集#018のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編 画像集#019のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編

 台湾は2002年にWTO(世界貿易機関)へ加盟しましたが,それ以前はぶっちゃけ無法地帯です。IGS(鈊象電子)のように1980年代から正規市場で活動していたゲームメーカーもあるものの,2002年にACCS(社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会)が発表した資料によると,周辺諸国と比べて文字通りケタ違いの海賊版ソフトが当局に押収されています。押収数に対して摘発件数が少ないので,特定の企業ないし組織が大量の製造・出荷を行っていたということなのでしょう。

 ソフトウェアだけでなく,台湾では互換機の開発も盛んでした。台湾随一の水晶デバイスメーカー・TXC(台湾晶技)は,かつて「小天才」と呼ばれるファミリーコンピュータ互換機を製造して中国や東南アジア向けに展開しており,東欧諸国では「Pegasus」ブランドの一部製品,ソ連では「Dendy」ブランドの製品としても販売されています。とくにDendyは,販売会社のSteeplerが任天堂からスーパーファミコンやゲームボーイなどの販売権を得る交渉の中で“容認”との見解を下されたなどのエピソードから,ちょっとした伝説的存在として有名です。

 そんなカオス時代の台湾から生じた諸権利ブッチギリの鬼子が,アメリカの企業に買収されて,ブラジルの企業が諸々修正を行ったうえで,任天堂ハードを含む主要プラットフォーム向けタイトルとして,日本を含む世界各国に向けてリリースされたのですから,時の流れは何とも奇妙かつ慈悲深いものです。

 「Thunderbolt Collection」は,各プラットフォーマーから許諾を得ていますし,「雷電」の名称は製品名からゲーム内まで修正されているので権利を侵害せず,パクリにしてもクオリティの低さから「これを叩き潰すとなると,『Unmetal』や『Covert Critter』のようなオマージュすら萎縮させかねない」といったレベル。

 似たような例としては,2015年にSteamでリリースされた「Giana Sisters 2D」が挙げられますね。ドイツ・Rainbow Arts Softwareが1987年にリリースしたCommodore 64などの8bit PC(とAmiga)向けタイトル「The Great Giana Sisters」は,「スーパーマリオブラザーズ」モロパク(キャラクターは独自の姉妹)だったので,水面下でのいろいろな動きを経て自主的な出荷停止・封印を行うことになったそうですが,ゲーム自体は大評判で伝説的な存在となり,後年にIPが復古されました。「Giana Sisters 2D」は2009年に発売されたニンテンドーDS用ソフト「Giana Sisters DS」のリメイクで,「Giana Sisters DS」は初代「The Great Giana Sisters」のリメイクです。


 権利侵害を容認するわけではありませんが,ゲームの発展において,とくに黎明期は他社の模倣やパロディが珍しくありません。日本のゲーム市場もAtariの「Pong」をコピーした製品から始まりましたし,タイトーの「スペースインベーダー」がコンピュータゲームのパラダイムシフトを引き起こすと,任天堂の「スペースフィーバー」や,発売:レジャック/開発:コナミ工業(当時)の「スペースキング」および「スペースウォー」といった模倣・発展品が現れました。ゲームの表現力が上がってくると,ハドソンは「デゼニランド」「デゼニワールド」といった誰もが知っているIPのパロディゲームを繰り出しました。ゲーム史を辿っていくとき,“パチモン”は非常に重要なファクタとなるものでもあります。

アイしてりんこ スキりんこ


 くれぐれも権利侵害を容認するわけではないことを申し上げますが,台湾の“電子立国”だってホワイトだけでは成し遂げられなかったでしょう。筆者的には「PS5を買わせていただきありがとうございます」のソフマップも,最初期はアングラ気味なお店だったことで有名ですが,今では立派な家電/PC/ゲーム等の量販店です。近年では「ソニックCD」などの“私家移植”を行っていたChristian Whitehead氏が「ソニックマニア」「ソニックオリジン」の開発に携わったりしたように,グレーなところから新しいものが芽生えることはしばしばあります。

 そういった“今では苦笑い”があってこそ今日という日もあるものです。“正しさ”はあるにこしたことはないものながら,その名のもとに可能性の萌芽が潰されるくらいなら,灰色の帳を下ろしておいたほうがいい。「Thunderbolt Collection」は,無闇に白黒付けたがる今の世の中に問題提起を投げかける,存在自体が哲学的なタイトルと言えるでしょう。

 ……でしょう?

 ……いや,別にそんな大層なもんじゃないな。

なお,今回の分かりにくい小見出しネタは嘉門タツオ特集でお送りしました。
画像集#013のサムネイル/レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編

 あと台湾と言えば,筆者的にはPlayStationのローカル広報キャラクター・小藍(とか,Microsoftのローカル広報キャラクター・藍澤 光とか)が「これぞ台湾」だと思っていて,「小藍のPS5スキンステッカー発売してくれよ!」と願っていたりする昨今です。なんかSCEがSIEになって以降,プロモーションを世界的に統一するような傾向を感じていますが,やっぱ個人的には末端がある程度自由にガチャガチャやれるグレーなムードの方が良いなあ。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( レトロンバーガー Order 87:海賊版も一周回れば正規品(か?) 1990年代の台湾カオスが現代に蘇る「Thunderbolt Collection」編 - 4Gamer.net )
https://ift.tt/cKs6ImS

Thursday, August 25, 2022

吸引力の変わらないペット用ブラシ:毛が舞うまえにキャッチできる 「Dyson V12 Detect Slim Complete」登場 - GIZMODO JAPAN

tahupedascabe.blogspot.com

気持ちよさそうなお顔してるねぇ。

ダイソンからコードレス掃除機の新モデル「Dyson V12 Detect Slim Complete」が発表されました。昨年発売された「V12 Detect Slim」に、新しいヘッドが付属したセットになります。なので掃除機本体の性能は同じ。

220825dysonpet_02

新しいヘッドはこの2つ。左側が「Motorbarクリーナーヘッド」、右側はペットのブラッシングに使う「ペットグルーミングキット」。え、ダイソンの掃除機でブラッシングを!? そうです、しちゃうんです。

ペットの毛には色んなホコリが付着する

ダイソンが実施したグローバルのアンケートによると、ペットオーナーの72%がブラシを使ってペットの毛の手入れをしているとのこと。しかし、舞い散る毛は部屋のあちこちに潜り込み、さまざまなホコリを絡め取ります。それが部屋の空気の汚染にも繋がることがわかりました。

220825dysonpet_03

「ブラッシングで舞った毛を掃除するなら、ブラッシングの時に吸い込めば良いのでは?」と、そんなストロングなアイデアから生まれたのが、今回のペットを意識したヘッド群。コロナ禍によってペットと暮らす人が増えた時勢ですから、タイミング的にも良いですね。

220825dysonpet_04

また、人々の掃除頻度は増加傾向にあるものの、3人に2人はマットレスに掃除機をかけておらず、ペット用のベッドにいたっては89%の人が掃除をしていないとのこと。ドキっとしたそこのアナタ、今週末はじっくり掃除機をかけて、家の空気をスッキリさせるのも一興ですよ。

220825dysonpet_05

また、抜け落ちた毛はホコリや皮膚片、バクテリアを付着させるとのこと。たんぱく質はダニの好物ですから、やはり毛はきちんと掃除したいですね。空気中に浮遊している微粒子レベルのたんぱく質には、空気清浄機も有効です。

絶対に毛を絡ませない強い意思を感じる

220825dysonpet_06

それでは、新しいヘッドを見ていきましょう。まずは「Motorbarクリーナーヘッド」。ダイソン掃除機では定番の「Fluffyクリーナーヘッド」に似ていますが、こちらはモフモフが無く、カーペットに潜り込んだ毛に対して強い効果を発揮します。

220825dysonpet_07

こうしたモーターヘッドはどうしても人やペットの毛が絡みがちで、定期的に分解してメンテナンスする必要がありますよね。でも、この「Motorbarクリーナーヘッド」は毛を絡ませないことに特化した結果…。

220825dysonpet_08

ヘッドの内側にコーム(クシ)型のパーツを内蔵。これが巻き取られた毛をしゅるしゅるっとほどいてくれるんです

220825dysonpet_09

こんな感じ。大量の黒い髪が巻き取られていますが、コーム部分でブラシからほどけているのがわかります。カーペットの奥に潜り込んだペットの毛は、コレで全部巻きとってしまえ!

リビングをトリミングルームに

220825dysonpet_10

お次は「ペットグルーミングキット」。こちらはメーカー直販の別売品で、今回のモデルには含まれません(価格は8,800円)。ですが、長毛のペットと暮らしてる人は持っていて損はないヘッドになっていますよ。

220825dysonpet_11

こんな風に、押し込むと364本のブラッシング用ブラシが飛び出す仕組み。ブラシは掃除機本体に直接取り付けるか、上の写真のような延長ホースを介して接続します。

220825dysonpet_12

グルーミングしつつ、ブラシを引っ込めると同時に毛を吸引! 吸引しながらブラッシングすることで、毛が舞い散るのも防ぎつつ、ペットの毛や体に付着したフケやダニの死骸なども一緒に吸い込めるのが利点ですね。

220825dysonpet_13

めちゃめちゃ毛、抜けます。数分のブラッシングでこれですから、吸引せずに普通のブラシを使っていたらそりゃ空気中にも舞っちゃいますよ、毛。犬や猫は毛づくろいをすると唾液が毛に付きますし、一見キレイに見える毛は色んな有機物やホコリを呼び寄せてしまうんです。

「こんなにペットの毛を吸い込んで、掃除機は大丈夫なの?」と思ったのでダイソンの人に聞いていると、ダイソンのフィルターはホコリの大きさによってしっかりフィルタリングしているので、毛や有機物であろうと大丈夫とのこと。まぁ食べかすとかも普段から吸い込みますしね。

220825dysonpet_14

また、今回の「Dyson V12 Detect Slim Complete」には、アルキメデスの螺旋から着想を得た「毛絡み防止スクリューツール」も付属(V12、V15に付属しているヘッド)。「Motorbarクリーナーヘッド」と併用して、家中の毛をやっつけてしまいましょう。

ペットの毛も、人間の髪も、全部ダイソンにお任せ

「Dyson V12 Detect Slim Complete」は、すでに販売中。別売の「ペットグルーミングキット」も販売中で、こちらはV7やV8など少し古いモデルとも互換性があります。ダイソンでのトリミングに興味がある人はチェックをば。

220825dysonpet_15

にしても、掃除機でトリミングとは考えたなぁ。うちの実家の犬も換毛期は無限にブラッシングできちゃうけど、吸引しながらブラッシングすればそのあとの掃除はめちゃくちゃラクそう。ペットとの暮らしを、ダイソンで快適に。

Source: ダイソン
Images: ヤマダユウス型

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 吸引力の変わらないペット用ブラシ:毛が舞うまえにキャッチできる 「Dyson V12 Detect Slim Complete」登場 - GIZMODO JAPAN )
https://ift.tt/4MhO1c2

「GALLERIA UA9C-R39T」レビュー - GAME Watch

tahupedascabe.blogspot.com

 サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」シリーズは、デスクトップPCもノートPCも、エントリーモデルからミドルレンジ、ハイエンドまでラインナップが充実していることも魅力だ。今回は、GALLERIAシリーズのデスクトップPCの中でも、最上位となるフラッグシップモデル「GALLERIA UA9C-R39T」を試用する機会を得たので、重量級FPS「Battlefield 2042」とサバイバルゲーム「Rust」を用いて、その実力を探っていきたい。

最新第12世代CPU「Core i9-12900K」と最新GPU「GeForce RTX 3090 Ti」を搭載

 GALLERIAシリーズには、上位からUシリーズ、Zシリーズ、Xシリーズ、Rシリーズという4つのシリーズがあり、最上位となるUシリーズは、Ultimate(至高)を意味している。GALLERIA UA9C-R39T(以下UA9C-R39T)は、デスクトップPCのUシリーズの中でも最上位の製品であり、文字通り、GALLERIAシリーズ最高のフラッグシップモデルである。

【GALLERIA UA9C-R39T】

Core i9-12900KとGeForce RTX 3090 Tiを搭載したフラッグシップゲーミングPC「GALLERIA UA9C-R39T」

 まずは、基本スペックを見ていこう。

【GALLERIA UA9C-R39T】
CPU:インテル Core i9-12900K(16コア/24スレッド、3.20GHz~5.30GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 3090 Ti(24GB)
チップセット:インテルZ690チップセット
メインメモリ:32GB DDR5-4800MHz DIMM(16GB×2)
ストレージ:1TB Gen4 NVMe SSD / 2TB HDD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:609,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/5shopping/detail_prime.php?tg=13&tc=30&ft=&mc=10991&sn=0

 本製品は、CPUとしてインテルの最新世代CPU「Core i9-12900K」を搭載する。とりわけCore i9-12900Kは、第12世代Coreプロセッサーの中でも最上位となり、インテルが世界最高のゲーミングCPUと謳っている製品だ。

 この第12世代CoreはインテルのCoreシリーズで初めて、2種類のコアを搭載するハイブリッドCPUとなっており、Core i9-12900Kは、Pコアと呼ばれる高性能コアが8コア、Eコアと呼ばれる高効率コアが8コアの合計16コアを搭載。Pコアは1つのコアで2つのスレッドを同時実行可能なため、合計24スレッドを同時に実行できる。Pコアは従来の第11世代Coreをベースにさらに改良が行われており、デコーダや命令実行ユニットが強化されキャッシュ周りも強化されるなど、さまざまな点が進化している。そのため、第12世代Coreは第11世代Coreに比べて、同じクロック周波数でも平均19%の性能向上を実現している。Core i9-12900Kは、クロック周波数自体も3.20GHzから4.50GHと高く、PC用CPUとして現時点最高クラスのパフォーマンスを誇る。

 Core i9-12900Kは、GALLERIAでの搭載は初ではないが、本製品をフラッグシップモデルたらしめている理由は、GPUとして2022年3月に発表されたNVIDIA GeForce RTX 3090 Tiを搭載している点だ。

 GeForce RTX 3090 Tiは、NVIDIAの最新GPU「RTX 30シリーズ」の中でも最上位に位置するGPUであり、それまで最上位だったGeForce RTX 3090をさらに上回るパフォーマンスを誇る。GeForce RTX 3090のCUDAコアの数は10,496個であったが、GeForce RTX 3090 TiではCUDAコアの数が10,752個に増加。さらに、CUDAコアの動作周波数も、GeForce RTX 3090ではベースクロック1.40GHz、ブーストクロック1.70GHzだったのに対し、GeForce RTX 3090 Tiではベースクロック1.67GHz、ブーストクロック1.86GHzへと向上している。

 GeForce RTX 3090 TiはGeForce RTX 3090と同じく、開発コードネームAmpereと呼ばれる、RTXシリーズとして2世代目にあたる製品で、レイトレーシングコアを搭載し、RTXしか利用できないNVIDIA DLSSといった機能をサポートしていることも魅力である。最新ゲームを4K解像度かつ高いフレームレートでプレイしたいという人の要求をかなえてくれる。グラフィックボードは厚みも大きく、3スロット分を占有している。出力端子は、HDMI×1とDisplayPort×3で、最大4画面のマルチディスプレイにも対応する。

 メインメモリは32GBで、従来のCore iシリーズで採用されていたDDR4よりも高性能なDDR5が採用されている。32GBもあればゲーム用途ならほぼあらゆる環境で快適と言えるが、メモリスロットは4基用意されており、2基空いているので、将来メモリを増設する場合も標準搭載のメモリが無駄になることはない。

 ストレージは、PCIe 4.0対応のNVMe 1TB SSDと2TB HDDを搭載する、デュアルストレージ仕様となっており、合計3TBの大容量を誇る。ファイルサイズの大きなAAAゲームを多数インストールしても余裕がある。また、ゲームプレイの様子を録画して、テロップなどを付けて編集しYouTubeなどにアップロードするといった使い方をするにも十分だ。

Uシリーズだけのプレミアム仕様のケースを採用

 GALLERIAシリーズのデスクトップPCは、オリジナルのタワーケースを採用している。2020年夏に設計が一新された新ケースに変更されたが、新ケースはデザイン、使い勝手ともに非常に良い。ケースのサイズは220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)で、カラーはブラックとシルバーを基調としており、精悍な印象だ。なお、Uシリーズ以外のデスクトップPCではサイドパネルがガンメタリックで塗装されているのだが、最上位となるUシリーズでは、プレミアム仕様としてヘアライン加工が施されたアルミ外装を採用しており、さらなる高級感を醸し出している。

サイドパネルに斜めにヘアライン加工が施されたアルミ素材を採用

 フロントパネル中央にはシルバーのGALLERIAエンブレムがあり、GALLERIAブランドのPCだということをしっかりと主張している。また、フロントパネル周囲には、新世界への「ゲート」をイメージしたRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく光る。デフォルトの発光色は青色だが、専用のLEDコントロールユーティリティを使うことで、発光色や発光パターンを自由に変更できる。

【高品位なアルミ外装を採用】

GALLERIA UA9C-R39T 第12世代Core搭載のフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが光る

 フロントパネルの上部が斜め45度にカットされており、その部分にフロントI/Oポートや電源スイッチが用意されていることも特徴だ。この斜めの部分にも、ヘアライン加工されたアルミ素材が採用されており、サイドパネルとの統一感を実現している。フロントI/OポートとしてUSB 3.2 Gen1 Type-A×4と音声入出力端子を備えている。フロントのUSBポートは、主に頻繁に抜き差しするデバイス(USBメモリなど)に使われるが、4つあれば、まず足りなくなることはないだろう。背面のI/Oポートも充実しており、USB 2.0 Type-A×2 、USB 3.2 Gen1 Type-A×2 、USB 3.2 Gen2 Type-A×1 、USB 3.2 Gen2x2 Type-C×1の合計6つのUSBポート(うち1つがType-C)を備えるほか、サウンド入出力端子やPS/2キーボード・マウス端子、2.5Gb LANポートも備えている。

 正面から見て左側のサイドパネルは、一部が透明になっており、内部が見えるようになっている。ゲーミングデスクトップPCでは、LEDが搭載されている光物パーツを多数搭載し、内部が鮮やかにライトアップされるものも多いが、UA9C-R39Tでは、装着されているRTX 3090 Ti搭載グラフィックボードや水冷ヘッドにRGB LEDが搭載されており、サイドパネルの窓から光る様子を視認できる。

 左右のサイドパネルは、手回しが可能なローレットビスで固定されており、ドライバーがなくてもサイドパネルを外せるため、メンテナンスもしやすい。トップパネルはハニカム形状の穴が空いた樹脂パネルとメッシュパネルから構成されており、トップパネルの上にUSBメモリなどの小物を置くことも想定されている。

 電源ユニットは80PLUS PLATINUM認証の1000W静音電源を採用。PLATINUMは80PLUSの6つある規格の中で、上から2番目となる規格であり、高い変換効率を実現。GeForce RTX 3090 Tiは、グラフィックボード全体の消費電力の目安となるTGP(Total Graphics Power)が450Wと高いが、それでも十分余裕がある。

 本体の底面には、電源ユニットのファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除も楽にできる。光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、後付けでBDドライブなどを搭載することもできる。

3基の大型静音ファンと水冷CPUクーラーで冷却性能と静音性を両立

 本製品は、CPUクーラーとして、一般的な空冷タイプのCPUクーラーではなく、冷却性能と静音性に優れた水冷CPUクーラーを採用している。Core i9-12900Kの基本電力は125Wだが、ターボ動作時の最大電力は241Wにも達するが、冷却能力が不足する心配はない。水冷CPUクーラーのラジエーター部はトップパネルの下に配置されており、2基の120mm静音ファンによって冷却されている。

 ケースファンとしては、リアに140mm静音ファンが1基、フロントに120mm静音ファンが2基搭載されており、十分なエアフローを実現している。

 マザーボードには、拡張スロットとして、PCIe 5.0 x16スロットが1基、PCIe 4.0 x16スロットが1基、PCIe 3.0 x16スロットが2基、PCIe 3.0 x1スロットが1基の合計5スロットが用意されているが、GeForce RTX 3090 Ti搭載グラフィックボードが3スロット分のスペースを占有しているため、利用できるスロットの空きは2スロットのみだ。

 そのほか、6Gbps対応のSATAポートが4基と、M.2スロットが3基用意されている。M.2スロットは2基がPCIe 4.0 x4対応で、1基がPCIe 4.0 x4/SATA両対応の合計3基が用意されており、そのうちの1基にPCIe 4.0対応NVMe 1TB SSDが装着されている。

独自の「リジッドカードサポート」で大型グラボも強固に固定

 本製品は、NVIDIAのハイエンドグラフィックボード「GeForce RTX 3090 Ti」を搭載していることが魅力だが、GeForce RTX 3090 Tiに限らず、最近のハイエンドグラフィックボードは、大型化と重量化が進んでおり、PCIeスロットに装着した状態で通常のタワーマシンのようにマザーボードを立てて使うと、PCIeスロットに大きな負荷がかかる。また、本体を輸送中に振動などでグラフィックボードが外れて破損してしまうという事故もときどき耳にする。そこで、RTX 3070以上のグラフィックボードを搭載したGALLERIAシリーズのデスクトップPCでは、グラフィックボードの緩みを防止する「リジッドカードサポート」と呼ばれる新機構が採用されている。

 リジッドカードサポートは、フロント側に大型ステーを設け、そのステーを利用してグラフィックボードを上下から専用パーツで挟み込んで強固に固定する仕組みである。この機構により、PCIeスロットへの負荷が大きく軽減され、輸送時にも振動などでグラフィックボードが緩んだり外れたりする事故を防げる。

【リジッドカードサポート】

グラフィックボードを専用パーツで上下から挟み込み、ステーを利用して固定する仕組みだ

重量級FPS「Battlefield 2042」の4K最高画質で平均181fpsを達成

 UA9C-R39Tは、GALLERIAシリーズのフラッグシップモデルとして、現時点最速クラスのパフォーマンスを誇るゲーミングデスクトップPCである。気になるのはそのパフォーマンスだが、実際のゲームで検証してみたい。

 まず、エレクトロニック・アーツの重量級FPS「Battlefield 2042(バトルフィールド 2042)」を用いて、パフォーマンスを計測してみた。「Battlefield 2042」は、人気のBattlefieldシリーズの最新タイトルであり、2013年に発売された「Battlefield 4」の直接的な続編となる。タイトル通り、21年後の2042年に戦争が起きたとする架空の物語である。本作では、シングルプレイのキャンペンモードがなくなっており、マルチプレイに特化したタイトルとなっている。また、これまでのBattlefieldシリーズでは、最大64人での戦いであったが、「Battlefield 2042」のPC版では、従来の2倍の最大128人対戦に対応していることがウリの一つだ。

 PC版の「Battlefield 2042」はDirectX 12対応で、空気感を感じられる美しいグラフィックスが魅力の一つだが、その分、要求する動作環境が高い。必要動作環境は、CPUがCore i5-6600KまたはRyzen 5 1600、メモリ8GB、ビデオメモリ4GB、GPUがGeForce GTX 1050 TiまたはRadeon RX 560、HDD空き容量100GBであり、推奨動作環境は、CPUがCore i7-4790またはRyzen 7 2700X、メモリ16GB、ビデオメモリ8GB、GPUがGeForce RTX 3060またはRadeon RX 6600 XT、SSD空き容量100GBとなっている。推奨動作環境を見ると、CPUは数世代前でも問題はないが、GPUは最新世代の製品を要求しており、特にGPUへの負荷が高いゲームであることがわかる。

 「Battlefield 2042」には、コンクエスト、ブレークスルー、ハザードゾーンの3つのゲームモードがあるが(過去のステージで遊べるBattlefield Portalもある)、ここでは攻撃側と防衛側に分かれて戦うソロ・ブレークスルーで、CapFrameXを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート(厳密には95パーセンタイル)、最低フレームレート(1パーセンタイル)を5回計測し、その平均を採用した。マップはカレイドスコープで、解像度は4K(3,840×2,160)である。

 画質は、「グラフィッククオリティー」を「最高」に設定し、DLSSを「オート」、レイトレースアンビエントオクルージョンを「オフ」にして計測した(DLSSとレイトレースアンビエントオクルージョンについては後述)。その結果は、平均フレームレートが181fps、最高フレームレートが221fps、最低フレームレートが125fpsとなった。「Battlefield 2042」は現時点でトップクラスの重量級fpsだが、4K最高画質でも平均フレームレート181fpsという結果は非常に素晴らしい。実際にプレイしてみても、反応が素早く、フレームレートも高いため、とても快適であった。これまでに様々なゲーミングPCをレビューしてきたが、やはりGeForce RTX 3090 Tiのパフォーマンスは圧倒的だ。

 「Battlefield 2042」は、近未来の世界で武装ヘリや軍用車両も多数登場する硬派なFPSだが、本製品なら、その美麗なグラフィックスを4K解像度でも存分に楽しむことができるのだ。

【「Battlefield 2042」での計測結果】

「グラフィックのクオリティー」を「最高」に設定した
「DLSS」はデフォルトではオフになっていたので、「オート」に設定した。レイトレースアンビエントオクルージョンは「オフ」に設定した
「Battlefield 2042」のベンチマーク結果

オープンワールドサバイバルゲーム「Rust」でも4K最高画質で平均113fpsを達成

 続いて、Facepunch Studiosのサバイバルゲーム「Rust」でも、フレームレートを計測してみた。「Rust」は、Facepunch Studiosが開発・販売しているオープンワールドのサバイバルゲームである。文明が崩壊した島を舞台に、最大300人が生存のための戦いを繰り広げる一人称視点のサバイバルゲームで、非常にグラフィックスが美しく、負荷の高いゲームでもある。また、2021年5月のアップデートにより、遅延を減らすNVIDIA Reflexをサポート、2021年7月のアップデートにより、NVIDIA RTXシリーズのみが利用できるDLSSにも対応している。「Rust」は、プレイステーション4やXbox Oneなどのコンシューマー機でもプレイできるが、4K解像度で「Rust」を楽しみたいなら、ハイスペックなゲーミングPCがオススメと言える。

 そこで、「Battlefield 2042」と同じく、4K解像度でCapFrameXを用いて実際のゲームプレイ中の1分間の平均フレームレート、最高フレームレート(厳密には95パーセンタイル)、最低フレームレート(1パーセンタイル)を5回計測し、その平均を算出した。グラフィック周りの設定は基本的に最高に設定し、DLSSは「Max Performance」に設定、NVIDIA REFLEXモードは「ON」に設定した。サーバーとして日本に設置されているコミュニティサーバー(PvE)を利用し計測を行ったところ、平均フレームレートが113fps、最高フレームレートが127fps、最低フレームレートが91fpsとなった。「Battlefield 2042」よりもフレームレートは全体に低くなっているが、平均フレームレートが100fpsを超えていれば、十分快適にプレイできる。

【「Rust」での計測結果】

グラフィッククオリティを最大にし、DLSSは「Max Performance」に設定、NVIDIA REFLEXモードは「ON」に設定した
日本に設置されているPvEのコミュニティサーバーでプレイを行った
「Rust」のベンチマーク結果

「ファイナルファンタジーXIV」も4K/最高設定で超快適!

 さらに、国産MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークテスト「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を実行してみた。4K最高品質でのスコアは17,906で「非常に快適」という評価に、4K高品質(デスクトップPC)でのスコアは19,535で同じく「非常に快適」という評価になった。「暁月のフィナーレ」では、スコアが15,000を超えると、一番上の評価である「非常に快適」と判定されるのだが、本製品のスコアは4Kでもその値を軽く超えている。「FFXIV」の最新拡張セット「暁月のフィナーレ」、その次の7.0で予定されているグラフィックスアップデート環境でも4K解像度で十分快適にプレイできるだろう。

【「FFXIV」次期グラフィックスアップデート】

 また、「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は5,013.0MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)が4,267.77MB/sという非常に高速な結果になった。ロットによって搭載SSDが異なるため、あくまで参考値だが、シーケンシャルリード5,000MB/sというのは、SATA 6Gbps対応SSDの8倍以上の速度であり、OSやゲームの起動も非常に高速で、ストレスを感じることがない。参考のためにHDDについても性能を計測してみたが、SSDとの性能差は非常に大きいことが分かるだろう。

【各種ベンチマーク結果】

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」3,840×2,160ドット最高品質の結果
「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」3,840×2,160ドット高品質(デスクトップPC)の結果
「CrystalDiskMark 8.0.4」のSSD計測結果

「Battlefield 2042」と「Rust」で検証する「DLSS」、「Reflex」、「レイトレ」の効果

 今回検証に利用した「Battlefield 2042」と「Rust」は、どちらも非常に重いタイトルというだけでなく、NVIDIAの独自機能である「DLSS」「NVIDIA Reflex」「レイトレーシング」(「Rust」は非対応)に対応していることが特徴である。DLSSとレイトレーシングは、NVIDIAのRTXシリーズ搭載PCでのみ利用できる機能であり、NVIDIA Reflexは、GeForce GTX 900以降のNVIDIA製GPUを搭載したPCで利用できる。もちろん、今回試用しているUA9C-R39Tでは、これら3つの機能をすべて利用できる。

 DLSSは、Deep Learning Super Samplingの略で、ディープラーニング(深層学習)を利用してスーパーサンプリングを高速に行う技術である。スーパーサンプリングは超解像とも訳され、低解像度の画像を高解像度の画像に変換する技術だ。DLSSは、それをディープラーニングによって行うことが特徴で、RTXシリーズに搭載されているTensorコアを使うことで、高速な変換が可能だ。DLSSを有効にすることで、映像のギザギザを滑らかにするアンチエイリアス処理が高速化されるため、フレームレートが向上し、細部がシャープになるという利点がある。「Battlefield 2042」、「Rust」ともにDLSSに関する設定が用意されており、さきほど挙げた結果はDLSSを有効にしてフレームレートを計測したものだ。

 基本的にDLSSに関する設定が用意されているタイトルなら、DLSSを有効にすることをおすすめするが、あえてDLSSをオフにして先ほどと同じようにベンチマークテストを行ったところ、「Battlefield 2042」の平均フレームレートが147fps、最高フレームレートが176fps、最低フレームレートが105fpsという結果になった。先ほどの結果と比べれば分かるように平均フレームレートは34fps、最高フレームレートは45fps、最低フレームレートは20fpsも低下している。同様に「Rust」では、平均フレームレートが78fps、最高フレームレートが94fps、最低フレームレートが52fpsという結果になり、DLSS有効時と比べて、平均フレームレートは35fps、最高フレームレートは33fps、最低フレームレートは39fps低下している。以前、RTX 3090搭載機でフルHD解像度で検証した時には、DLSSの有効無効を切り替えても、「Battlefield 2042」のフレームレートは2~3fps程度しか変わらなかったが、4K解像度での差は驚くほど大きい。DLSSを有効にすることで、「Battlefield 2042」では約22%、「Rust」では約45%もフレームレートが向上しているのだ。

 原理上、DLSSを有効にすると、画質が多少落ちる可能性はあるが、実際に比較したところほとんど差は感じられなかった。RTX搭載PCでDLSS対応タイトルをプレイするなら、DLSSはぜひ有効にすべきだ。特に4K環境ではその差はかなり大きくなる。

【DLSSの効果の検証】

「Battlefield 2042」でのDLSS有効時とDLSS無効時のフレームレートの比較
「Rust」でのDLSS有効時とDLSS無効時のフレームレートの比較

【「Rust」のDLSSの効果】

DLSSをオフにした状態。4Kネイティブの描画を行っているため、こちらが本来の映像だ
DLSSをMax Perfomanceにした状態。左奥の草のエッジが強調されすぎているほか、波の表現が少し変わっているが(波が砂浜の奥まで来ている)、プレイ中にはほとんど気付かないレベルだ

 NVIDIA Reflexは、ゲームプレイ中のレイテンシ(遅延)を減らすための技術である。レイテンシとは、ボタンが押されてから、それが実際に画面のキャラクターなどに反映されるまでにかかる時間のことだ。描画の際には、CPUとGPUが一緒にパイプラインで分担して作業を行うが、その流れを最適化し、CPUやGPUの無駄な待ち時間を減らそうというのがNVIDIA Reflexである。「Battlefield 2042」の場合、NVIDIA Reflexの有効無効を切り替えても、特にフレームレートには違いが出なかった(仕組み上、有効にするとレイテンシは減るが、フレームレートも低下する可能性がある)。「Rust」の場合、DLSS有効時にNVIDIA Reflexをオフにすると、平均フレームレートが112fps、最高フレームレートが130fps、最低フレームレートが97fpsとなり、最高フレームレートと最低フレームレートは多少上がったがその差はわずかなので、こちらも基本的に有効にしておけばよいだろう。NVIDIA Reflexは、表示される映像に差が出る機能ではない。

 レイトレーシングも、RTXシリーズならではの機能である。レイトレーシングとは、光線追跡法と訳されるが、観測者から見える範囲にある光の経路を1本1本追跡することで、反射や屈折などの影響を含む正確な像を得るレンダリング方法だ。レイトレーシングはリアルな像を得ることができるが、計算量が非常に多いため、リアルタイムでゲームに使うのは不可能とされていた。しかし、RTXシリーズにはリアルタイムレイトレーシング処理を行うためのRTコアが搭載されており、リアルタイムレイトレーシングを活用するゲームも登場している。Battlefieldシリーズでは、2018年に発売された「Battlefield V」がRTコアを利用したリアルタイムレイトレーシングに対応しており、「Battlefield 2042」でもその対応が期待されていた。しかし、現時点での「Battlefield 2042」のリアルタイムレイトレーシングへの対応は、アンビエントオクルージョンのみと限定的なものになっている。アンビエントオクルージョンとは、形状の凹凸をもとにテクスチャに対してグレースケールの濃淡をマッピングし、陰影を強調する技術である。光学的に正しい影ではないが、環境光が届かない場所にそれらしい影を付けることができるため、よく使われている。

 「Battlefield 2042」の設定画面にあるレイトレース アンビエントオクルージョンとは、このアンビエントオクルージョンにレイトレーシングを使うことで、より正確な影を得る技術だ。レイトレーシングは、前述したように非常に負荷が高いため、専用コアを搭載したRTXシリーズとはいえ、すべての処理をレイトレーシングで行うのは現実的ではない。「Battlefield V」では、「Battlefield 2042」よりもレイトレーシングで行う処理が多かったが(ガラスや水面の反射なども)、その分、パフォーマンスへのインパクトが大きく、有効にすると最大4割程度もフレームレートが低下してしまうことがあった。そこで、「Battlefield 2042」では、レイトレースの適用を限定的に留めたのであろう。

 「Battlefield 2042」で、DLSSをオートにした状態で、レイトレース アンビエントオクルージョンをオンにしてフレームレートを計測すると、平均フレームレートが154fps、最高フレームレートが186fps、最低フレームレートが107fpsとなり、レイトレースオフと比べると、平均フレームレートが27fps、最高フレームレートが34fps、最低フレームレートが18fps低下している。平均フレームレートは18%ほど低下していることになり、無視できないインパクトだ。

 レイトレース アンビエントオクルージョンは、よりリアルな影を表示するための技術であり、見比べると確かに影の濃度に違いが出ているが、敵を倒しやすくなるというわけではない。フレームレートを重視するならオフにする選択肢もあるだろう。ただし、本製品なら、レイトレースをオンにしても4K最高画質で平均154fps出ているわけで、多くのプレイヤーにとって十分満足できるフレームレートであろう。

【「Battlefield 2042」のレイトレース アンビエントオクルージョンの効果】

レイトレース アンビエントオクルージョンをオフにした状態。奥の影の濃さがほぼ一定である
レイトレース アンビエントオクルージョンをオンにした状態。重なる部分の影がより濃くなっている。

 今回、評価したゲームの中でもっとも動作が重かった「Rust」だが、検証でゲームプレイ中のCPU占有率を表示させてみたところ、30~20%程度を推移しており、占有率にはまだかなり余裕がある。16コア/24スレッドのCPUパワーのなせる技だ。これまでゲーミングPCで、ゲームをプレイする場合、他のアプリケーションはなるべく立ち上げないというのが鉄則だったが、本製品ならCPUパワーもメモリも潤沢なので、モニターを2台繋いで、1台でゲームをプレイしながら、もう1台のモニターで動画配信ソフトを使ったり、ブラウザを開いてゲームの攻略サイトや攻略動画を見るといった使い方をしても、ゲームプレイに支障が出るようなことはない。単にゲームをプレイするだけでなく、ゲーム+他のアプリという、まるで2台のPCを使っているような使い方が可能だ。

【「Rust」プレイ中のCPU占有率】

「Rust」プレイ中のCPU占有率。30~20%程度を推移している

高性能なゲーミングPCが欲しいゲーマーにおすすめ

 今回、レビューしたGALLERIA UA9C-R39Tは、GALLERIAシリーズの頂点に位置するフラッグシップゲーミングデスクトップPCであり、数年にわたって長く使える高性能なゲーミングPCが欲しいという人におすすめの製品だ。60万円を超える価格は、気軽に買えるものではないが、その高いパフォーマンスと、寿命の長さを考えると、決して高すぎるというわけではないだろう。現行のゲームだけをプレイしたいというのなら、少々オーバースペックではあるが、今後登場するであろう、より負荷の高い重量級タイトルを4K解像度最高画質で快適にプレイできるという、未来へのパスポートのために投資するという考え方もある。なお、フルHD解像度のモニターでは、本製品の性能を十分に引き出すことはできない。本製品の性能を十分に活かすためには、最低でも4K/144Hz対応のゲーミングモニターが必要になるので、本製品を購入するなら、あわせて4K対応ゲーミングモニターも購入することをおすすめする。

 また、驚いたのはその静粛性の高さだ。水冷CPUクーラーと大型静音ファンを搭載しているためだろうが、CPUやGPUに高い負荷がかかる「Battlefield 2042」や「Rust」のプレイ中であっても、ファンの音はそれほど大きくならず、気にすることなくプレイできた。さすがに背面からは温かい風が出てきたが、それも心配になるような熱さではない。長時間連続動作させる場合でも安心できる。最新ゲームをプレイしながらリアルタイムのゲーム実況配信を行いたいという人や、4K動画などの編集を頻繁に行う人にもおすすめだ。マルチモニタ環境で多くのアプリを同時に使っても余裕があり、1台で並のPC数台分の性能を持つことを考えれば、むしろリーズナブルな買い物といえるだろう。

【GALLERIA UA9C-R39T】

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 「GALLERIA UA9C-R39T」レビュー - GAME Watch )
https://ift.tt/8mThL3A