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Monday, October 30, 2023

「GALLERIA XA7C-R46T」レビュー - GAME Watch

tahupedascabe.blogspot.com

 サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA(ガレリア)」は、性能と信頼性に優れ、ラインナップが充実していることで、ゲーマーから高い支持を得ている。今回、紹介するゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア) XA7C-R46T」(以下XA7C-R46T)は、Core i7-13700FとGeForce RTX 4060 Tiを搭載したミドルレンジモデルであり、最新ゲームを快適に遊びたいというゲーマーにピッタリの製品だ。今回、XA7C-R46Tを試用する機会を得たので、ベセスダ・ソフトワークスが開発に7年以上もかけた話題の超大作SFRPG「Starfield」をプレイしてみた。

【GALLERIA XA7C-R46T】

Core i7-13700FとGeForce RTX 4060 Tiを採用したミドルレンジモデル「GALLERIA XA7C-R46T」

インテルの高性能CPU「Core i7-13700F」とNVIDIAの最新世代GPU「GeForce RTX 4060 Ti」を搭載

 XA7C-R46Tは、GALLERIAのゲーミングPCの中ではミドルレンジモデルとなる。まずは、スペックから見ていこう。

【GALLERIA XA7C-R46T】
CPU:インテル Core i7-13700F(16コア/24スレッド、2.10GHz~5.20GHz)
GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti(8GB)
チップセット:インテル B760
メインメモリ:16GB DDR4-3200MHz DIMM(8GB×2)
ストレージ:1TB Gen3 NVMe SSD
光学ドライブ:なし
OS:Windows 11 Home
本体サイズ:220×440×480mm(幅×奥行き×高さ)
本体重量:約14㎏
価格:224,980円(税込)
製品ページ:https://www.dospara.co.jp/TC30/MC13161-SN4508.html

 XA7C-R46Tは、CPUとしてインテルの第13世代Coreシリーズの上位モデル「Core i7-13700F」を搭載している。Core i7-13700Fは、性能重視のPコアを8コア、電力重視のEコアを8コア搭載した16コアCPUで、最大24スレッドを同時実行可能だ。基本動作クロックは2.10GHzで、ターボブーストにより最大5.20GHzまでクロックが向上するため、高い性能を実現している。10月16日にインテルから第14世代Coreシリーズが発表されたため、最新世代とはいえなくなったが、その性能は十分に高い。

 GPUとしては、NVIDIAのGeForce RTX 4060 Tiが採用されている。NVIDIAの最新GPU「RTX 40シリーズ」のミドルレンジに位置するGPUであり、こちらも最新ゲームを快適に遊べるパフォーマンスを誇る。

【内部パーツなど】

左サイドパネルを外したところ
「GeForce RTX 4060 Ti」搭載ビデオカードを採用
ビデオカードの出力はHDMI×1とDisplayPort×3という仕様だ
OSからは24コアCPUのように見えており、最大24スレッドの同時実行が可能

PCIe 3.0対応の高速SSDを搭載。シーケンシャルリードは3,400MB/s超

 メインメモリは16GBと必要十分な容量で、DDR4メモリを採用している。ストレージは、PCIe 3.0対応NVMe 1TB SSDを搭載する。ハイエンドモデルでは、PCIe 4.0対応SSDを採用する製品もあるが、PCIe 3.0対応でも速度的には十分高速だ。

 実際に「CrystalDiskMark 8.0.4」を使ってストレージ性能を計測したところ、SSDのシーケンシャルリード(Q8T1)は3,445.82MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)は2,789.08MB/sとかなり高速であった。容量の大きなAAAタイトルでもストレスなく起動やプレイができるだろう。

【「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果】

「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果

使い勝手とデザイン性に優れたオリジナルタワーケース

 XA7C-R46Tでは、ミドルタワーサイズのオリジナルタワーケースが採用されている。ゲーミングPCらしく、左サイドパネルの一部が透明で中が見えるようになっている。フロントパネルの周囲にはRGB LEDが配置されており、電源を入れると美しく点灯する。

【フロントパネル周囲にLEDを搭載】

GALLERIA XA7C-R46Tのフロントパネル
電源を入れるとフロントパネルの周囲に配置されたRGB LEDが青色に光る

 このGALLERIAオリジナルケースは、フロントパネルの上部手前側が斜め45度にカットされており、そこにフロントI/Oポートや電源スイッチなどが配置されていることも特徴だ。USBポートへのアクセスがしやすいので、USBメモリなどを使う際に便利だ。

 フロントI/Oポートとしては、USB 3.2 Gen1 Type-A×4とサウンド入出力端子が用意されている。背面I/Oポートとしては、USB 2.0×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、USB 3.2 Gen1 Type-C、サウンド入出力端子、2.5G LANポートが用意されている。

 本体底面には、電源ユニットファンへのホコリの吸い込みを防ぐフィルタが装着されている。フィルタは引き出せるようになっているので、掃除などのメンテナンスも楽だ。光学ドライブは標準では非搭載だが、5インチオープンベイが用意されているため、BDドライブなどをBTOで追加搭載することも可能だ。

ケースファンとして140mm静音ファンを3基搭載

 CPUの冷却には、120mmファンが装着された大型ヒートシンクが採用されており、十分な冷却性能を実現している。また、ケースファンとしてリアに140mm静音ファンが1つ、トップに140mm静音ファンが1つ、フロントに140mmファンが1つの合計3基搭載されているので、エアフローもしっかり確保されており、長時間負荷をかけても動作は安定している。

 マザーボードには、拡張スロットとしてPCIe 4.0 x16スロットが1基, PCIe 3.0 x16スロットが1基、PCIe 3.0 x1スロットが2基の合計4基が用意されている。GeForce RTX 4060 Ti搭載ビデオカードがPCIe 4.0 x16スロットに装着されており、2スロット分のスペースを占有しているため、利用できるPCIeスロットはPCIe 3.0 x16スロットが1基とPCIe 3.0 x1スロットが1基の合計2基だ。さらに、6Gbps対応SATAポートが4基とPCIe 4.0 x4対応M.2スロットが2基、PCIe 4.0 x2対応M.2スロットが1基マザーボード上に用意されている。また、M.2スロットに挿入されているNVMe 1TB SSDにはヒートシンク「M.2 ARMOR」が装着されている。

【CPUクーラーと冷却ファン】

CPUには120mmファンが装着された大型ヒートシンクが装着されている
NVMe 1TB SSDにヒートシンクが装着されている
リアとトップに140mm静音ファンが1つずつ搭載されている
フロントにも140mmファンが1つ搭載されている

超大作SFRPG「Starfield」で性能を検証

 ここでは、ベセスダ・ソフトワークスから9月6日に発売されたばかりのSFRPG「Starfield」を使って、XA7C-R46Tの性能を検証してみた。

 ベセスダは、「Fallout」や「The Elder Scroll」、「DEATHLOOP」など玄人好みのゲームをリリースするスタジオとして人気だが、「Starfield」は、そのベセスダが7年以上の歳月をかけて完成させた超大作SFRPGだ。いわゆるオープンワールド系だが、宇宙を飛び回って自分のやりたいことをできる自由度の高さが魅力だ。

 「Starfield」を遊べるプラットフォームは、Xbox Series X|SとPC(Steam)のみだ。超大作の最新ゲームだけあり、マシン負荷は高く、ゲームコンソールとしてトップレベルの性能であるXbox Series Xでも4K/30fps固定、Xbox Series Sでは1440P/30fps固定となる。PC版なら、マシンスペックと設定に応じて、Xbox Series X|Sを上回る30fps以上のフレームレートでゲームを楽しむことができる。それを知って「Starfield」のためにゲーミングPCを買おうと考えているゲーマーも少なくないはずだ。

 「Starfield」は、シングルプレイのゲームであり、対人戦FPS/TPSのようにフレームレートが高い方が有利に立ち回れるというわけではないので、そこまでフレームレートは要求されないが、それでも30fpsというのは高フレームレートに慣れたプレイヤーには少々厳しく感じられるだろう。PC版ではフレームレートの制限はなく、4Kでも60fpsを超えるフレームレートを実現できる可能性がある。「Starfield」を4K/高フレームレートで遊びたいなら、PC一択というわけだ。

 もちろん、PC版の推奨動作環境もかなり高めだ。CPUがAMD Ryzen 5 3600X/Intel Core i5-10600K、GPUがAMD Radeon RX 6800 XT/NVIDIA GeForce RTX 2080とされている。また、メモリは16GB必要で、ストレージの空き容量も125GB必要だ。

 ここでは、CapFrameXを利用して1分間の平均フレームレートと最高フレームレート、最低フレームレートを計測してみた。プレイしたミッションは「オールド・ネイバーフッド」で、ノヴァギャラクティック・スターヤード内での敵と戦闘中のフレームレートを計測した。計測は5回行ない、その平均値を採用した。

 まず、解像度を4Kに設定し、グラフィックのプリセットを一番上の「ウルトラ」に設定してフレームレートを計測したところ、平均フレームレートは50fps、最高フレームレートは61fps、最低フレームレートは38fpsという結果になった。FPS/TPSプレイヤーから見ると、平均50fpsというのはやや低く感じるだろうが、前述したように「Starfield」のXbox Series X|Sでは30fps固定となっており、平均50fpsならXbox Series X|Sの約1.7倍のフレームレートということになる。実際にこの設定でプレイしてみたが、FPS視点での戦闘や宇宙での宇宙船同士の戦闘でも、動きは十分滑らかで快適にプレイが行なえた。今度はグラフィックのプリセットを一つ下げて「高」にしたところ、平均フレームレートは66fps、最高フレームレートは81fps、最低フレームレートは48fpsに向上した。

 なお、デフォルトの設定では、アップスケーリング技術「AMD FSR2」が有効になっており、実際のレンダリング解像度は4Kよりも低い。そこで、アップスケーリングをオフにして、4K/ウルトラで計測したところ、平均フレームレートは38fps、最高フレームレートは47fps、最低フレームレートは29fpsと、FSR2有効時に比べて大きくフレームレートが低下した。この状態でプレイすると、ややひっかかりを感じることがあった。アップスケーリングをオフにした状態で、グラフィックのプリセットを「高」に下げると、平均フレームレートは44fps、最高フレームレートは52fps、最低フレームレートは33fpsとなったが、これでもFSR2有効時のウルトラ設定よりもフレームレートは低く、素早く視点を変える際など切り替わりの粗さを感じた。やはり4Kでプレイするなら、アップスケーリング技術を有効にすべきだろう。なお、現時点ではNVIDIAのDLSSには対応していないが、今後DLSSをサポートする予定と発表されているので、DLSSを有効にすれば、FSR2有効時よりもフレームレートが向上する可能性がある。

 今度は、解像度をフルHDに下げて、同様にベンチマークテストを行なってみた。フルHD/ウルトラ/FSR2有効では、平均フレームレートは102fps、最高フレームレートが132fps、最低フレームレートが70fpsと、4Kに比べて平均フレームレートや最高フレームレートが約2倍に向上している。フレームレートが向上し、素早く動いてもより滑らかに表示されるようになった。普段から高いフレームレートでFPSやTPSをプレイしている人なら、解像度を下げてフレームレートを高くしたほうが快適に感じるだろう。ただし、フレームレートが60fpsを超えたからといって、相手は全てNPCであり、対人戦をしているわけではないので敵との立ち回りで格段に有利になるということはない。4Kで解像度重視か、フルHDでフレームレート重視かは、プレイヤーの好みに応じて選べばよいだろう。筆者は、4Kでプレイするほうが好みであった。

 ちなみに、フルHD/高/FSR2有効では、平均フレームレートは118fps、最高フレームレートは143fps、最低フレームレートは83fpsとなった。フルHD解像度でアップスケーリング技術をオフにしたところ、フルHD/ウルトラでは、平均フレームレートが92fps、最高フレームレートが121fps、最低フレームレートが63fpsとなった。同様に、フルHD/高では、平均フレームレートは95fps、最高フレームレートが121fps、最低フレームレートが68fpsとなった。やはりアップスケーリング技術をオフにすると、フレームレートは下がるが、そのパフォーマンスの低下率は4K解像度時に比べると小さい。

 以上のベンチマーク結果とプレイ体験から、XA7C-R46Tなら「Starfield」を4K/ウルトラ/FSR2有効で快適にプレイできるというのが筆者の結論だ。

 「Starfield」は、100を超える星系を舞台とした一大スペースオペラともいうべき、ドラマティックなストーリーが用意されているSFRPGだが、メインミッションを進めずに、サイドミッションを中心にプレイしたり、自由に惑星を開拓していくことなどもできる自由度の高さが素晴らしいゲームだ。敵ではない街の人を誤って攻撃したりすると、お尋ね者の賞金首となり、多くの人から追われることになるなど、「GTA」的な要素もある。

 XA7C-R46Tなら、地上や基地内での敵との戦いから、宇宙空間での戦闘にいたるまで、美しいグラフィックスと十分なフレームレートで、マウスやキーボードでの操作の反応もよく快適にプレイが行なえた。ゲーム中のファンの騒音もそれほど大きくはならず、耳障りになることもなかった。

 宇宙空間での移動や戦闘は、当然だが上下左右の基準がないため、ぐりぐり動かしているとちょっと酔いそうになってしまったが、エネルギーをエンジンや武装、シールドに振り分け、リアルタイムで変更できるシステムを採用するなど、スタートレックや銀河英雄伝説などの宇宙を舞台にしたSFが好きな人なら、「あれで見たやつだ!」と感動すること請け合いだ。FPSライクな敵との戦闘も、敵も自分も耐久力がかなり高く、ヘッドショットで一撃死などということがないため、FPSが下手な筆者でも十分楽しめた。とにかく、壮大な宇宙をこれだけ縦横無尽に飛び回れるゲームは、あまり見たことがない。オープンワールドを超えた、オープン「ユニバース」ゲームとして、やり応えがあるタイトルだ。XA7C-R46Tなら、「Starfield」の美しいグラフィックスを4Kかつ快適なフレームレートで存分に楽しむことができる。広大な銀河に隠された謎を解き明かすことが目的のゲームであり、「スタートレック」や「スター・ウォーズ」、「2001年宇宙の旅」などが好きな人には自信を持っておすすめできるタイトルだ。

 以下に、最高画質であり、十分快適にプレイできた4K/ウルトラ/FSR2有効でのスクリーンショットをいくつか挙げる。

十分な性能の高コスパモデル「GALLERIA XA7C-R46T」

 XA7C-R46Tは、高性能なCore i7-13700FとGeForce RTX 4060 Tiを搭載しながら、22万円台半ばというリーズナブルな価格を実現しており、コストパフォーマンスは高い。今回のベンチマーク結果から分かるように、最新の超大作SFRPG「Starfield」も、4K最高画質で快適にプレイが可能だ。

 また、NVIDIAのAIを活用したフレームレート向上技術である「DLSS」や「DLSS3」をサポートしたゲームソフトも増えている。DLSSはGeForce RTX 20シリーズ以降で利用可能だが、DLSS3を利用できるのは現時点ではGeForce RTX 40シリーズのみだ。特に補間フレームを生成するDLSS3の効果は大きく、DLSS3を利用できる本製品なら、今後登場する重量級ゲームも快適に遊べるだろう。

 今回取り上げた「Starfield」も近日中にDLSSへの対応が予定されており、さらに快適にプレイできるようになるはずだ。初めてゲーミングPCを買うという人はもちろん、以前から使っているゲーミングPCのパフォーマンスに不満が出てきたため、新しいゲーミングPCに買い替えたいという人にもおすすめだ。

【GALLERIA XA7C-R46T】

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Wednesday, October 25, 2023

【2023年10月版】「長崎県で人気のスーパーマーケット」ランキングTOP10! 1位は「すえとみストアー」(1/5) | スーパーマーケット ねとらぼ調査隊 - ねとらぼ

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 長崎県でおすすめのスーパーマーケットを探している人に向けて、2023年10月にユーザーからの評価が高かったお店を紹介していきます。

 最新データを反映しているので、参考にしてみてください。ではさっそく上位の結果を見ていきましょう。

※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

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調査概要

 このランキングは、Googleクチコミの「ユーザー評価」「クチコミ件数」「価格フィルタ」「評価フィルタ」に基づいて作成されています。

調査日 2023年10月25日
関連ワード 長崎県+スーパーマーケット
有効クチコミ件数 100件以上
価格フィルタ なし
評価フィルタ なし

・当記事では、X社(旧:Twitter社)が定める「ユーザーの権利およびコンテンツに対する権利の許諾」に基づいてポストを利用しています。

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第2位:ファンタスマーケット(4.2pt/125クチコミ)

  第2位は西彼杵郡長与町の「ファンタスマーケット」でした。オーガニック食材や目利きが仕入れた生鮮食品、各地の名産品などを取り扱うスーパーマーケットで、行くだけでワクワクするようなお店です。店には野菜から鮮魚、精肉、グロッサリーまでさまざまなプロがいるので、食材をどんな風に食べるのがおすすめなのかなど、気軽に聞けます。お惣菜のおいしさも好評で、だしを引くところから丁寧に店内で調理されています。

【住所】〒851-2128 長崎県西彼杵郡長与町嬉里郷456

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第1位:すえとみストアー(4.3pt/141クチコミ)

 第1位は佐世保市小佐々町にある「すえとみストアー」でした。こちらのお店は肉類や野菜などの生鮮食品の質が良く、安いと評判のスーパーマーケット。特に土曜日限定で販売されるというローストビーフが評判で、それを目当てに訪れる人も多くいるようです。肉の種類も豊富にそろえているため、バーベキュー用の食材を買うのにもおすすめです。

【住所】〒857-0402 長崎県佐世保市小佐々町小坂721-11

・店舗/施設情報の非掲載を希望される場合は、こちらのフォームからご連絡ください。 ※ご連絡は直接のご関係者様からのみとさせていただきます。ご本人確認のため、連絡が取れるお電話番号かメールアドレスの記載をお願いいたします。

 TOP10の全順位は、次のページからご覧ください!

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Tuesday, October 24, 2023

GitHubで「偽のスター」を購入して信用度を偽装している ... - GIGAZINE(ギガジン)

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GitHubではユーザーがリポジトリにスターを付けることができ、たくさんのスターを集めたリポジトリは「人気がある」「信頼性が高い」とみなされることが多くなります。しかし、それを逆手にとって偽のスターを購入することで人気度や信頼性を偽装しているリポジトリも存在しています。リポジトリに付いているスターが正当なものなのか、それとも偽装されたものなのかについて調べる方法をデータオーケストレーションサービスを提供するスタートアップのDagsterが開発し、ブログに掲載しました。

Tracking the Fake GitHub Star Black Market with Dagster, dbt and BigQuery | Dagster Blog
https://dagster.io/blog/fake-stars

GitHubにおける「スター」は、機能的にはFacebookやX(旧Twitter)の「いいね」と変わりませんが、リポジトリのスター数が多いと使用するライブラリの選定理由になったり、オープンソーススタートアップが資金調達する時に有利に働いたりするなどの特徴があります。

Dagsterチームがいくつかのプロジェクトを観察していたところ、リポジトリの作成直後や新しいリリース・大きな発表の直前などのタイミングで突然スター数が数百個も増加しているのを発見したとのこと。こうした怪しげなスターを付けたアカウントを確認すると、下図の通り同一の日付で作成されていました。


偽のスターを検出する方法を研究するため、Dagsterチームはダミーリポジトリを作成し、実際に下記の2つのサービスからスターを購入してみたとのこと。

・Baddhi Shop
GitHubのスターだけでなく、オンラインのさまざまな指標を購入できるサービスです。GitHubのスターは1000個あたり64ドル(約9600円)で、Dagsterチームは500個のスターを購入したところ、1週間かけてスターの付与が行われました。なお、1カ月後には75%のスターが消え去っていたとのこと。

・GitHub24
スター1個あたり0.85ユーロ(約136円)という高級なサービスです。Dagsterチームが100個のスターを注文すると48時間で付与が完了し、1カ月後も全てのスターが残ったままでした。

下図のスター数の履歴グラフを見ると購入時にスター数が跳ね上がっていることが分かります。


GitHubで偽のスターを付けるためのアカウントは「スパムアカウントであることを隠そうとせず、見ただけですぐに判断できる偽アカウント」と「本物に見えるアクティビティを備えた精巧な偽アカウント」の2種類に分けることができます。Dagsterチームはどちらにも対応するため、スパムの検出器を2つ用意することにしました。

◆明らかな偽アカウントを特定する
DagsterチームがGitHub APIを使用して分析したところ、明らかな偽アカウントには下記のような明確なパターンが存在することが分かりました。

・2022年以降に作成
・フォロワーが1人以下
・フォロー中が1人以下
・パブリックGistなし
・パブリックリポジトリが4個以下
・メール、雇用可否、自己紹介、ブログ、X(旧Twitter)のユーザー名が空
・スター付与日とアカウント作成日、アカウント更新日が同一

こうしたパターンを利用することで、GitHub APIから入手可能なデータのみを使用して疑わしいアカウントを特定することが可能とのこと。


◆巧妙な偽アカウントを特定する
偽のGitHubアカウントのもう1つのグループを特定するのはかなり難しかったとのこと。それぞれのアカウントには人間らしい活動の履歴に加えてプロフィール写真や経歴も用意されており、購入したアカウントだと分かっていても見分けるのは困難でした。

最終的にDagsterチームは「教師なしクラスタリング」と呼ばれる手法を利用しました。この手法では、アクティビティが発生した日などのデータを元にユーザーをグループ化します。本物の人間であればアクティビティはさまざまな日に分散する一方で、偽のユーザーは制御スクリプトなどの都合でアクティビティの発生日が同期し、大きな偽アカウントグループを形成します。

例えば下図はダミーリポジトリにスターを付けたユーザーを「他のユーザーと同じ日にアクティビティが発生した数」と「操作したリポジトリの総数」でプロットしたもの。赤い点は既知の偽アカウントを示しており、黄色い点は偽の疑いのあるアカウントを示しています。


一方、Dagsterリポジトリにスターを付けたユーザーをプロットした結果は下図の通り。左下の黄色い点は誤検知が発生していることを示しているとのこと。


本物と偽物が混じっている疑いのあるリポジトリの分析結果は下図の通り。偽アカウントのグループが形成されています。


さらに、Dagsterチームは偽アカウントのグループが特定のリポジトリとやりとりする傾向があることを発見し、分析の信頼性を改善しました。最終的に以下の手順で偽アカウントを判別したとのこと。

1:ユーザーリストを取得
分析対象のリポジトリにスターを付けた全ユーザーのリストを取得します。

2:「怪しいユーザーグループ」を判別
リストに入っているユーザーが共通してスターを付けているリポジトリを探します。多数のリポジトリに重複してスターを付けているユーザーのグループはかなり怪しいものの、分野によっては本物のアカウントでも一連の同じリポジトリにスターを付ける場合があるため、手順3を行います。

3:アクティビティのレベルでフィルタリング
最後にそれぞれのユーザーのアクティビティを分析します。アクティビティが少ないユーザーのアクティビティの大部分は手順2で登場したリポジトリでのアクティビティで、追加の正当なアクティビティが存在しなかったとのこと。こうして偽のアカウントを特定できました。

ダミーアカウントに対する既知の偽スターに対して分析を行ったところ、非常に計算コストはかかるものの精度98%・再現率85%で偽のアカウントを検出できたと述べられています。いくつかのリポジトリについて今回の2つの手法を利用して偽スター数を調べた結果は以下の通り。教師なしクラスタリングを活用することで、単純なヒューリスティックでは検出できなかった偽アカウントについても検出できるようになりました。

  単純なヒューリスティック
(明らかな偽物, 低再現率)
単純なヒューリスティクス + 教師なしクラスタリング
(明らか&洗練された偽物)
リポジトリ 合計スター数 偽スター 偽スター% 2022年以降の偽スター%
okcash 759 1 0.13% 97%
Simple-GPU 787 159 20% 87%
Notifio 841 97 12% 76%
Mage.ai 3,629 533 15% 30%
Apache Airflow 29,435 17 0.06% 1.6%
Ploomber 3,002 6 0.2% 1.5%
Dagster 6,538 8 0.12% 1.5%
Flyte 3,154 1 0.03% 1.1%


今回分析に使用したコードはGitHubで公開されているので、興味がある人は確認してみて下さい。

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Sunday, October 22, 2023

RME製品がもっとイイ音に!? 「ADI-2」向け電源フィルタが ... - AV Watch

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RMEのマティアス・カーステンズ氏

今回取り上げるのは、ドイツRME社が現在開発中の“オーディオインターフェイス用電源”だ。これまで同社は「Fireface」や「Babyface」、AD/DAコンバータの「ADI-2」シリーズなど、プロ・アマから定評あるオーディオインターフェイスを数多く輩出してきたが、それら製品に付属するACアダプターがシンプルなスイッチング電源だったため、一部のオーディオ愛好家の中には、リニア電源に換えて高音質にする、という利用法があった。そこでRMEはついに重い腰をあげ(?)、「これが最高だ」という電源をリリースすることにしたのだ。

正式なリリースはこれからだが、先日行なわれた発表会において、RMEの創業メンバーで開発者のマティアス・カーステンズ氏が開発中のADI-2用電源フィルタ「LNI-2 DC」を一足先に披露した。独占インタビューという形で、LNI-2 DCの詳細について話を聞くとともに、これが何であるかを話してくれたので、少しマニアックに掘り下げていこう。

スイッチング電源とリニア電源

――これまでRME製品は、日本国内でも高い評価で、リスニング用としてもレコーディング用としても幅広く使われてきました。ただオーディオマニアの方々の間からは、ACアダプタが貧弱だ、といった声がよく出ていたように思います。

マティアス氏(以下敬称略):もちろん、我々もそのような声は聞いていました。ただ、我々もオーディオインターフェイスやAD/DAコンバータを設計する上で、さまざまな測定等を行ないながら、最終的に高音質でクリーンな音になるように作っています。その中で当然、電源部分、ACアダプタ部分もチェックしていますから、必要十分なものを提供してきたと自負しています。

――おそらく、ほとんどの人は、現在のACアダプタに不満は持っていないと思いますが、それでも中には別のACアダプタを取り付けて使っている人もいるようです。

マティアス:はい、そうしたことを行なっている方が少なくないことも知っています。そして多くの方々がさまざまなリニア電源を持ってきて、ADI-2に接続しているようです。電源部分を強化したい、という思いも理解できないわけではないのですが、そのほとんどは意味を持ちません。

RMEユーザーが接続して使っているという、リニア電源の例

――RME製品に付属しているACアダプタはスイッチング電源タイプのものですよね。改めてスイッチング電源とリニア電源、何が違うのか教えてください。

マティアス:日本では商用電源として100Vの交流が使われていますが、リニア電源では、この100Vをまずトランスによる変圧器で電圧を落とし、ダイオードブリッジを用いて整流します。さらにコンデンサを用いた平滑回路である程度平滑化した上で、レギュレータを用いて整流後の残留リップル電圧を大幅に低減し、安定した直流電源にしていきます。

それに対してスイッチング電源は、電圧を変える前にダイオードブリッジで整流され、コンデンサで平滑されます。この方法で得られた非常に高い直流電圧は、高周波トランスとスイッチングデバイスで制御されますが、この際ガルバニック絶縁をする形で電圧を分離します。そして出力側に追加のフィルタを通して安定化させるという構造になっています。

スイッチング電源は、とにかく小さくて軽く、効率的であることから、ほとんどの機器で使われており、RME製品でもスイッチング電源を採用しています。

――一般論として、リニア電源、スイッチング電源におけるメリット、デメリットというのはどんなものですか?

マティアス:リニア電源のメリットは非常にクリーンな出力電圧が可能である、という点です。高周波スイッチングノイズが起こらないし、漏れ電流の心配もありません。そうしたことから、一部のユーザーがリニア電源を使っているのでしょう。

一方でリニア電源のデメリットとしては、とにかく低効率であり、高い電力損失があると同時に大きな熱放出があります。また、大きなトランスを使うため重量が非常に大きくなるのもデメリットですね。トランスによる磁気励起によるグランドループを生成してしまうために、浮遊磁場が発生するリスクも高くなります。また商用電源側に電圧変動があると、その変動に激しく影響を受けるという問題もあります。そして何より高価ですよね。

――スイッチング電源のメリット・デメリットはどうですか?

マティアス:スイッチング電源は、先ほども話したとおり、とにかく小さくて軽いというのが大きなメリットです。また非常に高効率で通常80%以上のエネルギー効率を実現します。そのため放熱も非常に小さくなります。

一方、トランスを使用しないため、低周波磁場の生成がないために磁気グランドループ励起もありません。リニア電源のように最初にトランスで電圧を落とす場合、商用電源が100Vなのか、110Vなのか、はたまた240Vなのかによって、それぞれに適したトランスを用意する必要がありますが、スイッチング電源であれば100V~240Vまで、どの電圧であっても1つのスイッチング電源で対応できますし、主電源電圧に変動があっても、その影響を受けないのもメリットですね。そしてコスト的にも安く抑えられるのも重要なポイントです。

もちろん、スイッチング電源にもデメリットはあります。出力される電圧に低周波ノイズは乗りませんが、スイッチングシステムによって、高周波ノイズがどうしても発生してしまいます。また最大200pAの漏れ電流が生じるという問題もあります。アース設置されていないシステムでは、ハムノイズが発生したり、軽度の感電を引き起こすリスクもあります。

――そういう状況を考えると、オーディオマニアがリニア電源を使う理由が分かるような気がします。

マティアス:やはりそれぞれにメリット、デメリットがある以上、一概に片方がいいとは言えないと思います。それぞれの欠点を排除することによって、改善していくことが可能です。

たとえばリニア電源の場合、磁気シールドを用いると共に、すぐに磁気飽和を起こしにくい高品位なトランスを利用することで浮遊磁場を抑えることが可能です。またパッシブリフィルタリング、つまりチョークとフローティング電圧レギュレーターを使用して消費電力を低減させることも可能です。

スイッチング電源の場合は、一次側のPE(プロテクティブアース)端子へ高インピーダンス抵抗を介して接地することで漏れ電流のすべての影響を排除することが可能です。また出力側に追加のLF(ローパスフィルタ)、およびHF(ハイパスフィルタ)を置くことでもノイズを低減できます。

ちなみに抵抗を介した接地はRMEの新しいスイッチング電源でも採用しています。こうした対策を元に製品化するのが、近い将来に発表する予定の「LNI-2 DC」です。これはADI-2シリーズ用の電源としてリリースします。

ADI-2シリーズ

「LNI-2 DC」は電源フィルタ兼スタビライザー

――LNI-2 DCというのは、リニア電源なのですか? それともスイッチング電源なのですか?

マティアス:LNI-2 DC自体はそのどちらでもありません。リニア電源でもスイッチング電源でもいいので、12Vの直流電流を入力すると、まるで電池のような安定したノイズのない電源を供給できるフィルターであり電源スタビライザーです。

――これがLNI-2 DCなんですね。

マティアス:今回持ってきたのはまだプロトタイプであり、少し大きなサイズになっていますが、最終的には左手に持っているもののように、よりコンパクトになる予定で開発を進めてます。

――RMEは、いつも目に見える形でデータを見せて根拠を説明する、という打ち出し方をしているのが好きですが、もちろん、このLNI-2 DCもデータがあるのですよね?

マティアス:もちろんです。それが、下記のグラフになります。これはLNI-2 DCの12Vの出力を周波数分析したものです。これを見ると分かる通り、20Hzから100kHzまで200nVrms以下のノイズレベルであり、極めてノイズの少ないものになっていることが分かると思います。これはほぼ電池に匹敵するレベルのものです。

――ん?? ということは、これは音を表すグラフではなく、電源そのものを測定したものである、ということですか?

マティアス:そのとおりです。

――なぜADI-2の音の測定ではなく、電源そのものの測定なのでしょうか?

マティアス:これまでも主張してきた通り、RMEのADI-2シリーズは付属のACアダプタで十分な性能を出すことができ、通常の使い方であれば、このACアダプタからノイズが乗るということはありません。そのため、ACアダプタをそのまま使っても、LNI-2 DCを通しても基本的に音は変わらないのです。

――だとすると、この新製品LNI-2 DCは無用の長物ということですか?

マティアス:もちろん、そういうわけではありません。通常の使い方であればノイズは乗らないのですが、グラウンドノイズが回り込んだり、漏れ電流によってハムノイズが発生してしまう、ということがあります。単純に人が立って、何かに触っただけでハムノイズが入ってしまうことはよくあることです。

そうした状況になった場合、LNI-2 DCがそうしたノイズをシャットアウトしてくれるのです。さらに超低出力インピーダンス(0.012Ω)でのソース提供を実現し、極めて安定した出力電圧、高負荷レギュレーションが実現されます。そういう意味で、LNI-2 DCを使うことで音質向上を実感できる方は少なくないはずです。

――LNI-2 DCはどのような仕組みなのでしょうか?

マティアス:下記の図が、LNI-2 DCのブロックダイアグラムです。直流を入れると高周波フィルター、ガルバニック絶縁を経て、L/Cフィルター、過電流リミッター、加熱保護装置、ローノイズレギュレータなどを通して、キレイな電源を出力する流れになっています。

――LNI-2 DCはいつごろ発売されて、値段的にはどのくらいになるのですか?

マティアス:現在、設計はほぼ最終段階なので、正式発表までもう少しお待ちください。ただ価格的には安いものではありません。やはり、すべてのADI-2ユーザーに推奨するものではなく、一部の方のための製品となりますし、また部材にもかなりのコストがかかるため、どうしてもそれなりの値段になってしまいます。ただ、間違いのないクオリティなので、ぜひ期待してください。

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VFXアナトミー 実写とVFXの境界を感じさせない逸作 Netflix ... - CGWORLD.jp

tahupedascabe.blogspot.com

本作は、1年間におよぶ肉体改造・相撲の稽古を経て制作された本格相撲ドラマ。相撲アクションを活かすために求められたVFX制作の裏側を紹介していこう。

記事の目次

※本記事は月刊「CGWORLD + digital video」vol. 302(2023年10月号)からの転載となります。

体当たりの演技を補佐するCG・VFX制作

Netflixにて、2023年5月4日より世界中で好評配信中のオリジナルドラマ『サンクチュアリ -聖域-』。日本の国技である大相撲を題材とし、崖っぷちに追いやられた1人の破天荒な男が力士へと上り詰めていくオリジナルストーリーが描かれている。演者たちは専門家の指導のもと1年間に及ぶ肉体改造・相撲の稽古を行なった上で撮影が進められ、彼らの体当たりな演技が作品の大きな見どころのひとつとなっている。

『サンクチュアリ -聖域-』
監督:江口カン、VFXプロデューサー:松本肇、横石淳、VFXスタジオ:エヌ・デザイン、スタジオ・バックホーン、マリンポスト、日本エフェクトセンター、DigitalClover、日本映像クリエイティブ、ビッグエックス、Android、デジタル・フロンティア、制作:SLOWTIDE、製作:Netflix
www.netflix.com/jp/title/81144910

作品の性質から一見実写が多くVFX要素は少なく感じられるかもしれないが、実際のところ国技館(作中での名称は国技会館)やトレーニングのカット、カツラのバレ消しなど、VFXはそのリアルな芝居やアクションを補佐する役割で膨大なものとなり、大規模な制作体制が採られた。VFXプロデューサーに関しても、松本 肇氏(ビッグエックス)と横井 淳氏(Android)の2名が立てられており、当初のメインは松本氏であったが、怪我によるテーピング消しなどの作業が想定以上に増えていったため、横石氏が作業の一部を補佐するかたちで参加することとなった。

左から、プロダクションコーディネーター・藤田卓也氏(エヌ・デザイン)、VFXプロデューサー:松本 肇氏(ビッグエックス)、VFXディレクター・阪上和也氏、VFXエディター・川瀬基之氏(以上、エヌ・デザイン)

松本氏が統括するパートにおいても今回取材に協力いただいたエヌ・デザインをはじめ計7社ものVFXスタジオが名を連ね、そのボリュームが窺い知れる。「作品の性質上、CGやVFXが目立つものであってはなりませんでした。バレ消しなどの処理なども含め作業要素は膨大にあったのですが、CGがしっかりと実写に馴染み、それでいて効果的な演出となるようクオリティを追求することが第一でした」(松本氏)。

制作は2020年春から開始され、2年10ヶ月ほどの期間を要した。「VFX要素の多さに加え、4K HDRであったことも制作に大きな負荷がかかりました」(エヌ・デザイン VFXエディター・川瀬基之氏)。容易にプレビューすることができないなどの問題もあったそうだが、クオリティに妥協することなく取り組んだという。その甲斐もあり、ドラマ全体を通してVFXパートを見分けるのは非常に難しい。今回はドラマに隠されたCG・VFX制作について、エヌ・デザインが担当したカットから紹介していく。

<1>大相撲の取り組みを支えるリアルな舞台

つながりのある演技を群衆の動きに反映

「エヌ・デザインは国技会館のカットをメインで担当させていただきました。CGによる2階席の観客の再現と、VFX演出、バレ消しなどです」(エヌ・デザイン VFXコーディネーター・藤田卓也氏)。撮影は国技館を模した大規模なセット内で行われたが、セットは1階観客までしか作られておらず、2階席から上はCGで補われている。

それらのカットにおける大きな作業としては、CGによる観客の作成となる。制作にあたってクラウドシミュレーションを含めフローが検討されたが、観客の仕草にこだわりたいという方針で可能な限りデザイナーが手で配置してつくっていくこととされた。

「つながりをしっかりと意識してつくっていきたいと考えました。少ない人数のカットではデザイナーがひとつひとつ手で配置して芝居をつくっていっています。ただし、満員御礼の場合はそれでは対応できませんので、HoudiniのCloudを使用して、プロシージャルに群衆の演技を編集できるよう構築しました。こちらもシミュレーションではなく、可能な限り手で調整できるしくみとなっています」(エヌ・デザイン VFXディレクター・阪上和也氏)。

なお、群衆用モデルは10代、20代、50代の男女で衣装を変えてスキャンして準備され、テクスチャでバリエーションを増やしている。モーションも同じく複数人の動きをモーションキャプチャし、シチュエーションごとに複数パターンが撮影された。「モブシーンにおいては規則性が見えてしまうと一気にCG感が出てしまいますし、不自然に見えてしまいます。そのため、モデルも動きも自由にカスタマイズして、カットに合った演技、演出をしっかりさせることが重要でした」(阪上氏)。

国技会館の制作

大型のセットで撮影され、セット外をCGで補完。国技会館のCGアセットはスタジオ・バックホーンが担当、エヌ・デザインが各カットの制作を行なった。

ファイナル(グレーディング前)
 撮影プレート
  • キーイング
  • CG素材

観客のモデル

10代、20代、50代の男女を衣装を変えてスキャニングしてベースモデルが準備された
Attributesでカラーを変更し、バリエーションが増やされている

Houdiniによる群衆シーンの作成の様子

  • モーションデータのライブラリ。fbxでモーションデータを読み込み、KineFXで扱えられるようMotionClipへ変換。使用するフレームを抜き出し、モーションの開始と終わりを10fでブレンドしてモーションがループするように設定された
  • エージェントのタイプの選択。性別、年代、服装を選択可能
モーションデータを配置されたエージェントに適用

座布団が投げ込まれるカット

第6話、観客席より土俵に座布団が投げ込まれるカット。実物の座布団に加え、CG座布団が追加されている。

 ファイナル(グレーディング前)
  • 撮影プレート
  • キーイング素材
  • レンダリング素材
  • CG素材

座布団のシミュレーションの様子

  • 座席の座布団をエミット位置とし、パーティクルの発生点を決定
  • POP Sim。パーティクルを座布団の位置から中央方向に発生。座布団は大きくカーブしながら飛ぶため、パーティクルの進行方向のVelocityと上方向({0,1,0})の外積をとったベクトルをVelocityに足して、カーブする軌道に調整
  • パーティクルに座布団のモデルを適用
  • 地面付近の座布団を抽出し、Vellumを使ってCloth Simを行い、POP Simと統合

通路から入り土俵を望むカット

第3話の通路から入り土俵を望むカット。別の撮影場所となるため通路にグリーンバックを配置して撮影し合成している。

  •  撮影プレート
  • ファイナル(グレーディング前)

<2>FaceCapによるフェイシャルアニメーション

若き日の猿将親方をCGで再現

ここではCGで制作された若き日の猿将親方の取り組み(第7話)を紹介しよう。「猿将を演じたピエール瀧さんの若い頃の顔をCGで作成し、それを取り組んで演じる役者に合成しています」(阪上氏)。顔のモデルはピエール瀧氏の顔をスキャンした後、若い顔へと加工された。なお、3Dスキャンデータは、LightStageでベースを1パターン、その他のバリエーションの表情を通常のスキャニングで6パターンが用意されたとのことだ。

続く表情の作成では、FaceCapによるフェイシャルキャプチャが用いられた。「FaceCapはこれまで検証してきて本作で本格的に使用してみましたが、既存のフローで準備しているフェイシャルターゲットと相性が良かったです」(阪上氏)。フェイシャルキャプチャの運用において、リターゲティングにおけるターゲットモデルが重要となるが、エヌ・デザインでは様々なフェイシャルキャプチャに対応できるよう50以上のターゲットを準備しており、この準備されたサンプルモデルのターゲットを実モデルに転写・複製できるようにしくみ化されている。「トポロジーを合わせることで転写できるようにしています。もちろん転写後の調整は行なっています」(阪上氏)。

なお、フェイシャルキャプチャ用動画の撮影もピエール瀧氏が演じている。「フェイシャルに関してはピエール瀧さん自ら演じてもらえたのは大きかったですね。取り組みの力士の動きに合わせて演技してもらいましたが、ピエール瀧さんらしい表情をダイレクトに若い顔の反映させることができました(阪上氏)」。

本カットはTVに映し出されるVHSの映像となっているが、そのVHS映像の風合いも非常に見事に再現されている。コンポジットはNukeにて行われたとのことだが、「歪みやノイズ、色味などを様々なフィルタを組み合わせて作成しました。チリチリしたノイズが下の方に入ったりとか、ちょっと横に色がずれていたり、硬い色味だったり、記憶と実際のVHSを参考に丁寧につくり上げました」とのこと。こうしてつくられた映像がはめ込み合成された。

フェイシャルキャプチャデータの運用

FaceCapによるフェイシャルキャプチャデータの運用の様子。異なるモデルであってもトポロジーを合わせることでターゲットを容易に複製できるようにされており、本カットのみならず前項で紹介した国技会館内の観客にも使用されている。

VHS映像の再現

  • 低解像度感加工前。顔の差し替えとしてもともとのサイズでコンポ
  • オリジナルサイズに一番近い解像度で4:3にしてレイアウトを決め、解像度を下げ、Clampで白と黒をたたく。Blocky・Sharpen・Blurをくり返し低解像度感を表現
  • 画面下にノイズ加工。時々ランダムに現れるように調整された
  • 画面横・下に入る歪みと、人物や物のエッジに入る走査線のようなノイズを追加
  • 色収差、カラコレで古っぽく加工
  • 画面下のテープが擦れたようなノイズの追加
はめ込み処理

CGWORLD 2023年10月号 vol.302

特集:『ポリゴン・ピクチュアズ40周年をふり返る』
判型:A4ワイド
総ページ数:112
発売日:2023年9月10日
価格:1,540 円(税込)

詳細・ご購入はこちら

TEXT_渡邊英樹
EDIT_藤井紀明 / Noriaki Fujii(CGWORLD)、山田桃子 / Momoko Yamada

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