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Monday, December 16, 2019

ウーバーの料理宅配事業、縮小に向かう理由 - ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

ウーバーは料理宅配サービス「ウーバーイーツ」のインド事業売却を協議している Photo: chandan khanna/Agence France-Presse/Getty Images

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 投資家は成長を最優先するより利益を味わうことを好み始め、世界の料理宅配セクターが業界再編の波にのまれつつある。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は16日、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」がインドの料理宅配事業を現地競合のゾマト・メディアに売却する方向で協議していると報じた。前週末にはフランクフルト市場に上場しているドイツの料理宅配会社デリバリー・ヒーローが株式非公開の韓国同業ウーワ・ブラザーズの株式88%を取得すると発表した。合弁会社を設立する見通しで、ウーワの評価額は40億ドル(約4400億円)とされる。一方、欧州ではオランダの料理宅配会社テイクアウェイ・ドット・コムとハイテク投資会社のプロサスが料理宅配ウェブサイトの英ジャスト・イートの買収合戦を繰り広げている。テイクアウェイとプロサスはいずれもアムステルダム市場に上場している。

 オンラインの出前サービスに特化する各社は急成長を遂げているにもかかわらず、これまでに比べ合併に向かう動機が強まっている。理由の1つとして、ウィーワークやウーバーなど赤字企業の大きな問題を目の当たりにした投資家が、新興ハイテク企業がどう赤字を解消できるかに一層注目するようになったことがある。

 ウーバーのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は先月、現地でナンバーワンもしくはナンバー2に入らない料理宅配事業は売却すると投資家に語った。HSBCグローバル・リサーチの推計によると、ウーバーは極めて競争の激しいインド市場から撤退することで、年間約5億ドルの赤字を解消できる。インドではスウィギーやゾマトといった競合の後塵(こうじん)を拝している。

 ウーワのような未上場企業も、プライベートエクイティ投資家によるセクターへの投資熱が冷めてきた兆しを受け、エグジット(投資資金の回収)に傾いている可能性がある。ゴールドマン・サックスのデータによると、料理宅配やライドシェアなどのオンデマンドサービスに対するベンチャーキャピタルの投資額は、2019年7-9月期に前年同期比22%減となった。利益が吸い取られる市場シェア争いの資金を調達する上で、そうした未公開株市場の多額の現金が期待できなければ、競合他社との提携が一段と妙味を増すことになる。

 企業がどれほど自社の出前サービスに投資すべきか、オンライン料理宅配市場で議論が高まっている。ジャスト・イートが英国で高い利益率を上げているのは、自らはほとんど宅配を手掛けず、レストランと客を結びつけているからだ。同社買収を狙うプロサスのように、成長の次なる段階はロジスティクスを全面的に手掛けることだと考える業界関係者もいる。ただそれは低利益率の事業モデルで、大規模展開でのみ成立するため、買収を後押しする。ジェフリーズのアナリスト、ジャイルズ・ソーン氏は「資本の獲得が難しく、宅配のユニットエコノミクス(顧客1人当たりの経済性)が厳しい市場では、合併がますます増えるだろう」と語る。

 それは投資家にとって不安定な状況を創り出す。企業が激烈な競争にさらされていながら、買収案が発表されれば株価が急騰するという環境だ。デリバリー・ヒーローの株価は13日、23%急伸した。同社の主要市場となる韓国について、より穏やかな市場だと投資家が期待したからだ。テイクアウェイ・ドット・コムは昨年のこの時期、デリバリー・ヒーローのドイツ事業買収で合意したことを受け、株価が28%の大幅高を演じた。

 一見したところ、経済性の問題がある料理宅配セクターは垂涎(すいぜん)の投資先とはならなそうだ。だが、世界的な合併の流れは、料理次第で好機をもたらす。

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