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Monday, December 9, 2019

“自然体のサステイナビリティ”を実践するオーガニックレストラン「ザ・ブラインド・ドンキー」の挑戦とは。 | News - Pen-Online

“自然体のサステイナビリティ”を実践するオーガニックレストラン「ザ・ブラインド・ドンキー」の挑戦とは。

ザ・ブラインド・ドンキーでは紙のオーダー表をやめ、スタッフ全員から見える位置に置いた黒板を使う。注文が入れば書き足し、料理が出れば消すライブ感も心地いい。

「生産者は、僕らの生活と自然とをつないでくれる存在です。彼らがいなければ、自然も、人間も存続できません」とワーグさんは語る。しかし日本では、自然の持続可能性が真剣に捉えられていないし、環境問題も深刻に語られない。食の世界ではオーガニックの生産者が注目されず、彼らは経済的にも体力的にも疲弊している。
いまこそ、日本の志ある生産者に光をあて、彼らと交流しながら存在を伝えていかなければ。かつて「ビアード」のシェフだった原川慎一郎さんとワーグさんが開いたザ・ブラインド・ドンキーは、その活動のための場だ。
原川さんは渡米してシェ・パニースで研修した経験がある。いい緊張感は保ちつつも、オープンな空気感の厨房。素材や仲間への敬意から生まれる料理。日本のレストランにはなかった思想に共感した。
開業前からふたりは、日本全国の生産者を訪ねた。すると北から南まで、地方には土着の食文化があり、在来種をつなぐ生産者がいた。東京都心という場所は産地から切り離されているが、代わりに全国からこういった素材を集め、多くの人に伝えることができる。

“自然体のサステイナビリティ”を実践するオーガニックレストラン「ザ・ブラインド・ドンキー」の挑戦とは。

ジェローム・ワーグさんはシェ・パニースに25年以上勤め、日本には2016年に移住。食を通して自然を守る、その活動の第一歩がこのレストランという。

神田にある店の広々としたカウンターで、我々は、つるむらさきの力強い弾力に驚いたり、完熟したトマトの香りにうれしくなったりする。
料理人の作為を削ぎ落とし際立つ味。走りと旬と名残の季節感……。
「和食の本来の定義は重要です。和食はもともと持続可能な食文化。世界に影響を与えたその精神が、肝心の日本ではどこにいってしまったのか」と、ふたりは訴える。
農産物の流通の不合理さ、生産者の高齢化など問題はいろいろあるが、ワーグさんいわく、最大の問題は「無関心」だという。
「食べ手は、消費者でなく創造者であってほしい。自分がなにを選ぶか。なにに票を入れるか、ということ」
まずは知ること。正しいかどうかというよりも、知って選んだほうが、人生はもっと豊かになる。

ザ・ブラインド・ドンキー
東京都千代田区内神田3-17-4
TEL:050-3184-0529
営業時間:17時30分~22時L.O.
定休日:日、月 
www.theblinddonkey.jp

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