今まで気にしてなかったホコリとかにおいが気になったりしないでしょうか?
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ家で過ごす時間は長いままという人も多いのでは。そこで今回は、さまざまなガジェットを徹底比較してオススメを提案してくれることで大人気の米国メディア「Wirecutter」(from The New York Times)から、空気清浄機ガチ比較の記事を翻訳してご紹介していきます(編注:本気なだけにかなりの長文です。これこそがWirecutterの本領なのでご容赦ください)。
優秀な空気清浄機を使うと、本当に生活が改善されます。良い空気清浄機は大きなリビングの空気でもしっかりきれいにするパワーがあり、静かで、ムダに明るいランプもなく、それでいて価格は家の何カ所かに置ける程度の手頃さです。でも、空気清浄機ってたいていみんなそこそこで、素晴らしいものはごくわずかです。Wirecutterでは過去7年間にわたり30台以上の空気清浄機をテストしてきましたが、その中でベストだと考えるのは、Coway AP-1512HH Mightyです。
おすすめの空気清浄機たち
イチ押し:Coway AP-1512HH Mighty
高性能、省エネ、超高コスパ
Coway AP-1512HH Mighty(以下Coway Mighty)は大きな寝室やリビングに適したサイズです。パフォーマンス、耐久性、経済性とすべてにおいて、我々がテストした中でベストのひとつです。
価格はAmazonで3万1829円〜。
Coway Mightyは、約13平方m・34立方m(日本でいうと天井高めの7畳弱)のオフィスに充満した煙の98.9%を除去するのに30分もかかりませんでした。以前行なったテストでも、約19平方m・45立方m(日本でいうと10畳強で天井高は普通)の寝室で同じように良いパフォーマンスでした。約283立方メートル(一般的な天井高だとざっくり100〜115平方メートルくらい)近い会議室で、継続的に煙が発生する状況で使ってみたんですが、部屋の広さはCoway Mightyの許容範囲の倍以上にもかかわらず、1時間で70%近い煙をカットできました。Coway Mightyは、パフォーマンスだけで見ても素晴らしい空気清浄機です。
でもCoway Mightyを選ぶ理由はパフォーマンスだけじゃありません。本体価格が200ドル(約2万1000円、日本国内価格は3万2000円前後〜)以下で、5年間平均的な使い方をしてもフィルター代や電気代含めて450ドル(約4万8000円、日本ではプラス3万円前後)程度なんです。我々が知る中でもっとも手ごろな空気清浄機です。コンパクトな形、動作音の静かさ、ディスプレイ消灯機能(寝るときにムダな光を消せる)といった長所をまとめると、とくに寝室に向いています。
さらにCoway Mightyは、長期間使ってもそのパフォーマンスが落ちません。我々は1年以上24時間毎日継続利用したフィルターをCoway Mightyに付けた状態で何回も性能を測定しましたが、おろしたてのフィルターを使ったみたいに空気をまっさらにしてくれました。
同じくらいオススメ:Coway Airmega 200M
Coway Mightyと外見だけの違い、パフォーマンスは同じくすごい
Coway Airmega 200MとCowayMightyは、性能的にはほとんど同じですが、外見的にはCoway Airmega 200Mのほうが良いと思う人もいるかも。Coway Mightyより安くなってたら、ちょうど良いオルタナティブになります。
価格は海外で実売250ドル〜(編注:こちらは日本国内では取り扱いなし)。
Coway Airmega 200Mは、イチ押しのCoway Mightyと同じCowayが作っていて、パフォーマンスやノイズ、操作といった大事なところはほとんど同じ、フィルターやフェイスプレートまで入れ替えても使えます。Coway Mighty同様にディスプレイシャットオフ機能があり、暗くできるので寝室にはありがたいです。Coway Airmega 200MとCoway Mightyの物理的な違いは、前者のグリルが丸じゃなく四角なのと、色が黒だけで白がないことくらいです。Airmega 200Mの四角いデザインのほうが好きだとか、たまたま安くなってるのを見つけたとかであれば、Airmega 200Mも同じくらいオススメできます。
アップグレードするなら:Blueair Blue Pure 211+
広い部屋に最適なハイパフォーマー
Blue Pure 211+はテストで素晴らしい結果を叩き出しました。大量の空気を動かせるので、広い空間向きです。
価格は米国で300ドル(約3万2000円)です(編注:日本では取り扱いがなく、ほぼ同スペックのBlue Pure 231が販売されています)。
最大約60平方m(≒33畳)までの大きな空間、とくに間仕切りがなかったり天井が高かったりする部屋には、Blueair Blue Pure 211+をおすすめしたいです。Coway Mightyよりも1時間あたりにフィルターできる空気の量が多いので、大きな部屋でも短時間で粒子濃度を低くし、維持することができます。その分本体価格もランニングコストもCoway Mightyより高くなりますが(米国価格ベースだと、5年間でCoway Mightyが450ドル≒約4万8000円に対し、Blueair Blue Pure 211+は800ドル≒約8万5000円)、他の大部屋向け空気清浄機に比べたらずっとお手頃です。テストではずば抜けた高成績を出していて、静かだし、見た目も良いです。ただし、よっぽど広い部屋の空気をよっぽどきれいに保ちたいのでない限り、Coway Mightyのほうがベターな選択肢になります。
小さめの部屋向けのお手頃版:Blueair Blue Pure 411
サイズ良し、性能良し、見た目良し。
小さな寝室、寮の部屋やオフィスには、小さくてお手頃なBlueair Blue Pure 411が高性能で見た目も良いです。
価格はAmazonで1万5000円〜。
空気清浄機の設置場所が狭めの空間、たとえば寝室とか寮の部屋とか、最大約14平方m(≒7.5畳)までなら、Blueair Blue Pure 411が信頼できて、価格も高すぎず、エネルギー効率も良いです。狭い部屋でのパフォーマンスは素晴らしく、強運転でテストしたときは、135平方フィート(約7畳)のオフィス内の粒子を30分で87%減らせました。シンプルな筒状のデザインで見た目もすっきり、カラバリも5パターンから選べて、高さ約42cm・幅約19cmとコンパクト。本体価格は120ドル(編注:約1万3000円、日本国内価格は1万5000円台から)、ランニングコストを合わせても5年間で合計220ドル(訳注:約2万4000円、日本では本体・フィルターの価格差でプラス5000円程度)と、今回オススメした空気清浄機の中で最安です。ただし大きな部屋では、Coway MightyとかBlueair Blue Pure 211+ほどの性能は出ていません。
特殊な選択肢:Austin Air HealthMate HM400
化学系の異臭が気になる方に。
Austin Air HealthMate HM400はHEPAフィルターで花粉や煙といった粒子をフィルターしつつ、2番目のフィルターでにおいとか毒性のある気体を除去します。今回オススメした他の優秀な清浄機にできないことが、Austin Air HealthMate HM400にはできるんです。
価格は米国では実売500〜600ドル(5万3000〜6万4000円)です(編注:日本では公式の取り扱いなし)。
何かしらの工場とか農場、病院といった溶剤、薬剤的なものを扱う施設が家のそばにあって、ホルムアルデヒドのようなVOC(Volatile Organic Compounds=揮発性有機化合物)濃度が高そうで気になる人には、Austin Air HealthMate HM400がオススメです。約6.8kgの巨大VOCフィルターは競合に大差をつけているし、HEPAフィルターも粒子除去に素晴らしい性能を見せました。
ただ、そのパフォーマンスは価格に反映されていて、本体価格は米国で500〜600ドル(訳注:約5万5000〜6万4000円、今回のオススメ清浄機の中では一番高価)。さらに5年間平均的に使った場合の交換フィルター代と電気代は、米国の場合でも計800ドル(約8万5000円)ほどになります。これ1台でCoway Mightyを3台買えるので、除去したいもののメインがVOCでなくホコリや花粉といった粒子なら、Coway Mightyを3台買ってあちこちにおいたほうが家中きれいにできます。
空気清浄機ガチ勢が選んでます
この記事の前バージョンでテストと執筆をしたJohn Holecekは、地球科学の修士号を持っていて、とくに気候やエアロゾル、分析化学を専門としています。彼は2014年以来Wirecutterの空気清浄機レビューのための室内テストを担っていて、また1999年からずっと、米国海洋大気庁の微粒子汚染研究に参加しています。
Tim Heffermanは2015年にWirecutterに参加し、このガイドを担当してきました。彼は2017年以来、ニューヨークの自分のアパートメントとWirecutterのニューヨーク・ロサンゼルスオフィスのリアルな場所での徹底した空気清浄機テストをしています。彼はまたWirecutterがオススメしてきた空気清浄機のほとんどを自宅アパートメントで使用していて、毎日24時間数カ月、ときには数年にわたって使い続けています。それぞれの空気清浄機の長期的なパフォーマンスや経年劣化を見て、知見を蓄積してきたのです。メンテナンスや操作のわかりやすさ、余計なノイズやライトの有無、見た目の印象などなど、日々のイライラ源になる細かな要素についても的確な判断を下せます。
空気清浄機=空気中のいらない物質を除去する装置
空気清浄機が得意なのはたったひとつ、細かな粒子を空気から取り除くことです。とくに、ホコリや花粉、カビや細菌、ペットのフケ、ダニやそのフン、車の煤煙、タバコの煙といったごくありふれた空気中のアレルゲンを素早く除去することに長けています。さらにHEPA空気清浄機の場合、空気中のいろいろな細菌やウイルスといった病原体も捉えることができます。となると気になるのが「コロナも?」ってことですが、それは次の項目で解説しますね。
空気清浄機ユーザーに話を聞くと、よく寝られるようになったとか、アレルギーがやぜんそくが軽減したといった体験談を熱く語ってくれることが多いです。最近ではアルツハイマー病やパーキンソン病といった脳の異常と粒子汚染の関係が研究されています。2013年のマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究では、米国の排気ガスによる大気汚染は、それだけで年間20万人の死者を出しているとされています。
でも米国では、空気清浄機は医療機器としての販売はできません。上に書いたような空気の質の影響と、他の環境や遺伝子の要素とを切り離して分析するのがすごく難しいからです。
フィルターに種類がある
HEPA(High-Efficiency Particulate Air)フィルターは、VOC(揮発性有機化合物、広くいうと悪臭や煙)を取り除くことはできません。VOCの除去には大量の吸着剤(よくあるのは活性炭素で、これは化学的にVOCにくっついてその動きを止める)、または微細な穴で分子をフィルターできる鉱物「ゼオライト」などが必要です。我々がVOC用に選んだAustin Air HealthMate HM400は、どちらもかなりの量を内蔵しています。
除去できるのはあくまで空気中の物質
空気清浄機を使っても、家具やその他の表面に落ちたアレルゲンや細菌、ウイルスを取り除くことはできません。落ちているペットの毛や花粉を取り除くには掃除機とかモップ、ウイルスや細菌の退治には、除菌クリーナーを使いましょう。
コロナウイルスを除去できる? →できるけど、あてにはできない
HEPAフィルター付き空気清浄機は、新型コロナウイルスよりずっと小さいサイズの粒子を効率よくつかまえられるので、空気清浄機で感染を防げる?ということもよく聞かれます。答えは、理論上は、イエスです。米国疾病予防管理センター(CDC)は、新型コロナは主にヒト対ヒトのコンタクトで伝染すると考えていますが、空気感染もありうるという説も出てきています。もしそれが正しければ、HEPAフィルターが空気中のコロナウイルスをつかまえてくれます。
新型コロナウイルスのサイズは直径約0.125ミクロン前後ですが、HEPAフィルターにひっかかる最小粒子サイズは0.01ミクロンなので、ちゃんと除去できる範囲です。「HEPAフィルターは0.3ミクロン以下の粒子を除去できない、だから空気中の新型コロナウイルスはキャッチできない」という報道もありますが、それは間違いです。このNASAの論文はすごくテクニカルですが、7ページのグラフとその前の段落で、HEPAフィルターでも0.3ミクロン以下の粒子をかなり確実に(0.01ミクロンでも100%近く)除去できることを説明しています。
やっぱりソーシャルディスタンスと手洗い・消毒
とはいえ、だから空気清浄機があれば安心、とはなりません。コロナウイルスが空気中で生き延びて感染性を維持するのかはわかっていないからです。CDCや他の保健機関は、新型コロナウイルスは主にヒト対ヒトで、せきやくしゃみによる飛沫に触れることで伝染るというスタンスをとっています。せきやくしゃみの飛沫というとなんとなく空中に浮かんでいるイメージがありますが、実際の飛沫はせいぜい2mほど飛ぶだけで、その後床とか机とかに落ちていきます。だからみんな2メートルの「ソーシャルディスタンス」とか、表面の消毒とか手洗いといった対策が必要になるんです。
だからCDCも米環境保護庁(EPA)も、新型コロナ対策としてHEPA空気清浄機をあてにすべきでないと言ってます。「HEPAフィルターが何らかの形で役立つかどうかの判断で大きいのは、フィルターで何かつかまえているかどうかということです」空気のろ過に関し40年近い経験を持つエンジニアのKathleen Owen氏は言います。Owen氏いわく、2003年にSARSを起こしたコロナウイルスも主にヒト対ヒトで伝染していましたが、空気感染していた可能性もあると考えられているそうです。
新型コロナウイルスが空気感染するかどうか、つまり空気中に何時間もとどまるのか、長距離を移動するのか、その間感染性を持ちうるのかについての研究はまだ継続中です。Natureによる既存研究のまとめ記事は、そのあたりはコンセンサスがないと言い切ってます。CDCは2020年5月の医療現場向けガイダンスで、「現在のデータからは、ヒト対ヒトの感染がもっとも多いと見られる」とし、長距離でのヒト対ヒトの空気感染は考えにくいと言ってます。ただ米国科学アカデミーはホワイトハウスに対し、空気感染の証拠があると伝えています。
空気感染があるのかどうかが公式にはっきりするまでは、CDCの言うように、ソーシャルディスタンスとかマスク、手洗い、よく使う場所の消毒といったことを守っていくことをおすすめします。
空気清浄機の評価ポイント:ACH・フィルター・CADR
我々は空気清浄機をサイズによって3つにカテゴライズしました。ひとつは子どもの寝室や寮の部屋、オフィスのような小さめスペース向けのカテゴリ。もうひとつは普通サイズの居住空間、たとえば仕切りのあるリビングや主寝室といったカテゴリ。最後はLDK一体型などの広いリビングや、吹き抜けのある空間などです。各カテゴリはだいたい価格帯と対応していて、広い空間用になればなるほど、価格も上がっていきます。選ぶときは基本、大きめサイズを買っておくのが賢明で、そうすれば弱めで静かな設定でも、空気をきれいに保てます。
ACH:「入れ換えられる空気の量」を表す指標
3つにカテゴライズするにあたり、我々は1時間あたりの換気回数、ACH(Air Change per Hour)を計算しました。ACHは、ある空気清浄機が任意の部屋に対し、60分あたり何回空気を入れ換えられるかという指標です。我々は4 ACH(1時間に4回空気が入れ換わる)を、ある空気清浄機が特定サイズの部屋に適しているといえる最低要件としました。これまで5年間のテストによって、4 ACHあれば相当汚れた空気でも短時間できれいにできることがわかっていて、逆に4 ACH未満だとパフォーマンスがはっきりと下がります。
ただし4 ACHは、空気清浄機を強運転させたときの風量に基づいています。強運転を使うのは、かなり汚れがひどくてさらに悪化しているとき、たとえば近所で山火事が起きてるみたいなときです。強運転だとほとんどの空気清浄機はうるさくて(50デシベル以上)、会話中とか就寝中とかTVを見るときとかには使えません。なので我々はつねに大きめのモデルを選んで、「静音」の中運転でも推奨サイズの部屋を十分きれいにできるものを重視しています。
ACHで「その空気清浄機を有効に使える部屋の広さ」がわかる
空気清浄機の広告やパッケージには推奨する部屋面積が書かれていて、わかりやすくはあるのですが、それだと天井高が考慮されてません。なのでたとえば「8畳用」の清浄機でも、天井高めの8畳で使うと効いてる気がしない、といったことがありえます。でもACHは体積を織り込んだ指標なので、そのマシンを有効に使える部屋のサイズがちゃんとわかります。
我々は各空気清浄機のACHを、部屋サイズ約14平方m(小さな寝室やオフィス)、約33平方m(リビングや大きな寝室)、約46平方m(オープンなリビングなどの広い部屋)の3種類の広さに対して計算しました。天井高は平均的な約2.4メートルと想定したので、体積はそれぞれ約34立方m、79立方m、約113立方mとなります。
ACHの計算には、メーカーがスペックとして公表している1分あたりの風量を使っています。DysonとMolekuleは他の会社のマシンと比較できるような形の数値を公表してないのですが、読者の方からテストしてほしいという要望が多かったので、例外としてテスト対象にしています。それ以外は、これまで守ってきた基準で選定しました。
フィルターが「True HEPA」かどうか
また我々は、True HEPAエアフィルターの空気清浄機を重視しました。米国の定義では、「True HEPA」とは、空気中にある直径0.3ミクロンの粒子を最低99.97%、1回の通過で除去できるものとされています(ちなみに人間の髪の毛は直径75ミクロンです)。0.3ミクロンというのはいい加減な数字じゃなくて、じつはHEPAタイプのフィルターで除去するのが難しい、フィルターの穴を通り抜けやすいサイズなんです。詳しくはHEPAフィルターの仕組みの項目で解説します。
CADR:「送り出せるきれいな空気の量」を表す指標
あとはクリーンエア供給率(Clean Air Delivery Rate、CADR)という指標も評価に加えました。CADRは米国家電製品協会が判定している指標で、強運転で1分あたりに出せるきれいな空気の量を表します。たとえば、ある空気清浄機が毎分100立方フィートの空気を吸い込んで90%の粒子を除去するとしたら、CADRは90となります。CADRは粒子の種類別に、タバコの煙、ホコリ、花粉の3種類が測定されています。それぞれ粒子のサイズは、0.09〜1.0ミクロン、0.5〜3ミクロン、5.0〜11.0ミクロンです。HEPAの0.3ミクロンの基準は、タバコの粒子サイズの途中までをカバーしています。我々が選んだものは、ひとつを除いてみんなTrue HEPAで、CADR評価も付いています。例外はBlueair Blue Pure 211+で、CADR評価はあるんですがTrue HEPAではありません。しかし、我々のテストでは0.3ミクロンでも非常に高性能を示していました。
評価の仕方
我々は各清浄機のバリューも考慮し、各サイズのカテゴリごとにはっきりした価格制限はつけませんでした。バリューの判定には、スペック(とくにACH)と我々のテスト結果、他の独立系レビューの知見、ユーザーの評価、メーカーの信頼性やカスタマーサービスを考慮に入れました。こうすることで、スペックや評価のわりに高額な空気清浄機を排除できました。もうひとつ我々は、最終選考に残った清浄機に関して、5年間使った場合のフィルター交換や電力のコストも計算しました。
アプリ経由で情報をいろいろ見られたり、操作できたりといったいわゆるスマートな機能は、あまり重視しませんでした。経験的に、良い空気清浄機とは普通の設定で常時オンにしておけばいいってものであって、スマートである必要はないと考えています。ただし空気の質を可視化できれば清浄機の効果も理解できて、有意義だとは思います。が、それには独立したエアクオリティモニターを使うのがベストだと考え、Wirecutterではそのガイドも公開しています。
イオン発生機能は特に重視せず
空気清浄機のイオン発生機能は否定はしないですが、重視もしないです。イオン発生機能は、マシンを通り抜ける空気分子に負の電荷を与えるものです。イオン化された空気分子は、理論上は空気中の粒子と結びついて大きくなり、よりフィルターにひっかかりやすいサイズになるか、空中で沈殿していくか、もしくは水素と結びついて水蒸気となるか…なんですが、それによる効能ははっきりしません(電気代がかかることだけはわかってますが)。ほとんどの空気清浄機では、イオン発生機能をオンオフできるようになっています。
オゾン空気清浄機には意味を感じません
いっぽう否定したいのは、オゾンを使う空気清浄機です。オゾン空気清浄機のロジックは、「オゾンは反応性が高いので汚染物質を中和または破壊できる」というものです。って、そもそもその主張からしてあやしいんですが、オゾンそのものが少量でも有害なんです。空気清浄機で汚染物質を減らしたいのに、新たな汚染物質を投入するっていうのはどうなんでしょうか? イオン発生機も副産物として少量のオゾンを発生するんですが、我々がオススメした空気清浄機はどれも、カリフォルニア州大気資源局の厳格な基準である0.05ppmを超えないようになっています。
今回のテストでは、ここまで列挙した条件に合う空気清浄機は13台で、うち4台がこのテストの前バージョンでオススメしたもの、9台が新規で加わったものでした。今回のテストで、我々が2014年以降テストした空気清浄機は累計32台になりました。スペック評価だけでテストしていないものも、何台か加わりました。
「空気をきれいにする能力」をテストする
我々は2013年以来空気清浄機をテストしていて、判定基準は単にパフォーマンスだけでなく、家やオフィスでつねに使っていて、いろいろな意味で気にならないかも考慮しています。たとえば動作中のノイズの大きさや、電力消費や交換フィルターといった長期的にかかるコスト、操作やメンテナンスの簡単さ、余計なライトの有無(睡眠の邪魔になります)、ユーザーインターフェース、本体のサイズや美しさといった主観的要素も評価に入れています。
でもやっぱり性能は一番重要です。
過去6年、我々はラボとリアル世界の両方で空気清浄機の性能テストをしてきました。John Holecekはサンディエゴのラボで、大気研究で使われるプロ仕様の装置(具体的には、TSI 3080/3010 Scanning Mobility Particle Sizerと、3321 Aerodynamic Particle Sizer)を使っています。Tim Heffernanは2017年以来、ニューヨークとロサンゼルスでリアル世界でのテストをしていて、業務用のハンドヘルド粒子カウンター、TSI AeroTrak 9306で粒子濃度を計測しています。すべての装置は0.3ミクロンのHEPA基準の粒子までを測定できますが、Johnの装置はもっと細かく、HEPA基準の30分の1にあたる0.01ミクロンまで測れます。
今回のガイドでは、TimはWirecutterのニューヨークオフィスで空気清浄機のテストを実施しました。過去のテストでは、彼の自宅であるニューヨークのアパートメントやWirecutterのロサンゼルスオフィスをテスト場所にしてきました。
テストの手順
TimはWirecutterのオフィスで、13台の清浄機を2週間にわたりテストしました。オフィスの広さは約12.5平方m、天井高は約2.7m(我々のカテゴライズでは「寝室」に相当する広さ)です。リアル世界でのパフォーマンスを見たいので、テスト環境は完全気密状態にはしませんでしたが、ビルの空調設備はテープでふさいで空気が余計に動かないようにしました。
テストは各清浄機に対し最低2回ずつ行ないました。1回は30分間、ノイズが50デシベル以下になる範囲で最強の風量でのテスト。もう1回は、ノイズ関係なく最強にしてのテストです。まず各テストのはじめに、部屋の空気の質を3分間測定してベースラインを設定しました。その後マッチを5本燃やして粒子濃度を高め、次に清浄機をオンにして、トータル30分になるまで稼働させました。
マッチはすごく細かい粒子を何百万と発生させ、その中にはHEPAのような物理的なフィルターで除去しにくい0.3ミクロン前後のものもあります。マシンを「静音」と強運転のそれぞれで動かし、一般的な条件と厳しい条件で、粒子除去の性能を測定しました。
粒子カウンターは空気清浄機から約2.1メートル離し、壁からは約51cm離した場所で使います。これによって粒子カウンターは清浄機から出る空気を直接カウントするのではなくなり、現実以上にきれいな空気を測定されるのを避けられるはずです。清浄機本体は部屋の長辺の中央に、壁から約60cm離した場所に置き、吸気口・排気口の近くに障害物を置かないようにしました。粒子カウンターは分単位で継続的に測定を続けました。
過去にテストした空気清浄機に関しては、今回は4つのテストをしました。4つとは「静音」で中運転の場合と、強運転の場合、そしてそれぞれで古いフィルターを付けた場合と新しいフィルターの場合です。各マシンはTimのアパートメントで少なくとも6カ月、静音・中運転で継続的に使われていたので、古いフィルターはヘビーに使われていました。Molekuleの清浄機は独自の非HEPAの方法で粒子を除去するんですが、テストはマシンにある4つの設定(Silent、Auto、Boost、Dark plus Auto)で各2回ずつ行ないました。Dysonの清浄機はファンの速度を10段階に変えられるんですが、テストでは速度10(強)と6(だいたい「静音」・中運転に相当)を測定しました。
テストの結果
上のグラフは、各清浄機の性能テスト結果の一部です。棒の左側のきれいな紫の部分が除去された粒子の量を、右側のボソボソした部分が除去されなかった粒子の量を表しています。データは各マシンのテストにおける最大の粒子量が100%になるように正規化してあります。粒子の絶対濃度だと、純粋なラボ環境でもテスト対テスト、マシン対マシンの厳密な比較が難しいので、相対値にすることで共通の尺度で性能を測れるようにしてるわけです。これでも、清浄機を付ける前の粒子濃度がたまたま高くなった場合に性能評価が現実とかけ離れてしまう恐れはあるのですが、でも他の複数のやり方を考えたうえで、これが一番正確です。
こうした性能の尺度にくわえて、Timは清浄機のノイズを、清浄機からの距離約1.8m、地上約90cmのポイントで測り、それを元に「静音」(最大50デシベル)で動かせる最強の設定をマシンごとに判断しました。また弱、中、強運転での電力消費を測定し、中運転での電力消費に基づいて電気代を計算しました。
イチ押し:Coway AP-1512HH Mighty
総計5ラウンド400時間以上、計32台を対象にしたテストの結果、我々はCoway Mightyこそほとんどの人にとってベストな空気清浄機だと結論づけました。この結果は何年か変わっていないのですが、それにはたくさんの理由があります。
空気をきれいにする性能が高いわりに価格は安い
まずは性能です。Coway Mightyは我々がテストした空気清浄機の中でベスト性能のひとつで、今回のテストでは30分で空中の粒子を98.9%除去しました。またこの性能は長持ちしていて、同じマシンを2017年から3回にわたりテストしましたが、結果はつねに同じでした。また静かでコンパクトで、夜にはディスプレイを暗くできるので、寝室にもリビングにも適していて、家に置きやすいです。さらに性能のわりに本体価格は安く、毎日24時間の運用コスト、年1回の交換フィルターコストを合計しても、5年で約450ドル(約4万8000円、日本だと本体とフィルターの価格差でプラス3万円前後)です。
今回ニューヨークで行なったリアル世界のテストで強運転にしたとき、Coway Mightyは0.3ミクロンの粒子を30分で98.9%除去できました。新しいフィルターを使った場合だけでなく、1年間常時使ってきたフィルターを使った場合でも同様です。中運転では、新しいフィルターを使った場合の除去率は87.7%、使い古しのフィルターでは87.6%となりました。過去のテストでは、Coway Mightyを強運転で1時間動かすと一般的な寝室の空気がほぼ100%きれいになり、その後中運転にしても良い空気を維持できました。2018年にロサンゼルスの山火事の近くで実施したテストでは、Coway Mightyはスペック上の推奨面積の2倍以上ある部屋で、大量の煙を50分で70%減らし、より強力なタイプの製品と肩を並べました。
強運転では、Coway Mightyは約33平方m・天井高約2.4mの部屋で5.7 ACHとなっていて、このパワーが山火事などの緊急事態に力を発揮しました。静音・中運転では3 ACHですが、一般的な条件ならごくきれいな空気を保てます。
Coway Mightyは高いパフォーマンスを長く維持でき、フィルター交換で推奨される1年間をはるかに超えても大丈夫でした。最初のテスト用モデルは2年間フィルター交換なしで使い続けましたが、性能はおろしたてのときと同じでした。今使っているテスト用モデルは3年以上毎日24時間使っていますが、2018年と2019年にそれぞれ1年使ったフィルターでテストした場合でも、新品でテストしたときと同じパフォーマンスを維持していました。
作りがしっかりしている
Coway Mightyのパフォーマンスのカギのひとつはビルドのクオリティ、とくにプレフィルターとHEPAフィルターがきっちりフィットしていることです。プレフィルターがペットの毛や糸くずといった大きめのゴミを除去することで、HEPAフィルターが詰まることなく、より細かい粒子を捉える性能が落ちません。HEPAフィルターは本体のフレームにぴったり収まり、プラスチックの筐体に密着しています。これで空気がフィルターの横からもれることがなく、吸い込んだ空気のほぼすべてがHEPAフィルターを通過します。
邪魔になりにくい
Coway Mightyには、家に置きやすい理由もたくさんあります。たとえば夜には、明るすぎる「エアクオリティディスプレイ」ランプを暗くできます。また非常に静かで、中運転では6フィート(約1.8m)離れた場所でのノイズが39デシベルと、ほのかなファン音程度なので、睡眠やTV視聴の邪魔になりません。
そして、軽いんです。ほんの12ポンド(約5.4kg)ちょっとで、ポケット状の取っ手もあるので移動も楽々です。
さらにサイズがコンパクトで、高さ約46cm、奥行約25cm、幅約43cmと、大きめのトートバッグくらいです。本体が視界の高さの下になり、形も前から後ろにかけてガクンと下がっているので、とくに色が白だと見た目の印象が異常に小さくなります。タワー型の清浄機だと、フットプリントは小さいんですが高さがあり、大きめスペース向けのものは巨大な感じになるのですが。
フィルター交換は簡単です。前面カバーを外し、プレフィルターとHEPAフィルターを便利なプルタブで引っ張って取り出します。プレフィルターは丈夫なプラスチックメッシュで、メンテナンスは掃除機で吸い取るか布で拭き取るか、水洗いです。フィルターの向きがはっきり表示されているので、間違ってはめる心配もありません。ただ初心者にありがちなのは、フィルターを覆うフィルムを付けっぱなしにしてしまうことですが、それだと空気が通らないので、必ず外して使いましょう。
運用コストもぶっちぎりで安い
Coway Mightyのランニングコストは、この性能の清浄機としてはダントツの安さです。中運転では8.1ワットの消費なので、毎日24時間つけっぱなしでも年間71キロワットとなり、2019年6月のニューヨークの電気料金は1kWhあたり18.6セントだったので、年間では13ドル(約1400円)ちょっとにしかなりません。(訳注:日本でも東京電力の一般的な従量電灯Bというプランだと1kWhあたり20円弱なので、だいたい同じくらいです。)
年1回交換するフィルターの50ドル(約5300円、日本では1万円くらい)を加えても、年間ランニングコストは65ドル(約7000円)以下、5年間で本体価格も含めて450ドル(約4万8000円、日本だとプラス3万円強)くらいです。同等スペックのGermGuardian AC5900WCAは年間電気代が60ドル(約6400円)くらいになり、8カ月ごとに交換が必要なフィルターは70ドル(約7500円)なので、5年間で900ドル(約9万6000円)と約2倍です。違う言い方をすると、GermGuardian AC5900WCAを1台買って運用するお金で、Coway Mightyを2台買って別々の部屋に設置できるんです。
買うのをやめるほどじゃないけど良くないところ
Coway Mightyにはディスプレイオフ機能がありますが、それが搭載されたのは2018年12月だったので、Wirecutter読者の中にはその機能のない古いモデルを買ってしまった人が2019年9月までいました。万一同じことが起きたら、販売店に言って交換してもらえるはずです。またはTim Heffernanがやってるように、ランプの上にコインを置けばOKです。
空気清浄機を使い始めるとき、フィルターを覆っているフィルムをはがすのを忘れがちです。フィルターって本体の中に収まった状態で売られてるので、箱から出したらすぐプラグ&プレイできそうに見えちゃうんですよね。シールとかチラシで「最初にフィルターのフィルムをはがしてください」って口酸っぱく書かれてるんですが、それでも忘れてたって人が複数いたので、ここでも注意しておきます。とくにCoway Mightyの場合、ノイズがうるさいとかファンの故障、脱落といったネガティブなレビューをいくつか見かけたんですが、そのレビューに原因は書かれてないものの、多分フィルムのはがし忘れだろうと思われます。
多くの空気清浄機と同じく、Coway Mightyにはイオン発生機能がありますが、我々はこれをオフにすることをおすすめします。この手の機能の有効性は微妙だし、余計な電力を使うからです。イオン発生がオフかどうかはライトで表示されます。でもイオン発生をオンにしたとしても、この機能の副産物であるオゾンの発生量はカリフォルニア州大気資源局も認める0.05ppm以下なので、そこは安心です。
Coway Mightyのネガティブなレビューの中でひとつ気づいた傾向は、カスタマーサービスの反応が鈍いという不満です。でも故障発生を報告したAmazonレビューへの対応で見られるように、Cowayはレビューのスレッドの中で対応しています。反応は期待ほど早くはないかもしれませんが、一応ちゃんと動いてはいるようです。
同じくらいオススメ:Coway Airmega 200M
(編注:本製品は日本では公式での取り扱いがありません)
Coway Airmega 200Mは、イチ押しのCoway Mightyとそっくりです。同じ会社が作っているし、物理的にもほとんど同じで、フィルターやフェイスプレートまで入れ替え可能です。
性能の高さもそっくり
Airmega 200Mのほうがモーターがやや強力で、パフォーマンスも少しだけ上です。強運転で30分稼働したときの粒子除去率は、新しいフィルターを付けた状態では99.4%、古いフィルターを付けたときは99.1%でした。対するCoway Mightyは、どちらも98.9%でした。1ポイントにも満たない違いですが、強いて言えばAirmega 200Mのほうがベターです。Coway Mightyの3時間稼働テストでは、マッチ15本分相当の大量の煙の99.9%を強設定1時間で除去し、残る2時間は中運転できれいな空気を維持しました。Airmega 200Mもほとんど同じデザインで、フィルターも同じ、モーターは若干パワフルなので、少なくとも同等のパフォーマンスだと考えられます。
Coway Mightyとの差はほぼ価格と外見のみ
Coway Airmega 200Mはディスプレイオフ機能がある点でもCoway Mightyと同じで、我々はここも高く評価しています。見た目的には、Coway Airmega 200MはCoway Mightyと違ってグリルが四角で、色はMightyには白があるのですが、こちらは黒だけです。以前のレビューではCoway Airmega 200MがCoway Mightyよりずっと高かったので最終選考に残らなかったんですが、最近はほぼ同価格になってきました。Coway MightyかAirmega 200Mかで迷う人がいたら、比較ポイントは価格と外見だけで、どちらを買ってもいいと思います。両方を同じくらいおすすめします。
アップグレードするなら:Blueair Blue Pure 211+
(編注:本製品は日本では公式での取り扱いがなく、代わりに同等スペックのBlue Pure 231が販売されています)
すごく大きな部屋で使うなら、Blueair Blue Pure 211+をおすすめします。きわめてパワフルで、4 ACHが出る最大面積は天井高2.4mで約61平方m、約33畳)になります。つまりキッチンがつながったリビングとかオープンプランな空間でも、たいていはきれいにできます。5年間のコストは他の大空間向け空気清浄機よりはるかに安く、本体価格と交換フィルター、電気料金含めて700〜800ドル(約7万5000〜8万5000円、訳注:日本ではBlue Pure 211+が公式販売されていませんが、同等スペックのBlue Pure 231の場合、本体とフィルターの価格差でプラス2万円前後)です。さらに見た目もよく静かなので、家に置きやすいです。ただし家にそこまで大きい空間がない場合は、Coway Mightyのほうがより静かで手頃です。
性能抜群
Blueair Blue Pure 211+は0.3ミクロンの大量の煙を、30分の強運転で99.3%、静音・中運転で98.4%除去しました。このときのフィルターは、すでに8カ月にわたって24時間毎日使っていたものです。さらにフィルターが新しい場合、それぞれ99.3%と99.2%という結果になりました。この結果は我々がテストした中でもっとも高性能で、かつ運転強度を変えても性能にブレがありませんでした(比較として、イチ押しのCoway Mightyは強運転では98.9%だったのが中運転では87.7%に落ちました)。
Blueair Blue Pure 211+の性能の高さ、ブレのなさにはいくつか理由があります。
まず、風量が大きいです。強運転だと、煙や花粉、ホコリに対するCADRが毎分約9.9立方mで、同価格帯の中はほぼ最強、もっと高価なものの多くをもしのいでいます。静音・中運転ではCADRが231となり、これはCoway Mightyの強運転とそんなに変わりません。面積約46平方m、天井高約2.4mの部屋では、強運転で5.3 ACHと、我々がしきい値にしている4 ACHを軽く超えています。同じ部屋で中運転でも3.5 ACHと、通常の条件できれいな空気を維持するには十分以上です。
次にBlueair Blue Pure 211+は、他のBlueair空気清浄機と同様、パフォーマンスを高めるための独自の仕組みを使っています。粒子が初めてフィルターを通過するときに電荷を与えておき、それによって次にその粒子がマシンに回ってきたときにフィルターにくっつきやすくする、という仕組みです。Blueair Blue Pure 211+では強でも中でもパフォーマンスがほとんど変わらないのは、このせいかもしれません。
また我々はBlueair Blue Pure 211+を1年間使ってきて、耐久性も裏付けられました。
広い空間用の空気清浄機として圧倒的におすすめ
2018年のテストでは、Blueair Blue Pure 211+が「Coway Mightyの最大のライバル」だと結論付けました。でも実際1年間使った結果、我々はBlueair Blue Pure 211+は特に大きな空間にこそ最適だと考えています。本体サイズはCoway Mightyよりかなり大きく、寝室やリビングでは目障りかもしれません。また音もやや大きく、中運転だと43デシベルと、Coway Mightyの39デシベルより大きいです。どちらにしても我々が考える「50デシベル」という「静音」の定義よりずっと小さいんですが、この差は聞いてわかる程度に大きいです。また稼働中にオン・オフボタンが光るんですが、この光はオフにできません。あとは中運転での消費電力が、Blueair Blue Pure 211+は46.8ワットに対し、Coway Mightyはたった8.4ワットです。なのでCoway Mightyでも十分なスペースにBlueair Blue Pure 211+を使っていると、かなりムダな電力を使うことになります。
でも他の大部屋清浄機と比べれば、Blueair Blue Pure 211+がダントツです。以前Wirecutterで大部屋用にオススメしたCoway Airmega 400の5年間のコストは1100ドル(約12万円)と、Blueair Blue Pure 211+の800ドル(約8万5000円)よりだいぶ高いです。どちらも電力消費やノイズは似ていて、今回のテストでもほぼ同等のパフォーマンスでした。今回VOC対策としてオススメしたAustin Air HealthMate HM400も大部屋向きの性能ですが、5年間コストは1300ドル(約14万円)とさらに高くなるし、音もうるさく、大きくて、見た目も比べるといまいちです。最後にBlueair Blue Pure 211+は、Honeywell HPA300よりパワフルかつ静かで、見た目も良いです。5色から選べるプレフィルターの「スキン」はすごく良いと思いますし、よりミニマルを好むならスキンなしのむき身で使うのもOKです。
空気清浄機の性能は、空気を動かす力
小さめの部屋向けのお手頃版:Blueair Blue Pure 411
我々がお手頃価格でイチ押しするのはBlueair Blue Pure 411、小さめの寝室やオフィス向けモデルで、対象面積は約19平方m(約10.5畳)、できれば約14平方m(約7.7畳)以下となっています。実際その範囲の狭い空間では素晴らしい性能を発揮し、今回のテストでは空気中の粒子を30分で87.2%除去できました。でもパワー的にはそこまででなく、以前我々が推していたGermGuardian AC4825が150平方フィートで6.3 ACHだったのに対し、Blueair Blue Pure 411は6 ACHです。でもサイズがはるかに小さくて見た目も良く、電力効率がはるかに高いんです。この電力効率と交換フィルターの安さが相まって、5年間のコストは本体も含めて約220ドル(約2万4000円、編注:ただし日本では本体・フィルターの価格差でプラス5000円程度)と、我々がおすすめする中で最安の選択肢になります。
Blueair Blue Pure 411の強運転ではノイズが50デシベルと、我々が考える「静音」のちょうど上限となります。その静かさでも、約12.5平方mの部屋の粒子を30分で87.2%除去できました。つまり強運転だと、Blueair Blue Pure 411は我々イチ押しのCoway Mightyの中運転と同等のパフォーマンスになります。でももっと静かな中運転にすると、除去率は70.7%に下がりました。それはこのサイズのマシンとしては悪くなく、数時間稼働させれば粒子を90%以上除去していました。ただこのことは、小さい空間用の空気清浄機の限界も感じられます。つまり、「静音」の設定だと、そんなに空気を動かせないんです。
Blueair Blue Pure 411の「静音」・中運転でのノイズはささやき声程度の35デシベルになり、消費電力は3.6ワットです。1年間毎日24時間稼働させても、電気代は年間6ドル(約640円)にしかなりません(ニューヨークの場合)。1年で交換するフィルターは20ドル(約2100円、編注:日本ではAmazonで3000円くらい)で、Blueair Blue Pure 411の5年間でのコストは本体を入れても200ドル程度(約2万1000円、編注:日本だとプラス5000円くらい)になります。
Blueair Blue Pure 411は家にも置きやすく、とくに寝室とか小さなオフィスに向いています。重量は3.2ポンド(1.4kg)、移動も簡単で、棚とかサイドテーブルに置けます。ファンの速度を示すライトはどちらもかすかですが、必要となればサイズを合わせて切った紙とかを貼ればいいと思います。
見た目に関しても、Blueair Blue Pure 411は輝いてます。シンプルでコンパクト、洗練された筒状です。直径は約20cm、高さは約43cmです。Blueair Blue Pure 211+と同様、洗える伸縮布製のプレフィルター「スキン」が付属します。小さな空間向けなら、Blueair Blue Pure 411は信頼できるし手頃だし、電力効率も高い優秀な清浄機です。
特殊な選択肢:Austin Air HealthMate HM400
(編注:本製品は日本では公式での取り扱いがありません)
家の近くに工場とか畑とかがあったり、家が新築すぎて建材のにおいが気になったりと、ホルムアルデヒドなどVOC(揮発性有機化合物とも。工場の排出物や農薬などに含まれる)が漂ってそうな環境には、Austin Air HealthMate HM400をオススメします。他のオススメと同じくTrue HEPAフィルターを使っていて、花粉や煙といった粒子も効果的に除去できますが、強力な吸着フィルターでガス状の物質も捉えられます。ガス上の物質とはたとえば、家具や建材によく使われるホルムアルデヒドや、広くはペットのトイレや車のエンジンから出る臭いのするガスなどです。今回の他のオススメでも、飾り程度に数十グラムとかの吸着フィルターを内蔵してますが、実質的な効果はありません。いっぽうAustin Air HealthMate HM400には、ドドンと15ポンド(約6.8kg)の吸着剤が仕込まれてます。過去のテストでは、大量のエタノール蒸気を20分で13%にまで減らしました。他の清浄機は、二番手でもこの半分程度の効果しかなく、それ以外はほんのちょっとしか除去できてないか、全然できてないかでした。VOCに対するAustin Airの技術は折り紙付きで、2001年の米同時多発テロのときもグラウンド・ゼロ周辺にAustin Airの機器が配備されてたくらいです。
Austin Air HealthMate HM400は粒子に関しても確実な性能があり、強運転では30分で粒子量が20%以下になり、弱運転でも50%になりました。でもCoway Mightyほどあっという間じゃない理由は、VOCフィルターの密度が高いためにマシンの動きがゆっくりだからです。またその分電力消費も多く、動作音も明らかに大きくなり、強運転だと58デシベルになります。
そしてこのパフォーマンスは、価格に反映されてます。Austin Air HealthMate HM400の本体価格は通常500ドル(約5万3000円)以上ですが、色によって100ドルくらい差がついてることもあります。交換フィルターはたいてい200ドル(約2万1000円)以上します。とはいえこのフィルターは5年間使えるようにできているので、5年間のコストに入るのは本体価格と電気代だけですが、それでも約1300ドル(約14万円)になります。この金額はCoway Mightyの約3倍だし、大部屋向けにオススメしたBlueair Blue Pure 211+よりも500ドル高いです。
単に広い部屋の粒子を除去したいだけなら、Blueair Blue Pure 211+のほうが静かで小さくて見た目も良く、扱いやすいはずです。でもとにかくVOCが気になっている人には、Austin Air HealthMate HM400こそベストでポータブルな空気清浄器です。
実験:換気扇フィルターを使って空気清浄機を自作できるか?
「換気扇フィルターをボックス扇風機に貼り付ければ空気清浄機が自作できる」ってよく聞きます。そこでTimが2018年、実際に上記のような清浄機を自作し、徹底テストしてみました。約50cm四方のHoneywell FPR 9フィルターをLasko 20インチボックス扇風機に貼り付けて、ニューヨークの約19平方mの部屋でマッチを5本燃やし、35分間・強運転させてみたのです。
結果はなんとそこそこOKで、35分ちょっと後には空気中の粒子量が稼働前より87%低下していました。Coway Mightyの99%除去にはまったく及ばないし、時間ももっとかかりますが、想像以上に良い結果でした。
空気清浄機を自作するときのポイント
ただ注意点もあります。Timはプロ仕様の強力な梱包テープを使って、フィルターの周りをしっかり密閉しました。すき間があるとそこからフィルターしていない空気が通過してしまうので、もし同じことを試すときには気をつけましょう。またボックス扇風機は「目の詰まったフィルターに空気を通す」という負荷を想定していないので、このハックでファンのモーターが無事でいられるかはわかりません。どっちにしても、長期間使っていいものじゃないと思います。でももし空気の状態が危機的で(たとえば近くで山火事があったとか、料理を丸焦げにしたとか)、たまたま手近にボックス扇風機とそれに合ったフィルターとテープがあり、空気清浄機を買いに行く時間がなかったら、やってみる価値はあります。
もうひとつ付け加えるなら、ミシガン大学のHealth Systemが公開したこのハック動画が人気ですが、これはちょっと話を盛りすぎてます。この動画では粒子カウンターをフィルターの真ん前に置いて計測し、通過する粒子がほとんどありません!と言ってるんですが、そりゃそうです。HEPAでもMERVでも、フィルターを通ってきたばかりの空気にはほぼゼロ粒子です。大事なのは部屋全体の粒子を測定することなので、我々が空気清浄機の性能を測定するときはマシンからかなりの距離を開けて、きれいな空気の通り道を避けてます。
運用Tips:「1時間強運転→静音・中運転」がおすすめ
我々がずっとおすすめしているのは、まず1時間強運転させ、その後静音・中運転にしてきれいさをキープすることです。この考えの元になっているのは、以前それぞれの設定で20分、30分、60分のテストをしたからです。2018年にはCoway MightyとAirmega 400を、マッチを15本燃やしてかなりの煙を発生させた環境で3時間(1時間は強、その後中で2時間)稼働させてテストしました。
Coway Mightyは、最初の1時間の強運転で粒子濃度を99.9%下げました。その後の2時間は中運転で、粒子濃度は安定し、0.1%以上変化しませんでした。Airmega 400も最初の1時間の強運転で粒子濃度が99.9%下がり、その後中運転でも濃度は0.2%以上変化しませんでした。
この結果は、1時間の強運転の後は、中運転でも非常にきれいな空気を保てるという考えを裏付けてくれました。
とはいえ、このテストでは最初こそ大量の煙がありましたが、その後は通常の自然な空気の流れだけでした。なので我々はあえてまったく違う環境もテストすべく、お香スティックを部屋で燃やし続けながらCoway MightyとBlueair Blue Pure 211+をそれぞれ試してみました。するとやっぱり、ある程度の粒子を除去するには強運転にする必要があることがわかりました。ちなみにどちらのモデルも、50分で半分以上の粒子を除去できました。
なのでまとめると、普通のときは強運転1時間+中運転で継続、山火事みたいな危機が起きてる場合は連続で強運転、がいいです。
ちょくちょく出てくる「HEPAフィルター」ってなんなの?
HEPA(High-Efficiency Particulate Air)は、産業の要請から生まれました。マイクロプロセッサのようなセンシティブなパーツを作るには、きれいな空気が不可欠です。幸いHEPAフィルターはシンプルでチープなので、今では誰でも簡単に買えます。
HEPAのフィルタリングは、物理的なプロセスです。高速のファンで空中の粒子を引き寄せて、いろんなサイズの穴がびっしり詰まったフェルトのようなフィルターに通します。HEPAフィルターの繊維は空中の粒子を3つの方法で捉えます。一番大きい粒子、だいたい0.5ミクロン以上のものは「慣性衝突」、つまり勢いのままにフィルターの繊維にぶつかってくる粒子をそのままつかまえます。0.5ミクロン以下で小さすぎないものは「遮断」で捉えます。これは勢いが小さいので繊維の周りを多少動けるのですが、最終的には繊維に触れる程度に近づき、くっつきます。最後に非常に細かい0.1ミクロン以下の粒子、または繊維の直径の最大5分の1のものは、ランダムに跳ね返されて空気内の原子や分子との相互作用で動きが妨げられ、最終的に繊維の中に入っていきます。このプロセスは「拡散」と呼ばれます。これらの結果、ほぼすべての粒子がほどなく捉えられ、でも空気の流れはほんの少し妨げられる程度です。
大事なのは、一番捉えにくいのは0.3ミクロンの粒子で、遮断で捉えられるサイズの下限にあり、拡散の上限よりは大きいのです。言い換えれば、HEPAフィルターを通り抜けるのにぴったりなサイズなんです。それを防ぐには、0.3ミクロンの粒子をほぼ完ぺきに捉えられる程度に密なフィルターにすることです。米国のHEPA基準では、その「ほぼ完ぺき」が「1回の通過で99.97%」なのです。
我々が出会った「最悪の空気清浄機」の話
2019年、我々はMolekuleを買ってテストしました。当時Molekuleは「科学的に証明されたナノテクノロジーが、すべての汚染物質のカテゴリーにおいてHEPAフィルターの性能を超える」と言っていました。
でもテストの結果は、その逆を示していました。Molekuleは我々の7年間のテストの中で、どんなサイズのどんな価格の空気清浄機より最悪の性能でした。
この発見を公開してまもなく、上の文言はMolekuleのWebサイトから削除されました。
Tim HeffernanはMolekuleのCEO、Dilip Goswami氏にその理由を聞きました。答えは「『すべてのカテゴリにおいて』のポイントは、我々が思うに、あるデバイスが全カテゴリで他の性能を超えているということです。わかります? だから我々は、個別には、どんな指標においても、ナンバーワンだとは言っていませんよね? 我々が言ってるのは、全カテゴリ横断で見ると、我々はHEPAの性能を超えるということです。いいですか? 我々が伝えようとしているのはそれなんです。なので我々は文言の一部を再検討して、我々の言いたいことを確実に伝えられるようにする必要があったんです」。
独自の仕組み、それが微妙っぽい
Molekuleは「PECO」(photo electrochemical oxidation)という独自の仕組みで空気から粒子を除去しています。それは既存のPCO(photocatalytic oxidation)という技術の派生形で、もともとは倉庫での果物の熟成を早めるエチレンガス対策として開発されました。短くまとめると、PECOもPCOも紫外線を使った二酸化チタンの励起を利用してヒドロキシルラジカル(OH、酸素原子と水素原子がひとつずつつながったもの)を発生させます。ヒドロキシルは非常に反応性が高く、近くの物質と急速につながり、たとえば水素原子に出会うと水(H2O)を発生します。VOCや空中の粒子といった物質に出会うと、分離したり変質させたりします。なのでPECOもPCOも、HEPAとは全然違います。HEPAは空中の粒子を物理的にキャッチするのみで、VOCや分子レベルの汚染物質はつかまえません。ただMolekuleは、物理的なプレフィルターも使って多少の粒子をつかまえています。
Molekuleのテストは、HEPAを使った他の清浄機と同じように、ベースラインの計測や5本のマッチを燃やしてのテスト、3つの設定(高・中・低)それぞれで30分稼働させた場合の粒子の除去率計測といったテストをしました。Molekule独自の「Dark」という設定は、光を使うPECOシステムをオフにして物理的なプレフィルターのみで稼働するモードで、我々はそれもテストしました。
各テストは2回ずつ行ないました。1回目はHEPAを使った清浄機と同じように行ない、部屋にあるエアコンは付けたままマッチを燃やして、4つの設定で稼働させ、30分ごとに除去率を見ました。でもHEPA清浄機と違い、Molekuleはどの設定でも粒子がかなり残っていました。なのでテストをやり直し、最初に空気をなるべくきれいにしました。強力な清浄機のMedify MA-112を強運転で15分、テストの前に稼動させ、立方フィートあたりの粒子量を数百万から1万以下にまで減らしました。他のテストではここまでハンデをつけていません。
でも先に、Molekuleの比較的良かったテスト結果から見ておきましょう。強運転(Molekuleの定義ではBoost)のとき、Molekuleは1回目のテストで0.3ミクロンの粒子を61.3%除去し、2回目(最初に空気をきれいにした)のテストでは57.0%になりました。どちらも、小さい部屋用のお手頃清浄機Blueair Blue Pure 411より低い結果です。Blueair Blue Pure 211+は中運転で70.7%、強運転では87.2%の除去率でした。Coway MightyやBlueair Blue Pure 211+の強設定では、除去率は99%前後に達しました。
Molekuleの性能は中運転(Auto)ではさらに悪く、0.3ミクロンの粒子の除去率は1回目のテストで18.0%、2回目でも26.4%でした。弱運転(Silent)ではもっと低く、1回目のテストでは6.5%、2回目は7.2%でした。中運転でDarkをオンにしたときは、21.3%と18.0%でした。興味深いのは、この数字がDarkがオンでもオフでもほとんど変わらないことで、つまりMolekuleは中運転ではPECOじゃなくプレフィルターしか使っていないのかもしれません。
価格にまったく見合わない性能
ある意味で、この結果だとMolekuleを使わないほうが空気がきれいになるようにすら見えます。ベースラインの、何もしないで30分後の空気を計測するテストでは、0.3ミクロンの粒子は13.9%と15.3%それぞれ減りました。どうして何もしなくても勝手に空気がきれいになるかというと、粒子が空気中で落ちていく「沈殿」や、2〜3の粒子がひとつになる「集塊」という現象、それから周りの自然な換気(他の清浄機のテストでも条件をそろえてある)があるからです。Molekuleの結果が何もしない場合より悪くなっている理由は、Molekuleの動作で空気が巻き上がって、粒子が沈殿しにくくなっているせいかもしれません。
我々のテストの経験上、あるごくシンプルな数字が、清浄機の性能を表す良い代替指標になっています。それは動かせる空気の量で、我々がACHにこだわるのもそのためです。Molekuleはこの数値(Cubic Feet per Minute=CFMといいます)を公表しておらず、CADRの評価も受けていません。でもMolekuleが広告などで使っている文言には、600平方フィート(約56平方m)の部屋の空気を完全に入れ換えるには「1時間以下」、150平方フィート(約14平方m)なら「15分以内」とあります。Molekuleに推奨する部屋のサイズを確認したところ、基準にする天井高は8.5フィート(約2.6m)にしているとのことでした。我々も似たような8フィート(約2.4m)を基準としています。Molekuleのこの発言、そしてテストの結果からは、Molekuleの性能は150平方フィート・天井高8フィートの部屋で、最強でも4 ACH前後と見られます。我々がオススメした清浄機に比べると、だいぶ貧弱です。4 ACHは、我々のお手頃ピックであるBlueair Blue Pure 411の3分の2、イチ押しのCoway Mightyの5分の1以下、大きい部屋用のピックであるBlueair Blue Pure 211+に比べると8分の1にしかなりません。
こうした結果は、Molekuleの性能はその高い価格にまったく見合わないことを意味します。Molekuleの本体価格は通常800ドル(約8万5000円)、年1回交換するフィルターは130ドル(約1万4000円)です。電気代も含めた5年間のコストは1350ドル(約14万円)に達すると推定され、お手頃な(でも性能はMolekuleを上回る)Blueair Blue Pure 411の220ドル(約2万4000円)の6倍以上です。しかもMolekuleにはアプリもあるんですが、これがつねに動作が遅いです。さらに、PECOフィルターを使っているときは青い光を放つんですが、この光はオフにできないだけでなく、他の清浄機みたいにコインやテープで覆うこともできません。それをすると、Molekuleの空気の出口をふさいでしまうからです。
Molekuleはその広告などで、空気中の粒子や、HEPAフィルターがつかまえられないVOCのような汚染物質まで「破壊する」と言っています。Molekuleが物質を破壊しているのかどうかのテストはできませんが、それは問題ではありません。まとめると、Molekuleは余計な粒子を除去できると言っているんですが、我々のテストによれば、その目的のためにはもっと良い道具がたくさんある、ということです。
検証した空気清浄機まとめ
(編注:Wirecutterは、以下の空気清浄機についても評価を行なっています。しかし、換気能力・静音性、製品の大きさ、コストパフォーマンスなどを総合的に踏まえて「おすすめモデルに及ばない」と判断されている/評価の対象外にすべきとされていることから、列挙するに留めています)
2019年にテスト
・Medify MA-40(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Medify MA-112(日本国内で公式での取り扱いなし)
・GermGuardian AC5900WCA(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Levoit LV-H133(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Levoit Vista 200(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Inofia PM1320(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Inofia PM1619(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Inofia PM1539(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Inofia PM1608(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Pure Company Large Room Air Purifier(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Levoit LV-H134(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix FresHome P150(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix HR900 Ultimate Pet Air Purifier(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix NK100(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix QS(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix NK105(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Hathaspace Smart True HEPA Air Purifier(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Dyson Pure Cool Me BP01(卓上用空気清浄機のためテスト対象から除外)
・Sumgott、Koios、UNbeaten、Zibrone、Renpho、Aviano、Mooka、Keenstone、Partu、Geniani、KeenPure、Hauea、Cisno、Airthereal、iTvanila、Securaの製品(あまり重要でないメーカーのため、テスト対象から除外)
2018年以前にテスト
・Honeywell 50250-S(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Honeywell HPA300(日本国内で公式での取り扱いなし)
・GermGuardian AC4825(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix 5500-2(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix 5300-2(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Coway AP-1216L(日本国内で公式での取り扱いなし)
・LG PuriCare AS401WWA1(原文執筆時点でディスコン)
・Dyson Pure Hot+Cool Link HP02(日本国内で公式での取り扱いなし)
・IQAir HealthPro Plus(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Rowenta PU6020(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Sharp Plasmacluster FP-A80(日本では終売)
・Bissell air400(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Phillips 1000-series(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Philips 2000-series(日本国内で公式での取り扱いなし)
・GermGuardian CDAP4500(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Alen BreatheSmart FIT50(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Alen BreatheSmart T500(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Honeywell HPA200(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Honeywell HPA204(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Honeywell HFD-120-Q(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Winix FresHome P450(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Hamilton 04386A(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Oransi OV200(日本国内で公式での取り扱いなし)
・QuietPure Home Air Purifier(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Pure Enrichment PureZone 3-in-1(日本国内で公式での取り扱いなし)
・GermGuardian AC4100(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Oion B-1000(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Hamilton Beach 04383A(日本国内で公式での取り扱いなし)
・Webetopの壁掛け空気清浄機
・Homelabの3-in-1空気清浄機
押さえておきたい、空気清浄機の設定・運用・メンテナンス
空気清浄機をちゃんと活用するには、設定や運用、メンテナンスもしっかりしなきゃいけません。やるべきことを、以下にまとめます。
フィルムをはがしましょう
たいていの空気清浄機はフィルターが入った状態で売られていますが、フィルターには最初はプラスチックのフィルムがかかっています。我々は少なくとも、読者にひとり、スタッフにひとり、このフィルムをはがすのを忘れて、清浄機がまともに動かなかったという人を知ってます。なので最初に清浄機のフタを開けてフィルターを確認し、フィルムがかかってたらはがしましょう。HEPAフィルターには、外したフィルターを本体に戻すときに正しい向きを知らせるための矢印か何かがあるはずです。
適切な場所に設置しましょう
清浄機は壁や家具から少なくとも約46cm離して、理想的には部屋の中央近くで使いましょう。
空気清浄機は、1部屋に1台がベスト
清浄機の効果が高いのは当然その近くの空間なので、たとえばリビングと寝室の両方をきれいにするなら、各部屋に清浄機を置くか、1台をつねに移動させるかがいいです。つねに移動させるのに適した清浄機ばかりじゃないので、この記事では軽くてハンドルがあって移動させやすい清浄機を高く評価しています。
大は小を兼ねる
清浄機が多すぎるのも、足りないよりベターです。メーカー推奨の部屋サイズはたいてい強運転でのテストに基づいてるので、寝るときとかTVを見てるときとかにはうるさく感じます。より大きなスペース用とされている清浄機なら、強じゃないもっと静かな設定にしてても十分空気をきれいにできます。
つけっぱなしが基本
その上で一般的におすすめなのは、「静音」の範囲内(我々は50デシベル以下としています)で一番強い設定にすること。これは風速が3段階の清浄機ならたいがいは中運転、4段階なら上から2番めです。よく「自動」モード付きの清浄機がありますが、これはオススメしないです。理由はふたつあって、ひとつめは、清浄機のオンオフを判断するセンサーが正しいとは限らないこと。もうひとつは、メーカーが判断する「きれいじゃない空気」の定義によっては、空気がよっぽど汚れないとオンにならないかもしれないことです。
一気にきれいにするなら、強運転で1時間→静音・中運転
空気が悪くなるような何らかの事案、たとえば山火事とかがあったら、まず空気清浄機を強運転にして1時間稼働させ、その後静音・中運転にすることをおすすめします。2018年の山火事ではまさにこれが裏付けられました。
空気清浄機の使用中は、ドアや窓を閉めましょう
すき間風が入ると、きれいになってない空気が清浄機のキャパシティ以上に入ってきます。普通の出入りは問題ないので、ただドアを閉めるのを忘れないようにしましょう。
プレフィルターは月1回掃除
最適な状態を保つには、掃除機で吸い取るか、拭き取るか、水洗いかしましょう。プレフィルターはペットの毛などの大きな粒子を捉えていて、それをきれいに保っていると、HEPAフィルターの性能も維持できます。
フィルター交換はスケジュール化
年1回とかの交換は忘れやすいので、カレンダーのリマインダー機能を使います。交換頻度は、たいていの清浄機では年1回推奨ですが、一応マニュアルで確認しましょう。基本的にはメーカーの言う通りがいいですが、HEPAフィルターは年1回使った後でもほとんど新品みたいに使えることが多いです。なので1年ちょっと過ぎても、世界が終わったりはしないです。
追加で検証予定の空気清浄機
・Levoit Core 300(どうもBlue Pure 411を超える性能。ややうるさいが、今後おすすめに入ってくるかも)
・Molekule Air Mini(以前テストした「最悪の空気清浄機」よりはマシか)
・Aeris Aair 3-in-1 Pro(高価だが、より廉価なBlue Pure 211+に及ばない面あり)
・Blueair Blue Pure 411+(Plue Pure 411のアップグレード版)
・Elechomes A3B(Wi-Fiに対応した空気清浄機)
©2020 WIRECUTTER, INC. A NEW YORK TIMES COMPANY.
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空気清浄機のベスト(おすすめ)はどれ? 米国の人気メディアがガチ比較してみたよ - ギズモード・ジャパン
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