車内で新型コロナの検査を受ける女性(15日、ルイジアナ州)=ロイター
【ニューヨーク=吉田圭織】新型コロナウイルスの感染が急拡大している米国で、規制強化に乗り出す州が増えてきた。一方、自粛疲れで規制強化に反対する声も強まっており、地域によっては感染抑制に向けた対策の導入が難航する可能性も出てきた。
米ジョンズ・ホプキンス大学の調べによると、米国の新型コロナの累計感染者数は米東部時間16日午後2時30分(日本時間17日午前4時30分)時点で1111万人を超え、死者数は24万6千人超になった。
感染は全米で拡大している。米国の感染状況を分析する「COVIDトラッキング・プロジェクト」によると、15日には40を上回る州・地域で新規感染者が増えている。新規感染者(7日移動平均)は14万5千人にのぼり、9日連続で10万人を超えた。地域別では、中西部の感染率が36%と全米で最も高い。
感染拡大を受けて各地で規制強化が進んでいる。新規感染者数(7日平均)が過去最高水準に達した東部ペンシルベニア州フィラデルフィア市は16日、2021年1月まで映画館や飲食店の屋内営業を禁止するとともに、同じ家に住まない人が屋内で集まることも禁じると発表した。
中西部のイリノイ州のシカゴ市では16日、外出自粛令が導入された。ミシガン州では18日から3週間、大学や高校は遠隔学習に移行し、飲食店の屋内営業を禁じる。
北東部でも感染が徐々に増えている。ニューヨーク市の陽性率(7日移動平均)は16日、2.77%に達し、学校が閉鎖される3%の水準に近づいている。ニュージャージー州のマーフィー知事は16日、感染の再拡大を受け、屋内の集会を10人に制限すると発表した。
西部カリフォルニア州も新たな規制を発表した。新規感染者数が8月中旬以来の高水準にのぼったことを受け、カリフォルニア州のニューサム知事は16日の記者会見で「緊急ブレーキを引くことにした」と述べ、同州の人口の94%が住む41の郡を、4段階ある規制レベルのうち最も厳しいレベルに改めた。美術館、スポーツジムやレストランなどの屋内営業を17日から禁止する。感染が収まらなければ夜間外出禁止令の発動も検討するという。
一方、規制に対する反感も強まっている。米調査会社ギャラップが実施した世論調査によると、感染拡大で外出自粛を要請された場合、それを「守る可能性が高い」と答えた人が3月下旬の67%から、10月中旬には49%に低下した。
回答は共和党支持者と民主党支持者で大きくわかれた。外出自粛を守ると答えた共和党支持者は74%から40%に下がったのに対し、民主党支持者は91%から87%とわずかな低下にとどまった。
大統領選の勝利を確実にしたバイデン前副大統領が発足させたコロナ対策チームの専門家も「全国的なロックダウンは最終手段だ」と述べるなど、慎重な立場を見せている。トランプ政権のコロナ対策チーム顧問のスコット・アトラス氏は15日、ミシガン州知事が発表した規制について「(規制を)止めるには立ち上がるしかない」とツイッターに投稿し、規制強化に反対する立場を明らかにした。
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