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Saturday, May 15, 2021

<琵琶湖と生きる> 住職が料理人、渓流魚を提供する「醒井楼」 - 中日新聞

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鱒供養の法要をする近藤住職(左)=米原市上丹生の松尾寺で(同寺提供)

鱒供養の法要をする近藤住職(左)=米原市上丹生の松尾寺で(同寺提供)

  • 鱒供養の法要をする近藤住職(左)=米原市上丹生の松尾寺で(同寺提供)
  • 醒井楼が提供するニジマスとビワマスのメニュー=同市上丹生の醒井楼で

 米原市上丹生の林道を抜けると現れる料理店「醒井楼(さめがいろう)」。ニジマスやビワマスなど渓流魚を使った料理を提供している。隣に本堂を構える松尾寺の住職が料理人を務める少々異色の店だ。

 松尾寺は六世紀後半に空中より飛来したと伝わる二体の「空中飛行観音」をまつる古寺。八十代目住職の近藤澄人さん(46)によると、店を持つきっかけは戦後の農地改革だったという。それまで徳川家や彦根藩井伊家の祈願所として保護を受け、広大な寺領を有していた松尾寺。しかし、連合国軍総司令部(GHQ)指導による農地改革で多くを国に強制的に買い上げられた。檀家(だんか)も持っていなかったため収入が大幅に減った。

 松尾寺が醒井養鱒場(さめがいようそんじょう)に隣接していることもあり、収入源確保とニジマスやビワマスの普及のため、先々代の住職がかつて醒井にあった私立の運動公園でニジマスを使ったカレーやフライを提供する売店を経営。その後林道整備を行い、炭火焼きなども売るようになり六十年ほど前に醒井楼が誕生した。

 現住職の近藤さんは「住職が本業で、料理人は副業です」と冗談めかす。僧侶と料理人、二つの資格を得るべく、高校卒業後は...

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