人長さんの『メシ通』連載記事が本になります
──人長良次(ひとおさ・よしつぐ)さんのレシピをまとめた本格中華の書籍が発売されます。長らくおまたせしました。
人長:おまたせしすぎたかもしれません。『メシ通』で連載を始めてから、実際にお店に来ていただくお客さんも増えまして、たいへんありがたいことだと思っております。
本格的な中華料理・四川料理って、自分の家じゃ作れないという先入観が強いと思うんです。油は多いし、はねるだろうし、火力も弱いし、よくわからない調味料を入れるんだろうなと。僕も中華料理をやるまではそう思ってたんですよ。
──そういうイメージはあります。
人長:でも、「ちょっとしたことでグッとおいしくなるポイント」を知ると、料理がどんどん楽しくなるんですよね。そんな「おまじない」みたいなことをたくさん盛り込みました。この本を読んで、気軽にマネしていただいて、中華料理を身近に感じてほしいですね。
▼人長さん初の著書『四川料理のスゴい人 自宅でつくる本格中華レシピ』(三才ブックス)
四川省の料理屋さんでは定番のメニュー。辛くてうまい「水煮牛肉」
日本橋の四川料理店「リバヨンアタック」料理長の人長良次さんに教わるレシピ。
今回は皆さんからのリクエストも多かった「水煮牛肉」です。
料理はいたってシンプル・簡単。三層構造のメニューなんです。
- 野菜を炒めて皿に盛る
- 辛いスープで牛肉を煮て、野菜の上から注ぐ
- その上に唐辛子の粉をふりかけて、熱した油をかける
ポイントはふたつ。
ポイント1:牛肉を「チャン」する
「チャン」とは肉に下味をつけると同時に、卵液を吸わせてプルップルに仕上げる下ごしらえのこと。非常に大事な工程です。
ポイント2:仕上げに油をかける
本場では仕上げに花椒油をかけていただくのが一般的だそうです。今回人長さんに解説していただくのはそれとはまたちょっと違うスタイル。そこに一味唐辛子をプラスして、その上からかけるスタイルが人長さんの好みだそうです。
──今回教えてもらう「水煮牛肉」。読み方は「みずにぎゅうにく」でいいのでしょうか。
人長:「みずにぎゅうにく」ですね。水煮牛肉と書いて「スイズーニューロウ」。日本風メニューなら「牛肉の四川風唐辛子煮込み」とでも言いましょうか。中華料理ってだいたい食材を油通しするんですが、これは油通ししないんです。
辛いスープを作って、そのスープで肉に火を通す。スープで火を通すので「水で煮てる」という表現になるんです。なので、牛肉を水で煮た料理。「水・煮・牛肉」となるわけです。
──「水」は真水じゃなくてスープという意味なんすね。タケノコの水煮みたいな意味じゃないという。
人長:水煮牛肉は1930年代に四川省のファン・ジーアンという有名な料理人が考案したとされている、比較的新しい料理なんです。それが成都で爆発的に人気が出て、バーっと広がったというふうに言われています。なので「何百年の伝統がある料理」とかじゃないんです。
──いわゆる「四千年の歴史」の中で百年未満となると、かなり新しい料理っすね。
人長:今では四川省の料理屋さんに行くとどこにでもあるくらい、ポピュラーな料理ですね。もちろんお店によっていろんなスタイルがあります。今回は、僕が修行してきたスタイルでやろうと思います。
野菜を切ります
【水煮牛肉(2人前)の材料1:野菜】
- 白菜 50g
- 舞茸 50g
- ブロッコリー 30g
- レタス 30g
※ここの野菜は、そのとき冷蔵庫にあるものでお好みで代用しても大丈夫
人長:お野菜は正直、これじゃなきゃいけないってわけじゃないんですよ。冷蔵庫にあるものでいいんですけど。でもまあ、この組み合わせは味がいいですよ、というおすすめパターンです。まずお野菜から切ります。最初からお肉を切るとまな板が汚れてしまいますので。
人長:白菜、使うのは50gなんで、2枚くらいですかね。これをピェンに切ります。ピェンとは中華料理の言葉で、「片」と書いてピェン。簡単に言ってしまうとスライス、薄切りにすることです。
──白菜みたいにもともと薄いものをこのサイズに切るのもピェンなんですね。「片」っていう字の意味を知ると切り方をイメージしやすいですね。
人長:包丁を寝かせて滑らせるように切る。切り口が斜めだと味がしみやすいし、口当たりも良くなりますね。
人長:舞茸は食べやすい大きさにカットします。50g使います。
人長:ブロッコリーは枝分かれしたところから1房ずつカット。30gぶんですね。
──人長さん、ブロッコリーはペティナイフで切るんですね。
人長:大きい包丁で切ると、切るつもりじゃなかったところまでポロポロ落ちてもったいないじゃないですか。
──そう、そうなんですよ。
人長:それと、大きな房は、火が入りやすいようにふたつに割ったり、芯に切れ目を入れておきます。同じ火入れにしたいんですよね。
──あっ、すごい。プロの「当たり前」はさりげないのに効果高いっすね。
人長:ブロッコリーの茎も、こうやって。まわりの硬い部分を外してもらって。ひし形に切って。
人長:こうやってきれいに切ると、売り物の食材になっちゃいますよ。甘みがあっておいしいので、僕らはこうやって使ったりします。
──ブロッコリーの芯を使うにしても、こうやって切るとステキですね。
人長:次はレタスですね。使うのは30g。
人長:芯をグッと押して、スポッと抜く。こうすると1枚ずつむけるんで。
人長:中華料理にはレタス包みの料理がけっこうあって。ウズラを1羽まるごと包丁で叩いて、ひき肉にして炒めたものとかがあるんですよ。それをレタス包みにしたりします。口の中がジャリジャリするんですよ、骨で。
人長:ここは手でちぎっちゃっていいです。このほうが簡単なんで。
牛肉を切ります
【水煮牛肉(2人前)の材料2:肉】
- 牛もも肉 100g
人長:次にお肉です。牛のもも肉を用意しました。これで2kgあります。でも使うお肉は100g。いいお肉である必要はないので、あまり奮発しなくても大丈夫です。ただ、スジが多いものはおすすめできませんですね。
人長:脂と肉の間にスジがあるので、スジと脂を取りますね。
人長:これも「片(ピェン)」にします。
──野菜も肉もピェンって言うんですね。
人長:切り方の言い方なので、同じなんですね。「牛肉・片」で「ニューロウピェン」ですね。
人長:切ったらこうやって包丁を寝かせる。こうすると包丁に張り付かないです。
──スライス済みの牛肉を買ってきてもいいんですよね。
人長:もちろんです。ただ、しゃぶしゃぶ用とかの薄いのよりは、もうちょっと厚みのあるものがいいですね。切り出してから重さを計りましょう。約100g。
人長:切りものはこれで終わりですね。
牛肉を「チャン」します
【水煮牛肉(2人前)の材料3:チャンの調味料】
- 塩 1g
- 醤油 小さじ2(10g)
- 胡椒 少々
- 料理酒 大さじ1(15g)
- とき卵 30g(Lサイズの1/2)
- 片栗粉 15g
人長:次にお肉をチャン(※下味をつけて、卵で包む)します。
──チャンは、青椒肉絲やエビチリの回でもやりましたね。
人長:お肉を柔らかくさせるための重要な工程ですね。繊維に、組織内に、味と卵を吸わせる。中に入った卵液を片栗粉で閉じてあげる。
牛のもも肉って、火を通すとどうしても固くなるんですけど、チャンすると火入れしたときに柔らかく仕上がるんで。
人長:お塩、ひとつまみ。1gですね。醤油が小さじ2。胡椒少々。料理酒を大さじ1。
人長:ここに卵を1/2個。30g。全卵です。まず1/3くらい入れます。一気に入れるとお肉がびっくりしちゃって「ちょちょ、オイオイオイ」ってなりますんで、少しずつ吸わせながらやります。
人長:やさしくモミモミしてください。もみながら吸わせるイメージです。
人長:卵を入れるとこうして下にたまっちゃうんですけど、もんでいるとお肉が吸っていくんですね。
人長:吸っていったら卵をまた足していきます。
人長:だいたい3回に分けて卵を入れました。卵があらかた吸われたら、最後に片栗粉を15g。これってちょっと多めなんですけど。
人長:なんのために入れるかって、水煮にしたときに牛肉にとろみをつけたいからなんです。後から水溶き片栗粉を入れるより、この段階で片栗粉でとろみをつけたほうがおいしく仕上がる。なので、チャンの段階でちょっと多めの片栗粉と卵を入れています。
人長:チャチャッとやさしくもんで、こんな感じで馴染んだらチャンOKです。
野菜を炒めます
【水煮牛肉(2人前)の材料4:野菜を炒める】
- サラダ油 大さじ1(10g)
- 鶏ガラ中華スープ(粉末を溶いたもので可) 少し
- 最初に切っておいた野菜(白菜 50g、舞茸 50g、ブロッコリー 30g、レタス 30g) ※ここの野菜は、そのとき冷蔵庫にあるものでお好みで代用しても大丈夫
- 塩 ひとつまみ
- 胡椒 少々
人長:お野菜を炒めます。フライパンに油をひきます。大さじ1。火を点けます。火力は全開です。火の通りにくいものから入れていきましょうね。
人長:舞茸さんを入れましょう。ブロッコリーの房も入れちゃいましょう。油が回ったら、白菜とブロッコリーの芯を入れます。
──ブロッコリーの芯はさっき飾り切りしたやつです。小さいので火の通りが早いのです。
人長:塩をひとつまみ。胡椒をパッパッパッパ。軽く下味程度で十分です。ここにちょい鶏ガラ中華スープを。
人長:鶏ガラ中華スープをちょっとだけ入れてあげることで、野菜から水分が出てくるんですよ。これは半身浴と同じ原理だと思うんです。
──半身浴。
人長:僕は半身浴が好きなんですけど、半身浴だけだとなかなか汗をかかないんです。で、お水を飲むと汗がすごく出るんですけど、たぶんそれと同じ効果だと思うんですよね。うんうん。
──同じかなあ。
人長:野菜から水分が抜けて、スープの水分が蒸気に変わって、野菜の中にスープのうま味がグンと入っていくんです。
──ははあ、蒸すみたいな感じで加熱されるんですね。
人長:蒸気って中に入りやすいんです。火傷も、火に直接当たるより蒸気の火傷が重傷化しやすい。それといっしょですね。
──火傷の喩えは、調理師としての経験からくる重みを感じます。
人長:これをちゃんとやってあげると、お野菜は短時間で火が通りやすくなります。ちょいスープの量は決まってないですけど、蒸気が上がるくらいですね。この野菜たちに火が通ったら……。
人長:火を止めてレタスを入れます。軽くパッパッパとあおったら、すぐにお皿に盛り付けちゃいます。
──早い。レタスを入れてからは10秒くらいでしたね。
人長:そうなんです。なぜなら、これから熱いスープを入れるので、この段階で火を通しすぎたくないんです。
辛いスープを作ります
【水煮牛肉(2人前)の材料5:辛いスープ】
- サラダ油 大さじ1(10g)
- ニンニクチューブ 小さじ1(5g)※フレッシュであればなお良し
- ショウガチューブ 小さじ1/2(2.5g)※フレッシュであればなお良し
- 鷹の爪 2〜3本
- 豆板醤 大さじ1(15g)
- 料理酒 大さじ1(15g)
- 豆鼓 大さじ1(7g)
※実は麻婆豆腐の調味料とほぼ同じなんです
- 鶏ガラ中華スープ(粉末を溶いたもので可) 200cc ※まず150cc入れて、足りなかったら全部使う
- 醤油 小さじ2(10g)
人長:辛いスープを作っていきます。というか実はこれ、途中までは麻婆豆腐と同じ味付けなんです。火は消した状態ですよ。野菜を炒めたのと同じフライパンに、サラダ油を大さじ1。
人長:ニンニクとショウガ。もちろんフレッシュの方が香りも良くておいしいですが、チューブのやつでかまいませんよ。鷹の爪を2~3本。輪切りでも良いです。
──記事の終わりに、フレッシュのショウガを包丁でみじん切りにする方法もおまけで解説していただきます。こだわりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
人長:豆板醤を大さじ1。
──ホントに材料は麻婆豆腐と同じですね。おいしさは折り紙付きですね。
人長:火を点けます。弱火です。
人長:焦がしたら苦くなっちゃうので。香りと辛みをちゃんと出してあげます。料理酒を入れます。水分が入ると焦げにくくなりますので。
人長:豆鼓を入れます。ここまでは麻婆豆腐と同じですね。
人長:麻婆豆腐の場合はここに唐辛子の粉と肉味噌が入りますが、今回は鶏ガラスープを入れます。200cc用意してますが、いったん150cc入れてください。味を見て、濃かったらスープを足す予定です。
人長:スープを入れたら火力全開にしますよ。
人長:醤油小さじ2。
人長:沸いたら火を止めて味を見ます。調味料が溶け切って、ちゃんと混ざった状態で味見をするんです。
人長:ちょっと濃いかも、と感じたので、残りのスープ入れましょう。これで200cc全部入りました。
人長:はい、味を再確認。うん! OKです。ここに、さきほどチャンしたお肉を入れていきます。
人長:僕が向こうで食べたときは、スープにホントにとろみがなくて、シャバシャバでした。たぶん、チャンしてるんだけど、片栗粉が少ないんだと思います。そういうのもあるので、シャバシャバ好きの人はチャンの片栗粉を減らしても大丈夫です。
人長:ここで「水煮」にしていきます。火は強火です。
──けっこうすぐに肉に火が入っちゃいますね。
人長:そうなんです。肉を入れて火が通ったと思ったら、すぐに火を消してください。というのは、牛肉は火を通しすぎると固くなっちゃうんですよね。
──シャバシャバだったスープに、片栗粉の力でとろみがついてきました。チャンのときの多めの片栗粉の効果はこれですね。
人長:見た目よし、香りよしですね。火を止めました。
人長:さっきの炒めた野菜を盛りつけたお皿に、このお肉を上からのせるように流し込んでいきます。
人長:いまの段階では、こんな感じですね。
お皿の中でラー油をつくります
【水煮牛肉(2人前)の材料6:仕上げの油】
- 一味唐辛子 大さじ2(お好みで)
- サラダ油 大さじ6(60g)
- 花椒(ホール) 適量
- 鷹の爪 2~3本
- 花椒(パウダー) 小さじ1
- パクチー 適量
人長:さてさて、ここに上から一味唐辛子をかけていきます。大さじ2。全体にまぶすように。
──なんだか大さじ2杯にしては多くないですか。
人長:はい? これで大さじ2杯です(と、おもむろにテーブルの下から追加の唐辛子を取り出し、さらにドバっとかける)。
──あああああ。
人長:いえいえ、これが僕の「大さじ2杯」です(笑)。でもね、食べればわかりますから。見た目とは裏腹に、ですから。お客さんもみんな見たときに「えー、なにこれ、やりすぎでしょ」ってなるんですけど、あとから「おいしかったー!」って言ってくれるんですよ。
まかないで作っても、スタッフのみんなが「ひゃっほーい!」ってなりますから。「ひゃっほーい!」って。ホントに。
──ホントかなあ。
人長:フライパンにサラダ油を大さじ6入れます。香りつけの花椒(ホール)と鷹の爪を入れます。辛いのが苦手な人は減らしてもいいです。この油を、さっきの唐辛子の粉の上に流し込んで「ジュワー!」とさせるわけです。
──いわば「お皿の中でラー油ができる」ということですね。ちなみに油の沸かし方は。
人長:180℃くらいですね。花椒や鷹の爪を入れると温度の目安になるんですよ。でも、焦がしちゃダメですよ。
人長:ちょっと色が出てきましたね。焦げると苦くなっちゃうんで、鷹の爪を取り出します。
人長:油をちょっとだけかけてみて、温度確認してもいいですね。
(シュー)
人長:この音だとまだ弱いんですよ。もうちょっと油を火にかけて、油の温度を上げてみましょう。そろそろかな。こうして熱した油を大さじ6、回しかけます。
(ジュワ~、ジュワワ~)
──おおお、いかにも食欲をそそる、この香り。辛そう。
人長:ほら、このお皿の中でラー油ができていますよね。四川省のお店だと、この一味唐辛子を入れずに、油に鷹の爪と花椒を入れて沸かしてジュッとかけるだけなんてのもあるんですね。
──食べる前にこれを見せると、盛り上がりますね。先ほどの野菜と牛肉にラー油っぽい風味をつける感じですね。
人長:唐辛子の粉を入れたところに熱々の油をかけて、ラー油っぽくする。この方が、香りも立ち上がってくるでしょと。
人長:仕上げに花椒(パウダー)をかけますね。中途半端が一番おいしくないってのがモットーなんで、ババッといきます。さらにお好みでパクチーをのせたら完成です。
食べましょう
人長:いただきます。
人長:即席の油が、いい具合にしたたってますよ。
──いい色! ラー油ができてますね。
人長:下のお野菜。ブロッコリーや舞茸もおいしそうでしょ。
人長:チャンした牛肉の「辛うまい感じ」がいいですよね。
──唐辛子の粉で、表面がガッサガサですもんね。
人長:これがおいしいんです!
──チャンした牛肉は下味もしっかりしててプルッとして。とにかく「チャンが大事」なんですね。しっとりして、柔らかい。あと、お皿のなかでちゃんとラー油ができているから、香りもビジュアルも刺激的でいいすね。
人長:おっと、このブロッコリーは危なそうですねー(笑)。
人長:うまい! タレを吸っててうまいです。舞茸も美味です。
──ブロッコリーと舞茸がうま味を吸ってますね。そりゃまあ辛いけど、これは辛いからおいしいやつ。ちょうどいい辛さです。もぐもぐ。パクチーもあったほうがいいですね、辛みの中で効いてくる。
人長:こんなに見た目は辛そうな料理ですけど、下のお野菜って軽く塩で炒めてスープをかけただけのものなんで、上の辛いお肉といっしょに食べることでちょうどよくなるんです。
──白飯もいいけど、ビールが抜群に合いそうですね。材料が同じでも麻婆豆腐とはかなり違うおいしさ。肉を煮たスープと野菜から出たスープが絶妙なので、最後にシメで麺を入れて、絡めて食べるのもオススメですね。
人長:今日も最高でありました。
[おまけ]ショウガをみじん切りにする方法
【番外編:フレッシュのショウガのみじん切り】
- ショウガ 分量外
人長:今回はおまけとして、ちょっとショウガを切るテクニックをご紹介しますね。おうちで作る場合はもちろんチューブのショウガでいいんですが、やっぱりフレッシュのものを使うと香りが格段に良くなるんで。
人長:ショウガをピェン(片)からスーに切って、最後にモォにします。スーは青椒肉絲の「絲(スー)」です。中華料理の言葉で、細く切ることですね。モォは「末」と書いて「モォ」。細かくみじん切りにすることです。
──これも「絲」「末」っていう文字通りの切り方すね。
人長:まずピェン。繊維に沿って切ります。
人長:指の腹で刃が入ってるところに触って。厚みを調整します。包丁が通過していくときに、指先に包丁の刃を感じられるんです。
人長:人間って、末梢のほうが毛細血管が多いので、敏感になってるので、なるべく指先でやってあげる。
人長:ピェンにできましたので、これをスーにします。
▲片(ピェン)になりました
人長:トントントントン。同じリズムで切ってあげて。
──細い! シャーペンの芯よりも細いですね。青椒肉絲の太めのスーもこの細いスーもスーなんですね。
人長:そうでスー。細切りにすることが「スー」ですね。水にさらしてあげるといいですね。
▲ショウガを絲(スー)にしたもの
人長:スーを束ねてみじん切り。これでモォになります。フレッシュなショウガをモォに刻むと香りが強めに出ておいしくできます。
▲スーにしたショウガをさらに切っていくことで、きれいな末(モォ)になります
人長:ショウガやニンニクのチューブを使って料理してもいいんですけど、ちょっと面倒でも仕上がりにこだわりたい方は、ぜひチャレンジしてみてほしいです。
撮影:平山訓生
お店情報
リバヨンアタック
住所:東京都中央区日本橋室町3-4-4 OVOL日本橋ビルB1F
電話番号:03-3548-0840
営業時間:ランチ/月曜日〜土曜日11:30~15:00(14:30 LO)、祝日11:30~14:30(14:00 LO)
ディナー/平日17:30~翌0:30※金曜日のみ翌1:00まで(23:00 FLO/24:00 DLO)、土曜日17:30〜翌0:00(23:00 FLO/23:30 DLO)、祝日17:30〜22:00(21:00 FLO/21:30 DLO)
定休日:日曜日(20名様以上のご予約の場合は、営業させて頂きます)
書いた人:鷲谷憲樹
フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。
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