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プロよりおいしく作れる 野菜料理の“ちょっとしたコツ”
身近な野菜で、プロよりおいしい野菜料理を作ってみませんか? 銀座の日本料理店「六雁(むつかり)」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、家庭だからこそ実践できる“ちょっとしたコツ”を教わります。
蓮餅(はすもち)の煮もの椀
今日はれんこんで作った蓮餅を椀種にした煮もの椀をご紹介します。煮もの椀とは聞きなれない言葉かもしれません。椀の名前ではなく料理の名前で、茶懐石の用語です。一般的な吸いものよりも大ぶりの椀を用いて、たっぷりの椀種にあしらいと香りの吸い口を添えて吸い地(薄味で調味した出汁)をはった料理を指します。
茶懐石において煮もの椀は一汁三菜の一菜で酒の肴として出され、飯と一緒に出される味噌汁などの汁ものとは位置づけが異なります。懐石の中の主役ともいわれ、食材の取り合わせに季節感を込めます。 かつては煮もの椀を味わえば料理人の腕がわかるなどと、まことしやかに言われたほど重要な料理でした。しかし、今は薄味の煮もの椀よりもわかりやすいおいしさで、かつインパクトのある魚や肉の料理のほうがありがたがられる風潮があり、料理する側としては寂しい気持ちになります。 力が入る料理なので器にもこだわり、多様な塗りや蒔絵、様々な趣向の煮もの椀が用いられます。菜盛椀(さいもりわん)とも平(ひら)ともいわれる煮もの椀ですが、もともとは、同色同塗り同意匠の四つ椀の一つでした。後にそれが四つ椀から離れていろいろな趣向の椀として発展しました。 今日は秋らしく月に雁の意匠の椀を用いました。「月に雁」といえば郵便切手にもなっている歌川広重の版画が有名ですね。広重が描いた月は満月ですが、この椀の月は右側が半分以上欠けており、今年の月齢では10月31日~11月2日くらいの月になります。雁は渡り鳥で昔から和歌の題材にされるなど、日本人にとって思い入れの強い鳥です。中国の故事では良い消息をもたらす使い、幸せを運ぶ鳥ともされています。 椀に描かれた雁に幸福ならぬ口福を運んでもらい、今日も野菜料理を楽しみましょう。
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