これからの新生活に合わせてPCが必要になったという人や、新生活ということでなんとなくPCが欲しいと思っている人は多いだろう。そんな状況の中、「新生活のPCこそ有機ELディスプレイを搭載するノートPCを選ぶべきなんです」とASUSから連絡が入った。新生活と有機ELにどんな関係が? と思うだろうが筆者ももちろん最初はそう思った。
というわけでASUSにそれってどういうこと? と詳しく確認するために有機EL搭載の14型モバイルノート「Vivobook Pro 14 OLED M3401QA」をお借りした。
ASUS一押しのこの製品は、ノートPCの画面で一般的な液晶ではなく、有機ELを搭載していながら10万円台の価格帯に抑えられており、後述するようにスペックも良いので確かにコスパは高そうだ。
なお今回は筆者のレビューのほかに、新生活を想定した20代のうら若き女性として、インプレスeスポーツ部が提供するストリートファイターV攻略企画「ガチくんに!」などでおなじみのタレント、奥村茉実さんにVivobook Pro 14を使ってもらった。一般的な方の視点として参考になるため、合わせてご覧いただきたい(奥村茉実さんの感想はこちら)。
[モデル: 奥村 茉実(浅井企画)]
今後数年は使えるVivobook Pro 14 OLEDのスペックは新生活に最適
実際にVivobook Pro 14 OLEDのスペックが新生活用のPCとして問題がないかを見ていく。筆者が考える新生活PCとして最低限必要なスペックが以下の表だ。
新生活用PCは最低限このスペックにしたい | |
---|---|
CPU | CoreまたはRyzenを搭載 |
メモリ | 8GB以上(ずぼらな人は16GB以上) |
ストレージ | 256GB以上のSSD |
ディスプレイ | 解像度が1,920×1,080ドット以上であること |
CPUは8コア16スレッド動作のRyzen 9 5900HXを搭載している。高負荷時のブーストクロックは4.6GHzにもなり、ノートPC用としてはかなり高性能なCPUだ。このCPUを搭載していて性能に不足を感じるシチュエーションというのはあまり想像できない。あらゆる用途に対応できるだろう。
なお、GPUについては、CPU内蔵のRadeon Graphicsが使われている。十分な性能を持っているGPUなので、一般的な動画編集や画像処理で性能に不満を感じることはまずない。さらに、軽い3Dゲーム程度なら遊ぶことも可能だ。
メモリは16GBを搭載しており、こちらも問題ない。ストレージは512GBのSSDで、動画を大量に保存する必要がある場合は別だが、それ以外でこれだけの容量がいっぱいになることもそうそうない。
最後にディスプレイだが、Vivobook Pro 14 OLEDは2,880×1,800ドットの14型サイズで、フルHD(1,920×1,080ドット)以上の解像度なので、高解像度を生かして画面を広く使うことができ、資料作成や画像編集など様々な作業をより快適にこなせるだろう。さらにリフレッシュレートが90Hzとなっているので、一般的な60Hzの製品よりも高速な表示が可能だ。
Vivobook Pro 14 OLEDは、新生活PC用の最低限のスペックを大幅に超えており、かなり上のレベルの製品となっている。高いスペックには今現在得られる快適さだけでなく、長期間に渡って性能に不足を感じさせないというメリットがある。これだけのスペックなら、少なくとも数年間は不足を感じないはずである。
モバイルノートながら、インターフェイス類もUSB Type-CとType-Aと一通り揃っており、使用で困ることはまずない点も安心できるところだ。
なお、Vivobook Pro 14 OLEDの詳細なスペックについてはこちらのページで確認できる。同じく有機ELディスプレイを搭載する15.6型のVivobook Pro 15も掲載しているので、合わせてご覧いただきたい。
なぜ有機ELディスプレイが新生活に最適なのか?
皆さんはどれくらいの期間でPCを使うだろうか。学生なら卒業するまで? 社会人なら3年程度? もしくはもっと長期間? 壊れるまで使いたいという人も多いことだろう。
では長い期間ノートPCを使う場合、最も長く目に入る部分はどこだろうか? そう、ディスプレイだ。これから何年間も見続けることになるディスプレイなのだから、長く使っても古さを感じさせない、いつまでも高い満足感が得られるものの方が良いに決まっている。そこで、有機ELということである。
液晶は、その後ろからバックライトで照らして、透過する光で画面を表示するディスプレイだ。一方有機ELは、発光する有機EL素子で画面を表示する。そのため、液晶が黒色の表示や正確な色の表示が難しいのに対して、有機ELは真っ黒を表示でき、正確な色を比較的容易に見せることができる。
有機ELディスプレイに対して「結局画面が少し綺麗なだけでしょ」と思う人もいるだろうが、その画面が綺麗なだけということが、ノートPCにとって非常に重要なのである。
学校で使うからとか、会社の資料を準備しなければならないとか、テレワークに必要とか、新生活のためにPCが必要な理由は人それぞれだろう。だが、筆者も含めてほとんどの人は、結局は動画を見たり画像を見たりWebサイトを見たりする時間が一番長くなるのだ。
特に動画はすごい。有機ELディスプレイで見る動画は。これに慣れてしまったらもう液晶ディスプレイには戻れない。これから何年間も動画を見るノートPCに、液晶ディスプレイを選ぶ理由なんて何一つないのである。
これまで見えなかった部分が見えるぞ! これが有機ELか
では、有機ELを搭載しているVivobook Pro 14 OLEDが本当に液晶と比べて何が良いのか、実際のところを見ていこう。
なお、動画や画像などを見るまでもなく、PCを起動すれば有機ELのすごさはすぐに分かる。彩度が高く、画面がハッキリクッキリしている。なんでもない、いつものWindows画面が、今までに見たことがないくらいメリハリがある綺麗なWindows画面になっている。
しかし、それにしてもちょっとおかしいと感じるレベルで綺麗なので、冷静になってみた。前述したように、Vivobook Pro 14 OLEDの解像度は2,880×1,800ドットと一般的なフルHDよりも高い。つまり普段見ているフルHDノートよりも1ピクセルが小さくてdpiが大きいので、より精細に見えているのだ。
動画などを見る時は、有機ELの発色の良さだけでなく解像度による精細さも大きな魅力になるので、色だけでなく精細な画面も求めるのならVivobook Pro 14 OLEDを選ぶといい。
Windows画面でさえ液晶との差を感じるくらいなので、動画や写真ではもっと歴然とした差を実感する。共通しているのはやはり彩度の高さとハッキリとした表示だ。
そしてWindows画面では分からなかったことだが、動画や写真では色がとても鮮やかに見える。彩度の高さについては、例えるならディスプレイに貼られた保護シートを剥がした時のような感覚だ。現実感があるというか、映像がよりリアルに感じられる。ディスプレイってこんなに綺麗に表示できるんだ、という感動がある。
逆に言えば、有機ELを見た後に液晶を見ると、薄い保護シートのようなものが貼られているように感じてしまう。それくらい、有機ELでは全体的色合いが綺麗に見えるのだ。
また、彩度が高いことと関係している部分でもあるが、赤色や黄色や緑色などが特に鮮やかに見える。花や木々が生えている山、様々な色の看板がある街並みなど、すべてが鮮やかでリアルに感じられる。今まで液晶で動画や画像を見ていたことに対して、ちょっと損した気分になってしまうほどだ。
ほかに、有機ELの真骨頂とも言える黒色の表現が液晶とはレベルが違う。本当に真っ黒に表示されるのだ。また、暗い場面の表現力が桁違いで、例えば夜の路地裏の場面が出てくる映画や、写真なら花火や夜景などが細部までキチンと表示される。
液晶では何も表示されていなかったと思っていた部分に、実は壁の模様や建物の輪郭があったということに有機ELで初めて気付かされるなんてことも起こる。まさに表現力が違うのだ。今までに見た映画や過去に撮影した写真などをもう一度有機ELで見直したくなってしまう。
Vivobook Pro 14 OLEDは、動画を頻繁に見る人や写真や画像を見ることが多い人にとって、とても幸せな体験をさせてくれるノートPCである。映画やドラマ好きの一人として、皆様にもこの綺麗さをぜひ体験してほしい。
鮮やかなだけではない、正しい色を表示できる色再現力
さて、色補正されていることを疑うほどに鮮やかで鮮やかな色で表示されるVivobook Pro 14 OLEDだが、ディスプレイ上で正確な色を表示できることを保証するPANTONE認証を取得している。
PANTONE認証というのは、デザインや印刷や製造分野などで使われている色見本の色を、色見本通りに正確に表示できることを保証する認証だ。この認証を取得しているため、色を扱う仕事にも対応できるだけの色再現性能を持っている。また、広色域にも対応しており、DCI-P3カバー率は100%、sRGBカバー率では133%を実現している。
色とは関係ないが、ほかにもHDR規格のDisplayHDR 500 True Blackの認証を取得しているので、HDRコンテンツに対応可能だ。ちなみに最大輝度は600cd/平方mで、DisplayHDR 500 True Blackが定める500cd/平方mを大きく超えている。
コントラスト比は100万:1もあり、一般的な液晶ディスプレイが1,000:1であることを考えると驚異的だ。一目見て分かるほどに表現力が豊かなことにもうなずける。応答速度は0.2msと高速なので、アクション映画やスポーツ動画といった動きが速い映像でも画面をハッキリと表示できる。
また、目への負担を和らげるブルーライト抑制機能のほか、有機ELの焼き付き対策機能も搭載。焼き付き対策については、以下のASUS ZenBookシリーズの関連記事で詳細に紹介しているので、そちらをご覧いただきたい。
テレワークやオンライン授業にもバッチリ対応
昨今の社会状況では、新生活でいきなりオンライン授業になったりテレワークになったりという人も多いだろう。というわけで、Vivobook Pro 14 OLEDのテレワーク対応度を見てみる。
Vivobook Pro 14 OLEDとVivobook Pro 15 OLEDは最新のノートPCということでテレワーク向けの機能も搭載している。それがAIノイズキャンセリング機能だ。この機能は名前の通りノイズキャンセリング機能なのだが、なんと自分の声にだけでなく、相手から送られてくる声にもノイズキャンセリングをかけることができる。これにより、快適な音声チャットが可能になるわけだ。
AIノイズキャンセリング機能は音声チャットの形態に合わせて複数の設定が用意されており、ノートPCの前で話している人以外の声や音をフィルタリングすることや、逆にノートPCの周囲で話している人の声をすべて同じ音量で取り込むことなどができる。
例えば、部屋の中で複数人で1台のVivobook Pro 14 OLEDを使ってビデオチャットをするような場合に、ノートPCの前にいる人の声と、窓際などの離れた場所にいる人の声を、ビデオチャットの相手にほぼ同じ音量で聞かせることができ、より自然でやり取りのしやすい環境を実現する。
ほかにはテレワークで使う機能としてWebカメラがあるが、こちら物理的にWebカメラのレンズを隠すことができるプライバシーシールドを搭載している。急いでカメラをオフにしたい時などに活躍する装備だ。
画面が明るいので屋外でも快適に使える
Vivobook Pro 14 OLEDの屋外での視認性だが、輝度が液晶よりも明るい有機ELということもあり、まったく支障なく使える。
画面の表面処理が光沢があるタイプなので映り込みが心配だったが、実際はハーフ光沢っぽい表面処理になっており、思ったほど映り込みもない。これなら太陽が出ている屋外はもちろん、明るいカフェや部屋の窓際などでも安心できる。
なお、屋外での使用で気になるバッテリ駆動時間は、Vivobook Pro 14 OLEDの公称値では約10.9時間となっている。筆者が使用した際の実際の駆動時間は、動画を見たり原稿を書いたりPDFで資料を見たりWebブラウザで調べ物をしたりといった使い方で約7時間も使用できた。実際にこれだけ使えれば十分だろう。
充電時間については、バッテリ切れからそのまま使用しながらコンセントに接続して充電を行なった場合で、約2時間18分の時点で満充電となった。90%までは1時間20分で充電できたので、かなり高速な充電速度だ。
万が一でも安心の手厚いサポート。無料で入っておけるのがミソ
ASUSの製品では、通常の1年間の製品保証のほかに、製品保証と同じ期間の1年間について、故障内容を問わずに格安で修理を行なえる「ASUSのあんしん保証」というサポートサービスを行なっている。
別途登録は必要になるが、例えば落として壊してしまったり水没して壊してしまったりといった通常では全額自己負担になる故障に対しても、修理にかかる部品代の20%の料金で製品を1回修理できる。検証費や工賃はかからないので、必要な費用は修理にかかった部品代の20%のみだ。
このサービスは登録が無料なところも、他社製品にはないASUS製品の大きなアドバンテージとなっている。また、製品購入後60日以内に1万4,800円を支払うことでこのサービスの保証期間が3年に延長され、1年に1回、3年で計3回まで完全無料で修理を受けられるようにできる。こちらの有料サービスは部品代もかからないので修理に関しては完全無料だ。
ノートPCを持ち歩くことが多い人は、もしもの機会が意外と訪れるかもしれないので加入の検討をすると良いだろう。
新生活だけでなく次の新生活まで使えそうなお手頃ノート
これまで見てきた通り、ASUSが新生活用に一押しするVivobook Pro 14 OLEDは、どこから見ても十分に新生活に対応できる製品だった。
価格も、有機ELを搭載していることを考えるとかなりリーズナブルな設定で、画面の綺麗さの分だけちょっと上乗せして思い切って買っちゃおうと思える程度には抑えられている。
冒頭で、新生活用のノートPCに最低限求めたいスペックという話をしたが、Vivobook Pro 14 OLEDはそれを大きく上回っており、向こう何年間か使い続けても不満を感じることはまずないと言える性能を持っている。
ちょっとケチってギリギリのスペックを狙っていきたいという人を除けば、Vivobook Pro 14 OLEDを選んでおけば当分の間は次のノートPCを考える必要はない。新生活を迎えて何年間か使い、就職や転職や結婚などで次の新生活を迎える時にもまだ使っていられるだろう。
すごく画面が綺麗で、かなり性能が良くて、液晶を搭載したほかのノートよりもちょっと幸せな気分にさせてくれるVivobook Pro 14 OLEDは、新生活のお供としてはなかなかナイスな選択だと思う。
なお、最初の方で少し触れたが、最後により大きな15.6型有機ELを備えた「Vivobook Pro 15 OLED M3500QA」(直販価格12万9,800円~)も販売されているのでこちらにも注目したい。
からの記事と詳細 ( 有機ELは最高だ!いまノートPCを選ぶなら有機EL一択かも - PC Watch )
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