Pages

Tuesday, April 12, 2022

報道ベンチャーがリスニングツールに参戦 n=1、千3つを抽出 - 日経クロストレンド

tahupedascabe.blogspot.com
インサイト創出術 第3回

報道テックベンチャーのJX通信社が2022年2月、ソーシャルリスニングツール「KAIZODE(カイゾード)」の本サービスを開始。マーケティング支援以外の業界からの参入は異例だが、SNSの膨大な投稿から事件・事故関連投稿を抽出するノイズ除去技術を応用し、見落としがちなインサイトを拾い上げる。顧客理解の“解像度”は高まるか?

解像度が高くなると見えてくるものがある!?(写真/Shutterstock)

解像度が高くなると見えてくるものがある!?(写真/Shutterstock)

記者ゼロ人の通信社がソーシャルリスニングツールを提供

 「記者ゼロ人の通信社」の異名を持つ、知る人ぞ知る報道テックベンチャー、JX通信社(東京・千代田)。今や誰もがスマートフォンを持つ時代、目の前で事件・事故が発生すれば、それをリアルタイムで実況ツイートする「誰でもメディア時代」になっている。「○○の近くで火災」「病院にクルマが突っ込んだ」といった現場の目撃者のツイートをAI(人工知能)が抽出し、デマ・フェイクの可能性も判断したうえで、確度の高い情報を契約先の報道機関や自治体などに即時配信する。このサービス「FASTALERT(ファストアラート)」の浸透によって、テレビ各局のニュース番組で「視聴者提供」の動画放映が定着した。

JX通信社のソーシャルリスニングツール「KAIZODE(カイゾード)」

JX通信社のソーシャルリスニングツール「KAIZODE(カイゾード)」

 そんな同社が2022年2月、マーケティングリサーチ業にも名乗りを上げた。提供を開始したのは、ソーシャルリスニングツール「KAIZODE(カイゾード)」。顧客理解の“解像度”を高める、という意味合いだ。

 特集第1回でも触れたが、マーケティングリサーチのグローバルな業界団体であるESOMAR(European Society for Opinion and MArketing Research、ヨーロッパ世論・市場調査協会)が、リサーチ業界の業務領域定義を「インサイト産業」へと拡大した。そのインサイト産業を構成する8セグメントの1つに、「ソーシャルリスニングコミュニティー」がある。コミュニティーサイト構築やソーシャルデータの分析といったサービス内容で、KAIZODEはこのセグメントに含まれる。

 オンライン上の消費者の声を拾って分析するソーシャルリスニングツールは、SNSの普及とともに開発、企業の導入が進んできた。国内では、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(東京・品川)提供の「Buzz Finder」、ホットリンク提供の「BuzzSpreader Powered by クチコミ@係長」などが知られている。分析に特化したものから、自社SNSアカウントの運用効率化を兼ねるものまで、国内だけでも10を超えるツールが出ている。提供元は基本的にマーケティング支援企業である。

 それだけに報道ベンチャーからのリスニングツール参入は異色に映る。だが決して畑違いな領域に進出したわけではない。情報の海の中から確からしい事件・事故関連投稿を抽出する技術を、確からしいインサイトの抽出に応用している格好だ。21年4月に「FASTALERT」の兄弟ブランドとして「FASTALERT for Marketing」のβ版サービスを開始し、今般、KAIZODEの名称で本格ローンチに至った。インサイト分析のデコム(東京・品川)から同社マーケティングマネージャーに転身した、データサイエンティストの松本健太郎氏が開発をリードしてきた。

 ではKAIZODEは既存のソーシャルリスニングツールとどの辺りが違うのか。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 報道ベンチャーがリスニングツールに参戦 n=1、千3つを抽出 - 日経クロストレンド )
https://ift.tt/6YDQkL1

No comments:

Post a Comment