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Saturday, September 9, 2023

AWSは生成AIをどう取り込んでいるのか?「QuickSight」「Bedrock ... - ビジネス+IT

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注目が集まる生成AIだが、エンタープライズ向けツールへの統合も進んでいる。この動きを牽引するのはマイクロソフトやグーグルだが、アマゾン(AWS:Amazon Web Services)も力を入れ始めており、BIツール「Quick Sight」への機能追加、AIプラットフォーム「Bedrock」の拡張、ヘルスケア分野に特化したAIツール「AWS HealthScribe」の発表などを行っている。今回は生成AIでやや出遅れている印象を持たれがちなAWSにフォーカスを当てた。

執筆:細谷 元

執筆:細谷 元

バークリー音大提携校で2年間ジャズ/音楽理論を学ぶ。その後、通訳・翻訳者を経て24歳で大学入学。学部では国際関係、修士では英大学院で経済・政治・哲学を専攻。国内コンサルティング会社、シンガポールの日系通信社を経てLivit参画。興味分野は、メディアテクノロジーの進化と社会変化。2014〜15年頃テックメディアの立ち上げにあたり、ドローンの可能性を模索。ドローンレース・ドバイ世界大会に選手として出場。現在、音楽制作ソフト、3Dソフト、ゲームエンジンを活用した「リアルタイム・プロダクション」の実験的取り組みでVRコンテンツを制作、英語圏の視聴者向けに配信。YouTubeではVR動画単体で再生150万回以上を達成。最近購入したSony a7s3を活用した映像制作も実施中。
http://livit.media/

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アマゾンは生成AIで巻き返しを図れるのか

(Photo:Koshiro K / Shutterstock.com)

アマゾン、BIツールに生成AIを統合

 AWSは2023年7月末に開催したAWS Summit New Yorkで、同社が展開するビジネスインテリジェンス(BI)ツール「QuickSight」に生成AI機能を追加することを発表した。

 QuickSightとは、AWSがクラウドで提供するBIツールだ。データ分析、インサイト、ビジュアル作成などが行える。

 発表によると、このQuickSightに生成AIの機能が実装され、自然言語でのビジュアル作成や微調整ができるようになるという。特定の構文を必要とせず、自然言語コマンドで、さまざまな計算・ビジュアル作成が可能となる。

 QuickSightのホームダッシュボードでは近々、トップツールバー近くに「Ask Q」というドロップダウンオプションが登場する。これをクリックすると、ユーザーはビジュアル作成したいデータに関する説明を求められる。その説明をもとにビジュアルが生成され、それをフィルターやメトリック変更などで微調整することもできる。

 AWSによると、この生成AIを活用した新機能では、「ストーリー」も生成できるようになる。ストーリーとは、グラフ、データ、テキストを交え生成された「ビジュアルナラティブ」で、新規顧客の獲得や顧客離脱の削減など、企業が直面する一般的な課題に関するトピックでの利用が想定されるという。

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QuickSightでのAI利用イメージ

AIプラットフォーム「Bedrock」にAIエージェントを導入

 AWS Summit New Yorkでは、同社が4月に発表した生成AIプラットフォーム「Amazon Bedrock」を拡張することも発表された。

 Bedrockとは、生成AIのファンデーションモデルを活用して、AIアプリケーションを構築・スケールするためのプラットフォーム。このプラットフォームでは、アマゾンが同じタイミングで発表した自社開発のファンデーションモデル「Amazon Titan」のほか、AI21 Labs、Anthropic、Stability AIなど、複数のAI企業が開発する生成AIモデルにアクセスでき、それらを活用してAIアプリケーションの開発・スケールが可能となる。

 たとえば、AI21 Labsが開発するJurassic-2ファミリーの多言語対応・大規模言語モデルでは、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語など複数の言語に対応した生成AIアプリを構築することができる。

 Anthropicは、OpenAIの元研究者らが立ち上げたAIスタートアップで、ChatGPTに対抗するチャットボット「Claude」を開発しており、最近長文対応においてChatGPTを凌駕する最新モデル「Claude2」を発表したばかりだ。

 さらに、画像生成AI領域でMidjourneyとともに二強の座にあるStability AIも7月末に、最新モデル「Stable Diffusion XL 1.0」をリリース。実写性が大幅に向上し、写真と見分けのつかない高品質なフォトリアル画像の生成が可能となった

 このように注目を集めるスタートアップが開発するさまざまな生成AIモデルにアクセスできるBedrockだが、今回のサミットでは、同プラットフォームに「Agents」のプレビュー版がローンチされたことが発表された。

 Agentsは、独自のデータに基づいてパーソナライズされた回答を生成し、アクションを実行する会話エージェントを作成する機能。

 TechCrunchは、AWSの機械学習担当者の話として、Agentsを利用することで、顧客サービス向けのチャットボットを作成し、内部情報(顧客プロファイルや返品ポリシーなど)に基づき、各注文のカスタマイズなどが可能になると伝えている。

 Agentsを作動させるAIモデルは、AWSが自社で開発したTitanモデルをベースとしているが、このAgentsの発表と同じタイミングで、サードパーティーの最新AIモデルがBedrockライブラリに追加されたことも明かされており、将来的にサードパーティーモデルをベースとするAgentsが登場する可能性もある。

 今回Bedrockライブラリに追加されたのは、上記でも触れたAnthropicの「Claude2」やStability AIの「Stable Diffusion XL 1.0」など一連の最新モデルとなる。 【次ページ】ヘルスケアに特化した生成AIツールも発表

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