小学生向けタブレット「Fire HD 10 キッズプロ」
(出所:アマゾンジャパン)
文部科学省の「GIGAスクール構想」が開始されたのは2020年、小中学校の生徒1人につき1台のタブレットが配布されました。それに伴い、家庭でのタブレット所有率も大幅に増加しています。NTTドコモ モバイル社会研究所の調査※によると、2020年の家庭でのタブレット所有率は小学校低学年で27%だったのに対し、2021年では54%に達しています。そのほかの学年でも同様に、5割近くにまで到達しています。
※NTT ドコモ モバイル社会研究所「小中学生のタブレット・パソコン利用率約9割 わずか1年で約3倍に」(https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20220511.html)
文部科学省が推進するGIGAスクール構想では、Windows、ChromeOS、iPadOSの3種類のOSが推奨されています。しかし、家庭で子どもが使うタブレットとしては、Fire OSを搭載したアマゾンの「Fire HD タブレット」という選択肢もあります。
2023年9月、新モデル「Fire HD10」に子ども用カバーと子ども向け定額サービス「Amazon Kids+」が付いた「Fire HD 10 キッズモデル」と「Fire HD 10 キッズプロ」が発表されました。これまで、未就学児向けのキッズモデルは販売されていましたが、今回はそれより上の年齢である小学生に向けたキッズプロの国内販売が始まったのです。
キッズモデルにはクッション性の高い分厚いカバーが付属しますが、キッズプロは薄くて軽いカバーです。タブレット自体は大人も利用できるFire HD 10で、10.1型のディスプレイ、最大動作周波数2.05GHzのオクタコアプロセッサーを搭載、別売のスタイラスペンで描画もできます。大人と子どものプロフィールをそれぞれ作成して、プロフィールを切り替えながらの利用も可能です。子どものプロフィールに年齢を設定し、ふさわしいコンテンツが表示されるようにできます。
楽しみながら学びたい
サブスクリプションに加入すれば、Amazon Kids+で提供される絵本や新聞、ビデオ、学習アプリも使えます。キッズプロのリリースに伴い、「朝日小学生新聞」のアプリや知育アプリ「ワオっち!」シリーズなどのコンテンツが追加されました。
ペアレンタルコントロール機能では、利用時間の管理や毎日の学習目標を設定でき、Webブラウザーに関してもフィルタリングが可能です。
キッズプロを販売する背景としてアマゾンジャパンは、「約70%の保護者がエデュテインメント(楽しみながら学ぶ)を取り入れたい」と回答し、「タブレットを使ってする学習」を楽しいと答えた子どもが62.2%にも上ったことを挙げています。米国ではエンターテインメント性に特化していますが、日本では子どもの自発的な学びや遊びを中心にサポートしているそうです。
アマゾンのタブレット全般に言えることですが、同製品が採用しているFire OSではグーグルの「Playストア」のアプリが使えないため、普段使っているアプリがある場合には不便に感じるかもしれません。しかし、手ごろな価格で家族用タブレットが入手でき、アマゾンの豊富なコンテンツを子どもに見せられるのは同製品ならではのメリットと言えます。私は、学習アプリを一定時間使うとエンタメアプリが利用できるようになる設定が、アマゾンタブレットならではの良さの一つだと考えています。
タブレットを長時間利用しても、良質な本や知育アプリなどを使った学習であれば、歓迎する保護者は少なくないでしょう。子どもに安心して手渡せるタブレットが、今後も増えてほしいと思います。
出典:日経パソコン、2023年11月27日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
からの記事と詳細 ( 第128回 小学生にも安心して持たせられるタブレット - 日経BP )
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