
これだけある 世界の「名前だけ」ご当地料理
「ベイクド・アラスカ」「ロンドン・ブロイル」「シンガポール・ヌードル」と、都市や国の名前が付いた「ご当地料理」は数々ある。さぞかし、その土地で古くから親しまれている料理と思うだろう。 ギャラリー:世界各国の「食」の風景 写真27点 だが実は、現地とは関係なく、料理に地名が付けられる例も少なくない。例えば、アイスクリームケーキの「ベイクド・アラスカ」は1867年、米国がロシアからアラスカを買収したことを記念し、ニューヨークのシェフが考案したものだ。 料理の名前はたいてい、お客さんの心を動かすために付けられる。「消費者の価値観と共鳴する何かを生み出したい、ライバルに差を付けたいと考えるのです」と、米パシフィック大学で食の歴史を研究するケン・アルバーラ氏は話す。「土地との結び付きは強力なアイデンティティーになります。たとえそれがつくり上げられたものでも」 純粋な無知から名前が付くこともあるとアルバーラ氏は言う。「例えば、人々は最初のころ、七面鳥『ターキー』料理はトルコからやって来たものだと思っていましたからね」
「チキン・キエフ」はどこからやってきた?
こうした「名前だけご当地料理」の格好の例が「チキン・キエフ」だ。これは味付けしたバターを鶏肉で巻き、パン粉を付けて揚げたカツレツで、ぜいたくかつ危険な料理でもある。ナイフを入れるとき、熱いバターが飛び散らないよう気をつけなければならない。ところがこの料理、キエフがあるウクライナ生まれではない。 米国オレゴン州でロシア料理店カチカを営むボニー・モラレス氏が、初めてチキン・キエフを食べたのは1990年代、両親が出してくれた冷凍食品だった。モラレス氏の両親はベラルーシ(ウクライナの隣国)出身だが、故郷でチキン・キエフという名前すら聞いたことがなかった。「ベラルーシの人々が家庭でチキン・キエフを作ることはないでしょうね」とモラレス氏は言う。 モラレス氏の店では今、チキン・キエフは人気料理になっている。「本格的なロシア料理は米国で受け入れられないと思い、米国人受けする料理を提供することにしたんです」とモラレス氏は振り返る。「結局のところ、チキン・キエフは真ん中にバターが入ったフライドチキンにすぎません。でも、これを嫌いな人はいないでしょう?」 チキン・キエフはウクライナ発祥ではなかったものの、19世紀後半にはロシア帝国の貴族が好んで雇っていたフランス人シェフたちによって、ロシア人の食卓に登場し始めたようだ。おそらく当初は主に豚のひき肉を使用していたと思われるが、子牛のひき肉や鶏ひき肉を使うこともあったようだ。 この鶏肉のレシピが20世紀初め、ロシアの観光客向けホテルチェーンで人気となった。1960年代には名前も「チキン・キエフ」と西洋化され、薄く伸ばした鶏胸肉を使うようになった。そして、お洒落な英国風、米国風ディナーパーティーの主役を務めるようになった。 一方、キエフでは1970年代まで、シェフたちがこの料理に注目することはなかった。しかし、旅行者がレストランでリクエストするようになり、その期待に応えるため、キエフは「チキン・キエフ」を受け入れた。 現在のキエフでは、アメリカンドッグのように手に持って食べられるチキン・キエフや、フォアグラとカリフラワーのムースでドレスアップしたチキン・キエフなどを味わうことができる。今では街を象徴する料理となり、2018年には街の中心部にほぼ原寸大のブロンズ彫刻まで現れた。そしてそのすぐそばには「チキン・キエフ」という名のレストランがある。
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August 15, 2020 at 05:20AM
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地名の付いた料理は、本当にそこの名物なのか?(ナショナル ジオグラフィック日本版) - Yahoo!ニュース
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