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Friday, November 13, 2020

英首相、対EU強硬の参謀を解任 離脱後交渉に転機も - 日本経済新聞

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英首相官邸のカミングス上級顧問はジョンソン首相の懐刀とも呼べる存在だった=ロイター

英首相官邸のカミングス上級顧問はジョンソン首相の懐刀とも呼べる存在だった=ロイター

【ロンドン=中島裕介】英国のジョンソン首相は13日、自身の参謀役として知られ、欧州連合(EU)離脱キャンペーンも主導したドミニク・カミングス上級顧問の解任を決めた。複数の英メディアが報じた。同じく離脱推進派で首相官邸の報道担当幹部も解任する。対EU強硬派の側近を政権中枢から外したことで、難航するEUとの将来関係を巡る交渉の転機となる可能性もある。

英紙フィナンシャル・タイムズはジョンソン氏が13日にカミングス氏に首相官邸を出るよう言い渡したと報じた。カミングス氏は12月まで残務を自宅から続けた後に職を退く見通しだ。

カミングス氏は2019年7月のジョンソン政権誕生以降、政権運営の節目で戦略立案を担い、陰の実力者として君臨していた。ただEUだけでなく政府の官僚組織や英議会議員にも極めて懐疑的で、政府高官や与党・保守党議員の間では同氏の重用に不満が高まっていた。英メディアでは解任により、対EU交渉だけでなく政権の政策もリベラルな方向に変化するとの見方が出ている。

解任の理由は明確になっていないが、官邸内の内紛が原因とみられる。今回解任した報道担当幹部のリー・ケイン氏を昇格させる人事案が浮上した際に、ジョンソン氏が官邸内の穏健派の肩を持ち、これを阻止したことが内紛の引き金になったとの報道もある。

1月末にEUを離脱した英国は離脱の移行期間中の年末までに、EUと自由貿易協定(FTA)など将来関係交渉のとりまとめを目指している。交渉は難航中で妥結しなければ、年明けに関税の上昇などで英経済に打撃となる可能性がある。

英政権が対EU交渉で大きな妥協を準備している可能性があり、その意見の対立が解任につながったとの臆測もある。ただカミングス氏も官邸の関係者も、妥協の可能性や臆測を否定している。

カミングス氏は16年のEU離脱を問う国民投票で、「テーク・バック・コントロール(主導権を取り戻そう)」というスローガンを考案し、ジョンソン氏らが率いる離脱派を勝利に導いた。19年12月の総選挙でも与党の大勝をもたらし、ジョンソン氏の参謀役としての地位を固めていた。

だが5月には新型コロナウイルスの外出制限が英全土に課されている最中に、400キロ以上離れた親類宅を訪ねたことが明らかになり国民の批判を受けるなど、同氏の神通力に陰りも出ていた。

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