新型コロナウイルスの感染拡大を受けた国の緊急事態宣言により、飲食店が休業や時短営業を余儀なくされる中、テークアウトの料理や弁当をドライブスルー方式で販売する動きが、岐阜県内のホテルや旅館で出ている。車で来た客が乗降する既存の屋外エントランスを有効活用できる上、ホテルの本格的な料理を手軽に購入してもらえる利点がある。ホテル側はドライブスルーでのテークアウトを新たなサービスと捉え、コロナ禍の収束後にホテルを利用してもらうきっかけにする狙いもある。
都ホテル岐阜長良川(岐阜市長良福光)は20日からサービスを開始する。JR岐阜駅周辺のホテルに比べて広い正面玄関前のエントランスを商品の受け渡し場所として活用する。従来のホテル利用客よりもターゲットを広げ、20~40代に訴求するメニューを開発。レストラン、日本料理店、中国料理店を直営する強みを生かし、飛騨牛のハンバーガーやステーキ丼、国産うなぎ丼、中国料理のテークアウトバイキングといった本格的な料理を取りそろえる。ニーズを見て新たなメニュー開発も検討する。
同ホテルの釜谷祥成総支配人は「店内で食べることを避けつつ、ホテルの料理を楽しみたい人はいる」とみる。ドライブスルーを新規客開拓と商圏拡大につなげたいとの考えを示し「コロナによってサービスの提供の仕方が変わる。(ドライブスルーを)新しいホテルの利用方法の一つとして定着させたい」と語る。
ホテルグランヴェール岐山(同市柳ケ瀬通)は1月末~3月末の土日限定でサービスを展開。開始当初は苦戦したが、徐々に認知度が上がり、今では30代以上の客を中心に1日25~30食の注文が入るようになった。今後は目標の1日50食に向けてPRに注力する。担当者は「落ち込んだホテルの売り上げのカバーというより、コロナ禍後にホテルを利用してもらうことを見据えた話題作りの側面が大きい」と狙いを口にする。
昨春から実施する旅館いち川(恵那市大井町)は、ロードバイク愛好者から注文が入るなど徐々に利用者の裾野が広がってきた。若女将(おかみ)の市川祥子さんは「新たな取り組みを始めたことで旅館の情報発信にもなった。ドライブスルーを知ってもらったり、要望を届けてもらったりすること自体が手応えになる」と語る。
からの記事と詳細 ( ホテルの料理をドライブスルーで提供 客層拡大の狙いも - 岐阜新聞 )
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