これまで、ゲーミングディスプレーで採用されてきたパネルは、人気のIPS方式ではなくTN方式やVA方式が主流だった。その理由の1つとして、パネルの応答速度が遅いと、動きの速いゲーム画面では残像が気になりプレイしづらくなるためだ。
ただ、色味や視野角といった点ではIPS方式のほうが優位なため、ゲーミング以外では幅広く使われている。こうした状況の中、エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)では、IPS方式でも高応答速度タイプのディスプレーを発売している。eSports世界大会仕様の「Optix MAG251RX」がそれだ。
そして今回紹介する「Optix MAG274QRF-QD」は、IPS方式ながら応答速度1ms(GTG)であり、かつ広色域を実現したゲーミングディスプレーだ。
画面サイズ | 27インチ |
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解像度 | WQHD(2,560×1,440) |
リフレッシュレート | 165Hz |
応答速度 | 1ms(GTG) |
パネル駆動方式 | RAPID IPS |
表面 | ノングレア |
色域 | sRGBカバー率:100% AdobeRGBカバー率:99% DCI-P3カバー率:97% |
視野角 | 178°(H)/178°(V) |
輝度 | 300cd/m2 |
コントラスト比 | 1000:1 |
上下角度調節(チルト) | -5°~20° |
左右首振り機能(スイーベル) | -75°~75° |
画面回転機能(ピボット) | -90°~90° |
高さ調整 | 0~130mm |
インターフェース | HDMI 2.0b ×2、DisplayPort 1.2a ×1 USB Type-C(DP Alt mode)×1 ヘッドホン出力 ×1 |
サイズ | 614.9(W)× 206.7(D)×532.7(H)mm |
重さ | 6.05kg |
実売価格 | 6万9000円前後 |
RAPID IPSと量子ドット技術により新たなゲーミング環境を
「Optix MAG274QRF-QD」は、27インチで解像度はWQHD(2,560×1,440ドット)の「MSI RAPID IPS」パネルを採用したモデルだ。本パネルは高画質・広視野角でかつ、リフレッシュレートが165Hz(DisplayPortの場合)、応答速度1ms(GTG)の性能を備えており、動きの激しいゲーム画面でも残像感を低減して快適にプレイできるのが特徴である。
それに加えて、量子ドット技術(Quantum Dots)により、バックライトが発する光の成分を効率よくフィルタリングして色の純度を高めることで、最大表示色は約10億7300万色、色域はsRGBで100%、AdobeRGBで99% 、DCI-P3で97%の高カバー率を実現している。また、コントラスト比は1000:1でHDRにも対応するなど、速い応答速度と広色域・画質を両立した製品といえる。
G-SYNC COMPATIBLEにも対応しており、対応グラフィックスボードと組み合わせることで、カクつきやティアリング現象を抑えてプレイ可能。アンチフリッカー機能やブルーライト軽減機能も用意されていて、長時間画面を見続けることでの疲労を軽減してくれる。
本体のサイズは614.9(W)×206.7(D)×532.7(H)mmで、重量は6.05kg。上部と左右はベゼルが薄く、高さ調整の幅は130mmで、チルト角は-5度~20度。スイーベル角は左右75度と振り幅が広いのが特徴。また、左右90度の回転にも対応するため、縦画面2枚を薄いベゼルどうしで並べることが可能だ。
インターフェースは、DisplayPort 1.2a×1、HDMI 2.0b×2、USB Type-C(DP Alt mode)×1を搭載。なおHDMI接続の場合は、リフレッシュレートが144Hzまでとなっている。また、USB 2.0のハブも内蔵しており、Type-Aポート×2も用意されている。DisplayPortケーブル 、HDMIケーブル、USBハブ用ケーブルが付属しているので、USB Type-C経由以外なら別途ケーブルを用意する必要はない。
USBケーブルを接続することで、MSIの設定ツール「Gaming OSD」で制御が可能。ゲームやアプリと設定を連動させたり、背面イルミネーションの点灯パターンを設定する「MYSTIC LIGHT」を制御したりできる。
設置しやすく使いやすいサイズで快適なゲーム空間を
実際に設置して使ってみたが、27インチでWQHD(2,560×1,440ドット)という解像度は、デスクの上に設置したときに使い勝手のいいサイズ。電源はACアダプター経由だが、メガネ電源ケーブルを利用しているので、コンセントでの差し込みにくさはない。
高さ調整できるので、自分に最適な設置をしやすく、スイーベル角が左右75度も調整できるため、たとえばデスクの隅に置いたときにスタンドを斜めにするのではなく、デスクと正対して設置してディスプレー部のみ自分へ向けるといったメリットもある。ディスプレーとスタンドの接合部分が稼働するのではなく、スタンドの軸全体が回転するのもこの手の設置に向いているといえる。
ディスプレーの設定を行なうOSD画面は、背面のスティックで操作ができるので、非常に快適。スティックには、それぞれ機能を割り当てられる。さらに、USBケーブルを接続すると「Gaming OSD」からの制御もできるので、ゲームごとに設定を変えたいときでも、あらかじめ設定を連動しておけば、起動するだけで自動的に最適な画面設定へ切り替わってくれる。
また、ディスプレーの左下にボタンがあり、Gaming OSDで機能を割り当てられる。初期設定ではGaming OSDアプリが起動するようになっているが、特定プロファイルに切り替えたり、ウィンドウ分割の設定に割り当てたりすることで、Gaming OSDを起動せずともボタン1発で指定した機能を実行してくれて便利だ。
リフレッシュレートを165HzにしてFPSゲームをプレイしてみたが、残像感は少なくて非常にクリア。暗部を明るくする「ナイトビジョン」モードも用意されているので、敵を視認しやすくすることもできる。だからといって、即うまくなるかというのは別問題なのだが、少しでも不利な点を解消してプレイするに越したことはない。筆者の得意なドライビング系ゲームもプレイしてみたが、リフレッシュレートが高いと高速走行からの減速時、ブレーキングポイントの見極めがしやすく感じた。
あと、やはり広色域なので写真や動画の編集用途としても活用できる。WQHDということで、FHDより作業できるスペースが広いところもポイントだ。
ゲームにもクリエイティブにも活用したいディスプレー
「Optix MAG274QRF-QD」は実売価格6万9000円前後。同じ27インチのモデルに比べて若干高い価格設定だが、性能やディスプレーの可動領域の広さを考えると妥当な線だろう。ゲーミングはもちろん、クリエイティブにも十分活用できるし、コロナ禍でテレワークをしている人にもセカンドディスプレーとしてオススメしたい。
ゲーミングディスプレーも応答速度やリフレッシュレートだけでなく、画質の良さにも目を向けた製品を選ぶ時代になってきた。巣ごもり生活で仕事も遊びも行なう人、ディスプレーを買い替えたいと考えている人に、検討してほしい一台だ。
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