「ヴィーガン」が広げる表現。トップシェフのクリエイション。/ファロ
〈写真上から、時計回りに〉シェフパティシエ、加藤峰子さんによる花のタルト。アミューズの菜の花のタルト、カブのマリネ、バジルペーストを練り込んだ豆のピュレ。竹炭、クロレラで色付けしたパスタをソースに重ねた市松のアラビアータ。野菜のピュレを詰めたレンコンのロースト、6色の野菜のパウダー添え。料理はすべてガストロノミーヴィーガンコース(8品〜)¥12,000(サ別)より。
ガストロノミーにおけるヴィーガンを体験するなら、真っ先に駆けつけたい一軒。能田耕太郎シェフがエグゼクティブシェフに就任した2018年以来、力を入れているヴィーガンコースは、今や「FARO」の代名詞として支持されている。
ローマにも店を持つ能田シェフ(左)とシェフパティシエの加藤峰子さん(右)。
「ヴィーガンは制約ではなく、表現の手段」と、能田シェフ。野菜のだしやピュレ、自家製発酵調味料などを駆使して作る料理は、さまざまな味と食感のレイヤーがあり、プレゼンテーションも華やか。味覚の新領域が拓かれる。
FARO
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル10F
03-3572-3911
営業時間/12:00~13:30LO.、18:00~20:30LO.
定休日/日曜・月曜・祝日
https://faro.shiseido.co.jp
話題シェフがプロデュースのミドルイーストレストラン。/サラーム
〈写真上から、時計回りに〉ミントの香りが爽やかなマブチャ(地中海風なすとパプリカのトマト煮込み) ¥1,200。ザアタルという中東のミックスハーブで風味付けしたケールのサラダ ¥1,700。ヴィーガンクッキー(3個) ¥800。枝豆のファラフェル、ビーツフムスとブラックタヒニ。¥1,400。
監修を手掛けたのは「The Burn」の米澤文雄シェフ。米澤シェフは、ニューヨークスタイルのグリル料理店である同店でヴィーガンコースを打ち出し、シーンを牽引してきた一人だ。「日本人にとって食のイメージが薄い中東だけれど、食文化は実に多彩」と話す。
米澤シェフ(右)は、ヴィーガンに関する料理書も出版している。シカゴの地中海レストラン「Avec」などでも活躍したレイチェル・ダウシェフ(左)が店を仕切る。
フムスやファラフェルで知られる通り、ヴィーガンが根付く土地でも。家庭の味から世界のフーディーに支持されるレストランまで、イスラエルの旅での体験を基に、現地と時差のない味を紹介する。
Salam
東京都渋谷区広尾5-4-16 GEMS HIROO CROSS内 THE RESTAURANT 1F
070-4230-9547
営業時間/11:30~13:30LO.、17:30~22:00LO.
定休日/無休 現金不可(カード、電子マネー対応)
salt-group.jp/shop/salam
アレルギーや信条を超えあらゆる人が交わる食卓を。/ユニバーサル ベイクスアンドカフェ
イチゴベリータルト ¥539
2卓6席のイートインスペースもあり。コーヒーやクラフトビール、日替わりのスープなどと楽しめる。
フレンチトースト。アパレイユはココナッツベース。¥990
店頭に並ぶパンは、1日に約40種。すべてが動物性の素材を使用せずに焼くヴィーガンブレッドだ。「“代わり”に何を使うか、ではなく、植物性素材で最高においしいものを作る、というのが私たちの考え方」と、話す店主の大皿彩子さん。
表面はざくっと、中はふわふわのヴィーガンメロンパン ¥330。クロワッサンは大豆バターで折り込む。香りも食感もリッチ。¥363
朝、昼、午後と時間帯に合わせ、焼きたてが次々と店頭に並ぶ。
クロワッサンにメロンパンと幅広いラインナップは、菓子パンから総菜パンまでがそろう“日本のパン屋さん”をイメージ。アレルギーや信条を気にせず食をともにできる喜びを、パンという日常の食べ物で広げていく。
UNIVERSAL BAKES AND CAFE
東京都世田谷区代田5-9-15
03-6335-4972
営業時間/8:30~18:00
定休日/月曜・火曜
Instagram/@universalbakes_tokyo
台湾の定番朝食、おやつをデイリーに楽しめる。/ミンテンハオハオ
明天鹹豆漿。薬味は薄切りのパプリカやパクチー。油條(揚げパン)も添えてあり、空腹がきちんと満たされる。¥700
店内は80年代、各国のチャイナタウンにあったカフェのイメージ。
人気急上昇中の台湾ストリートフードだが、シーンをリードする一軒。現地で朝食やおやつとして親しまれる豆花や豆漿の多彩なバリエーションがそろう。主原料が豆乳ゆえ、ヴィーガンとの親和性が高く「食べたいものがヴィーガンだった」という流れを自然な形で叶える。
小豆、白玉、きなこ、タピオカピーナッツを載せた明天豆花。¥800
果物豆花。バナナやキウイ、ライチなどのフルーツに、豆乳クリームもたっぷり。ハト麦のパフで食感もプラス。¥900
フードはすべてテイクアウトができる。キッチュに並ぶボックスもグッドデザイン。
メニュー監修は表参道「MIMOSA」の南俊郎シェフ、クリエイティブディレクターは「DEPT」のeriさん。味のクオリティからスタイルまで妥協なく、おいしい+αの価値を発信する。
明天好好
東京都目黒区青葉台2-20-7
03-6452-3102
営業時間/11:00~21:00
定休日/不定休
Instagram/@mingtenghaohao
中国料理の名店シェフが監修。罪悪感フリーのヌードル。/チプーン
アボカド油そば。ダイス状とペーストのアボカドに加え、トマト、赤玉ねぎなど野菜もたっぷり。具材と太麺を豪快に混ぜ合わせ、好みでラー油と酢を加えつつ食べるのが正解。¥880
カウンター6席のみ。テイクアウトもできる。
ヴィーガンヌードルとハンバーガーの店だが、プロデュースが銀座「Renge Equriosity」の西岡英俊シェフと聞けば、がぜんヌードルが気になるところ。
シグニチャーのヴィーガンヌードルは、細麺で。湯葉や粒マスタードもよきアクセント ¥825
デザートも充実。メープル豆乳杏仁豆腐 ¥385
「Renge Equriosity」同様「SKD.inc」のさとうこうじ氏が内装デザインを手掛けた。
香味野菜、昆布、しいたけやドライトマトなどで出汁をとるヴィーガンヌードルは、さっぱりとした味の中に旨みの層がある“淡麗旨口”。罪悪感フリーで深い満足感が得られる。黒胡麻の香りと辛みが効いたタンタンヌードルや、アボカド油そばまでメニューのバリエーションがあるのもうれしい限り。
Chipoon
東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿2F
03-6804-2123
営業時間/11:00~21:00
定休日/不定休(ラフォーレ原宿に準ずる)
http://chipoon.tokyo
ニューヨーカーが熱狂するヴィーガンバーガー専門店。/スペリオリティー バーガー
TFTトーキョーフライドトーフ。揚げた豆腐をコールスローとサンドした本店のメガヒットメニュー。¥900
インテリアも現地そのままのスタイルで。
ヴィーガン先進都市・ニューヨークから上陸したヴィーガンバーガー専門店。ブルックス・ヘッドリーシェフは、“レストラン界のオスカー”と呼ばれるジェームズ・ビアード・アワードの受賞歴があるスターシェフで、ヴィーガンに限らずフーディーたちに熱烈に支持されている。
ヒヨコ豆ベースのパティに練り込んだスパイスと、カシューナッツベースのチーズ風ソースが味の決め手。スペリオリティーバーガー ¥800
ミートソースとフライドオニオンを「スラッピー(ぐちゃぐちゃに)」して食べるダイナーの定番のヴィーガン版。スラッピーヒデ ¥800
天井が高く地下でも開放的。
ヒヨコ豆やキヌアで作るパティにチーズテイストのソースをたっぷり添えたバーガーは、ヴィーガン料理を超えた、“グルメバーガーの新カテゴリー”と呼びたくなるおいしさだ。
Superiority Burger
東京都渋谷区神宮前2-31-7 ビラグロリアB1F
03-6432-9360
営業時間/11:00~18:00
定休日/月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休)
Instagram/@superiorityburgerjapan
パーラー業態にリニューアル! 日本のヴィーガン界の先駆け的存在。/パーラーエイタブリッシュ
ティータイム(14:30~)の人気メニュー、有機米粉で作る米粉のパンケーキ。¥1,518
日中は自然光が射し込む店内。
創業は2000年。東京のヴィーガンシーンを牽引してきた先駆店が、2020年、パーラーとしてリニューアル。パンケーキにパスタ、プリンアラモードといった喫茶、軽食メニューを一日中楽しめ、都市に暮らす人々の生活にますます寄り添う形だ。
プリンアラモード。プリンはココナッツミルクとカボチャベース。¥1,408
本日のジェノヴェーゼ スパゲティ。バジルやブロッコリーなど、その時季の緑の野菜で(写真はケール)。¥1,540
「8ablish」の味を密閉容器に詰めたシーズニングシリーズも販売。左からヴィーガンジェノヴェーゼソース、デュカ、ヴィーガンバター。1個 ¥993~
ヴィーガンであることはもちろん、グルテンフリーメニューにも力を入れ、可能な限りトレーサビリティが明確なオーガニック食材を使用。気軽なスタイルでユニバーサルな食の楽しみを一歩先に進めている。
PARLOR 8ablish
東京都港区南青山5-10-17 Glanz Kisten 2F
03-6805-0597
営業時間/11:00~20:00(ランチ14:30LO.)
定休日/火曜
https://www.8ablish.com
餃子に唐揚げまで“まさか”の! 東京ヴィーガンの最前線。/居酒屋 真さか
ぎょうざ6個 ¥500~。パリッとした焼き目は鉄板焼きならではで、餡もジューシー。
渋谷パルコ地下のレストランフロアでも異彩を放つ外観。ヴィーガン料理専門店と気付かずに訪れる人も。
唐揚げ。小麦粉や片栗粉ではなくタピオカ粉を使いからりと揚げる。写真はピリ辛風味が食欲を刺激する四川麻辣ソース。(4個) ¥600
店構えも品書きの内容も、完全に大衆中華ながら、料理は“まさか”のオールヴィーガン。2大看板は、ベジミートで作る餃子と唐揚げ。鉄板で焼く餃子はパリパリの食感も格別で、唐揚げは南蛮タルタル、葱塩レモン、スイートチリなど、ソースを10種から選べるのもユニーク。あつあつをほおばれば、じゅわっと肉汁ならぬ旨みの汁があふれだす。
いんげんをカレー風味の衣で揚げた中華天ぷら。¥600
食品サンプルを並べたショーケースも、町場の大衆中華さながらだ。
レモンサワーやビールとともに。マカロニサラダやぬか漬けなどのつまみもそろい、酒場使いに打ってつけだ。
居酒屋 真さか
東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコB1F
03-5422-3020
営業時間/11:30~21:00
定休日/不定休(渋谷パルコに準ずる)
https://www.masaka.ninja
Photos: Jun Hasegawa Text: Kei Sasaki Editor: Shizue Hamano
からの記事と詳細 ( イタリアンに中華、スイーツまで。東京で至極のヴィーガン料理が堪能できるレストラン。 - VOGUE JAPAN )
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