ネットが遮断されても利用可能
イランでは、WhatsAppのようなエンドツーエンドの暗号化アプリを使えば安全に意思疎通できる。しかし、オープンソースであるNahoftは、安全なコミュニケーション手段が使えない場合を想定し、極めて重要な機能を隠しもつ。 イラン政府は特定の地域やイラン全体で、ほぼ全面的なインターネット遮断を繰り返し強制実施している。19年11月には、丸1週間もインターネットが遮断された。しかし、仮にインターネットに接続できなくても、Nahoftをデヴァイスに前もってダウンロードしておけば、ローカルで使用できるようになっている。 暗号化したいメッセージを入力すると、Nahoftはそれをペルシャ語の暗号化メッセージに変換する。一見するとランダムな言葉の連続にしか思えないそのメッセージを、手紙に書き写したり、別のNahoftユーザーに電話をかけて読み上げたりする。あとは、相手が自分のアプリにその内容を手動で入力し、本来のメッセージを読み解けばいい。 「インターネットが遮断されると、イランの人々は国内外の家族と連絡をとれなくなります。活動家も、やっていることすべてをいきなり中断せざるを得なくなるのです」と、United for Iranの事務局長のフィルーゼ・マムーディは語る。マムーディは1979年のイラン革命を生き抜き、12歳で他国に逃れた人物である。 「それにイラン政府は、ますます多層構造のフィルタリングによって各種デジタルプラットフォームの利用を禁止し、ソーシャルメディアなどの国際的に普及しているサーヴィスの代替策を開発する方向へと向かっています。わたしたちが危惧している傾向を強めており、非常にまずい状況です。そこで役に立つのがNahoftなのです」
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